第14話

俺は朝になり、早速中学校に電話した。


 「あの、未来 雫の兄です。そちらに俺の妹は居ませんか。」


『・・・お兄さんですか、すいません。雫さんは国からの命令で転校になっております。』


家族に伝えずに??本当にどうなっているんだ。


 「場所は、転校先と主人はわかりますか??住所は??」


『大変申し訳ありません、何もわかりません。』

 

「・・・」

そんな、嘘だろ。


 「・・・ご主人様」


「そうですかありがとうございます。」


『あの、教師として私達も雫さんのことをとても心配しております。もし分かり次第、連絡をします。また分かり次第連絡お願い出来ないでしょうか』


「はい!連絡お願いします!!私もわかり次第ぜひそうさせて頂きます!!ありがとうございます」


そして通話は切れた。


 学校が雫のことを思ってくれて良かった。


 『雑魚兄貴』『プリン買ってこい!!』『早く飯作れよ!!』

口も悪いし、暴力は振るってくるけど俺の妹なんだ。俺が見つけてあげないと


「・・・ご主人様」

真川さんが心配してくれている。


 「いつか、絶対に妹さんを見つけましょう。」


「うん。見つける!絶対に」


ーーーーーーーーー

 そして、真川さんのお姉さんのいる大学に電話した所、どうやら学校に来ているようだ。


 真川さんは一安心のようだが、すぐに心配になる。

 昨日のことを思い出す。


 予定通り、大学に向かうことにした。 


ーーーーーーーーーー

 

 そして、大学に入室の許可を貰い真川さんの姉を探している。


 「いた、お姉ちゃん!!」


「・・・ま・・・き!」


感動の再会。とりあえずお姉さんの首輪が普通の色なのも安心する。


 「お前、妹いたのか・・・へー可愛いじゃん!」


「そうです」


「君、妹さんの主人??」


「・・・そうです。」


「そうなんだ、ねぇ君交換しない??」


「・・・交換??」


よく見たら、他にももう数人奴隷がいる。


 「そう、奴隷ってね、お互いの貴族の許諾があれば交換できるんだよ。」


「そうなんですね」

 

「もし良かったら、交換しない??」

俺は思った、姉妹で再会出来るなら、それがいい


 「わか」


「止めてくだ・・・!!」


「お姉ちゃん!!」


「チッ、お前何言ってんだよ!!せっかくのJKゲットのチャンス逃しただろ」


「・・・きみ、交換はやめて、・・・っ!うわぁ・・・っ!妹を守って」

 電撃を喰らってるなか、首輪から謎の物体が飛び出てる


「お姉ちゃん・・・いや!!!」


あれは何??まさか言ってたやつか 


 「止めさせてくれて」


「ならそこの妹をよこすことだな。」


「私ならいいです、承諾してください!!」


「や・・・め・・・て妹を守ってしないで」

 


 どうすればいいんだ。きっとお姉さんはこうなる覚悟で言ったんだ。

 クソ、クソ!俺が行こうって言わなければ!!!


 「早くしろじゃないと」


  その物体がお姉さんの耳に入りかけている。


「ご主人様!!未来!・・・っ・・・承諾して早く!!」


 どうすれば、どうすれば


コイツをやるか、でもやったら結局お姉さんを守れない。


 仮に承諾しても、二人が幸せになれるとはこの状況から思えない。


 考えは、考えろ、いや、覚悟を決めろ、真川さんも覚悟は決まってるんだ、一人の命の方が


 「しょ」


 「チッとまれ!!」


 そして、その物体は止まって一気に首輪に引っ込んだ。


 「俺は心のないやつとは遊べないんでね。覚えてろよ、お前、今日帰ったらお仕置きだからな」


「・・・はっはっはっ・・・・はい分かりました。」

そして、お姉さん達は貴族について去って行く。


「・・・はっ、はっ、はっお姉ちゃん!!」


 「真川さん・・・大丈夫」


「・・・大丈夫です・・・・・・・」

真川さんは一言言うと無言で俺の服を握りしめる。

 


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