第41話
「雫、落ち着いて」
「まうちゃん!!こそなんでこんな奴の奴隷なんかしてるのよ」
「・・・パン!!」
「氷川さん??」
氷川の強烈なビンタが妹に炸裂した。
「何すんのよ!!」
「知らない癖に、調子にのるんじゃない。」
「何が?」
「アンタのご主人様、相当当たりみたいだね。」
妹の主人は妹が暴れた瞬間に頭を隠しながら、泣きながら端っこで、俺たちを見ている。
「私の主人は怯えてるけど、凄くいい人よ。だからなに?」
「尚更、今やったことを辞めなさい。」
「はぁ?何様なのアンタ?」
「・・・アンタは知らないからよ。」
「だから何が??」
「本当の地獄よ。」
氷川さんさらに一撃を加える。
「イタっ何すんのよ」
「そんなのアンタのお兄さんにいつもしてたんでしょ。」
「はぁ、それはクソ兄貴だから」
「それは確かに前までの私なら同じ意見。それは前までは、同じだった。あとそんなことよりも、もしあの時私の主人に殴ったら、こんなの当たり前だよ!!」
氷川さんは更に一撃を与える。
俺は氷川さんを止めようと思ったが、氷川さん泣きそうな、あの時の辛いことを思い出しているような顔をしているから思わず止めることができなかった。
二人も同じようで、特に幼馴染は氷川さんに同情する顔をしている。
「アンタは知らない。虐めの痛みも、この新しい世界の残酷さも」
氷川さんは更に殴る。
「・・・っ、」
そしてある程度して、妹は黙った。
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