第37話

氷川さんはオタクだったらしい。


 確かに家の漫画をかなり読んでいたけど、


 「氷川さん、あの」


「・・・なんですか?」

 一度ため息をついた後に答える。


 無視すると電流が走るから、こうやって答えないといけない。


 「欲しい、漫画とかある?」


「良いんですか??」


「良いよ、リスト付けといて」


「ありがとうございます。」



「未来様と最近いい感じだね、まう」


「そうだね、男が嫌いって言ってた設定どこ行ったのか」



 「氷川さん」


「・・・なんですか?」

 氷川さんは睨むように俺を見る。


「いや、なんでもない」

 どうやらまだ俺は彼女と仲良くなりきれてないようだ。



「でも、どうやら、自分の目的以外で話す時は嫌ってる感じだね」


「そうだね、安心したような仲良くして欲しいような複雑だね」



ーーーーーーーーー



 「すっー、」「ーすぅ」


「ツンツン」


「・・・何・・・です・・・って、まき?どうしたこんな時間に」


「いや、せっかくご主人様と仲良くなれた感じなのに冷たい時あるのってなんでかなーっ?」


「・・・言ったじゃん、私は男が嫌いなの」


「それは、やっぱり昔のやつせい?」


「・・・それも凄くあるけど別な理由がある。」


「何??」


「・・・私は昔ね、虐めてたの」


「虐めてたのは知ってるよ」


「昔のこと、小学生の時」


「その時のことがトラウマになってね」


「へぇー、聞いてもいい?」


「いいよ、」

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