第42話 雪山に行きたい

人生はゆったりと進んでおり、歓迎会に比べて勉強のプレッシャーははるかに大きく、特に温涼ウェンスズミが未来の俺の入試試験は540点しか取れなかったと言い聞かせた後、切迫感はさらに大きくなりました。


それでも、俺は毎日一時間を割合し、映画監督の受験の基礎知識を勉強しました。


今の時代では学びたい知識が、全てネット上でキャッチアップできる。入門から土に埋めるまで、知識を得る方法が安くなったとき、それを学べるかどうかは、個人の意思と根気の程度にかかっているだけである。


この点からみると、彼の性格の長所のおかげで、今までよく頑張ってきました。


まだ本格的に監督試験を受ける決心がついていない彼は、11月の大型連休のことを考えて、家に帰って父親とそのことについてよく話し合うつもりだ。


ボクシングは今も練習中で、温涼ウェンスズミと会う回数は週に1、2回に固定されているようで、芸術系の学生も多忙を極めているようで、最近は半閉鎖的な合宿トレーニングをしていると聞きました。


10月以降になると彼女と合う機会がますます減ります。


「演技の先生は、学校の歓迎会のことは忘れて、安心して試験準備してほしいと言われて、リハーサルのために休暇を取ったが、許可をもらえなかった」


9月末のボクシングジムでは、まだ暑さが残り、彼女はレモネードを飲みながら日常の話をしていた。


「それで、歓迎会が終わったら、学校に来ないの?」


俺は少し心配していた。


温涼ウェンスズミはストローをかみ、意味不明に「たぶん」と言った。


「ところで、何か好きなこととか、やりたいこととかある?」と俺は焦り感が迫られたように聞いた。


「うーん?」


「結構お世話になっているし、俺からも何かあげたいと思って、そういえば、君の好みもしらないね」


彼は心の中かなり緊張していった、厳重な注意を払わないと、内心が暴露されてしまうのが恐れて、より慎重に話しました。


本来、温涼ウェンスズミはこの話しを聞くと、一文銭で生爪はがずにして珍しいとからわれると思いきや、彼女からは想定外のことを聞いた!


「雲南省に雪山を見に行きたいなぁ!」


温涼ウェンスズミはストローで、プラスチックのカップに入ったレモンのスライスを弄ってながら答えた。


「雪山?」


「うん、今の町は海が見やすいが、山の方が好きだ、だって、元々重慶出身だからさ」(※1)


「これは……ちょっと難しいな」


「そうですね、今は勉強が忙しいので機会があればお話しましょう」


温涼ウェンスズミは淡々とそう言ったが、俺は気が進まなかった。


今振り返ってみると、彼女と一番遠く歩いた場所は、学校の前にある香港式の喫茶店で、好きだと知っていた唯一のパイナップルパンも薛勇シュエツヨシから聞いた。


歓迎会は一ヶ月後と言われていましたが、9月の最終日に決まり、それ以降は高三学生で唯一休暇、10月の大型連休である。


俺は家に帰り、親父がハンドルを壊したゲーム コンソールをぼんやりと見つめながら、30分後にスーツケースを引き、朴店長の店に入った。


「全部売るの?」太った中年男はスーツケースの中身を見て、信じられない顔で聞かれた。


「まあ、ゲーム機、CD、フィギュアは自由に選んでいいよ。気に入ったら安く売ってあげるよ」


俺の言葉に迷いはなかった。


「脱オタクのつもりなの?」


「俺は高三だから」


「冗談じゃないよ、これを全部売る必要がないでしょう?」


朴店長はとにかく30年も生きてきた人なので、「お金がない?」と聞いた!


「……うーん」


「どれくらい足りない?」


「6、7万円があれば十分だろう」


「女の子のため?」


「ちょっとナンセンスなこと多いな!買うか?いらないなら俺帰るよ!」


朴店長は俺の腕をつかみ、去らせることを拒否した。


「買うよ!ただ、理由を教えて」


「理由なんかない、離して!」


「いいよ、このドアから出て行ったら、俺は一つも買わないからなぁ」


すると朴店長の手が離れ、だが、彼の言葉は俺の胸に当たり、動かずにそこに立ち止まった。


太った男とオタクは一瞬顔を見合わせ、太った男は「どちらの為?」と尋ねました。


俺は戸惑うふりをして、「なんにか?」と言い返した。


朴店長の太った顔に笑みが浮かび、目を細めた。


「よ、まだ仮面をかぶっているの? 本当にハーレムの男主人公だと思っているの? 聞くけど、一緒に食べる人のため?それとも料理する人のため?」


俺は少し焦りました。


「それはウェン…」


ところで、それを言う途端に、何かがおかしいことに気づき、「なんで、彼女が料理を作ってくれるって知っているの?」と尋ねました。


「壁に耳あり障子に目あり。その日の午後、彼女が再び店に来て、素材をコピーしたいから、お父さんが家に会いに来ので、彼女がそこにいるのは不便だって聞いたよ!」


「あの日のことを彼女に話したの?」 俺はショックを受け、悪い予感がこみ上げてきた。


朴店長はこの質問に直接答えなかった。


「あの日でさ、君の知り合いが彼女に告白したって知っている?」


「……知っている」


「うちの店で告白するのはふさわしくないよね?」


「……」


「そこに立って自分で確かめて」


彼がいきなり、その日俺が薛勇シュエツヨシを慰めた場所を指さした。


俺の足がまるで重りを背負って歩いたように、その位置まで歩いて行き、周りを見渡すと目の前にタイ料理店が!


(お腹が空いた……」


(先、三階にタイ料理屋さんがあったけど…)


最初、温涼ウェンスズミの言葉が耳に響きましたが、彼女はそれを確認しましたか?


曹愛青ソウ アオイを連れて入店した黒服を着ている人物が俺であるかどうかの確認か?


「あの時、彼女は上を向いて、数分間と見つめていった。観客からの注文も全く無視してさ、ただそこに座って君が戻ってくるのを待っていた」


朴店長も前に出て言った。


俺が頭を向け店内の高い椅子をちらりと見たが気が狂った。その日以来、温涼ウェンスズミは学校に姿を現さなかった。


その時、彼女はどんな気分でここに立っていたのですか? 薛勇(シュエヨン)を拒絶しながら、上を見上げると俺が見えて…


俺が戻った時に、彼女が「あのさ、優しくしてくれた人を悲しませてはいけないよ」と笑顔で言ったのは…


彼女は全部、全部を知っていた!


俺はもうそれについて考える勇気がありませんでした。


今までは温涼ウェンスズミとの関係は、まるで子供がおままごとをしているような気分で、自分がルールを破ったのではないかと恐れていました。


しかし今ではいわゆるルールはないようで、彼女ずっと俺のような幼稚過ぎるやつを寛容しただけでした。


「これを買うよ!」


朴店長は携帯を介して俺に送金し、ちょうど7万円だった。


「店長…俺は…」


店に戻り、頭を下げてスーツケースを蹴った。


「お礼は言わなくてもいい。ここには絶版の商品がいくつかあります。売ると絶対値上げすると思うから、お買い得…」


話し終わった後、太った男は地面にしゃがみ込み、箱の中の物を拾い集め、ドアの外にいる俺にふくれた背中を残して、遊び心のある口調で言った。


「ああ、天然くんさ、青春って良いよね。三十歳になったら、俺みないにならないように願うよ、バガヤロ!」


――――


(※1)中国の重慶市は山の上にできている都市であり、通称山城と呼ばれるほど山が多いです。

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