第17話 敵の敵は味方

曹愛青ソウアオイが隣にいることに、俺は午前中ずっとぽんやりとした状態でした。


昼頃につれて、授業終了のベルが鳴ったちょうどその時、温涼ウェンスズミは不機嫌な表情で教室から出て行き、張之凡チョウシノブも彼女の後を追って行った。


これって、当然また生徒たちの間で騒ぎを引き起こしました。


喧嘩中?


それとも照れている?


やはり、彼女は先生にはダメかも!


俺だって午前中は、老犬のようにじっとしていられるし、この穏やかな心構えは温涼ウェンスズミも見習うべきだ。


それでもダメなら、俺の「究極の剣」を彼女に読ませてあげるか?


俺は曹愛青ソウアオイとのやり取りは非常満足しており、傲慢でもなく卑屈でもなかったので、変な印象を残すこともなかった。


彼女はさっき友達と食堂に行った。


そう思って、リラックスし始めた俺の前で、思いがけない人物が近づいてきた。


「ちょっと、話しがある」


むっつりした顔で、薛勇シュエツヨシは悪い口調でテーブルをノックしました。


俺?


張之凡チョウシノブではないのに、温涼ウェンスズミが好きなら俺には関係ないでしょう!


と少し戸惑いながら、俺の心の中で愚痴を言うしかできなかった。


「温師匠が言っていた…同じ師匠の元で学んでいる人はもう兄弟だから、なので…」


「殴らないよ!」


薛勇シュエツヨシは怒りを抑えられなく大声で叫び、クラスに残っていた生徒たちは驚きながら二人を見ていった。


彼はため息をつき、「一緒に来い」と焦りながらささやいた。


それを見た俺は、何も恐れる必要はないとわかって後を追った。


二人が学校の校庭に来て、薛勇シュエツヨシは芝生に座っていた。今の時間帯では多くの生徒たちが集まって食事をしたり、おしゃべりしたりしていった。


薛勇シュエツヨシの目は焦点を失い、非常に落胆に見えた。


そう、彼は失恋した。


これは失恋の傷、深刻な傷だ!


俺は彼の孤独な背中を見るだけで、その答えがわかる。


「あのさ、ダメならダメで、次はもっといいやつ待っているさ」


俺は彼のそばに座り、慣れているように彼を慰めた。


恋愛経験がないが、理論知識は非常に豊富で、今頃誰でも二次元の嫁を持っているでしょう。


「知るか!オタクには理解もしていないだろ!」


薛勇シュエツヨシはストレスを発散するかのように愚痴をいったが、俺は怖くなった。


「じゃあ追い返して、ここで愚痴って何になるの?」


「俺……」


薛勇シュエツヨシはそれを受けたように苦笑いしながら、俺に「相手は君なら、追い返すところが、生活不能までボコボコにしてやる」と軽蔑そうに言い返した。


「でも、今回は違う…」


「はぁ!つまり、張之凡チョウシノブに太刀打ちできないと思っているから、俺を責めるわけ?俺には関係ないでしょう?というか、あいつもただの人間だろう?俺らと何の違いがある?」


「彼……」


薛勇シュエツヨシは、このオタクが意外と賢い!彼は怒りを抑えつつ、ようやく言葉を口にした。


「彼はイケメンだ!くそー!」


「……くそっ、確かに」


「……」


この点については、二人は驚く程意気投合だった。


しばらくして俺が沈黙を破って、「俺から見ると、君が完全にチャンスがないわけでもない…」


「とういうこと?」


それを聞いた薛勇シュエツヨシの目に小さな活気が蘇った。


温涼ウェンスズミは外見選びのような連中じゃない。彼女を追う人が多いし、イケメンが好きなら、すでに次々と変わっていくじゃん。だからすぐに班長に惚れることがないと思う」


ついでに心の中では、未来の彼女は31歳までずっと独身の大スターだから、17歳に戻って、これから洒落な人生を楽しもうじゃないか?


「じゃあ、温涼ウェンスズミが最初から張之凡チョウシノブを気に入っていたらどうなるの?だって、彼女のモーメンツの写真にはすべて張之凡チョウシノブが写っていったし」


薛勇シュエツヨシはまだ自信がなくなった。


ええと、つまり、俺だけニュースで、みんなが知っていたのか!?


俺は恥ずかしかった!


でも、よく考えてみると、ネット小説で書かれたように、すべての転生者は、学生時代に叶えない恋話の思い出を持っており、温涼ウェンスズミも例外ではないはず。


そうすると、薛勇シュエツヨシには確かにチャンスがなさそうだ。


俺が黙り込んだようで、今度は薛勇シュエツヨシが不安そうになった。


「実は今回、君に助けてもらいたい」


「俺?」俺は自分の鼻を指差した。


「うん、彼らがどこまで進んでいったのか調べてほしい」と薛勇シュエツヨシは力強く頷いた。


「いや……」


恋愛経験ゼロのオタクにこれを頼む?


「こういうことが他人の俺が聞くわけがない」と俺は困りそうにやんわりと断ろうとした。


だが、薛勇シュエツヨシはそれを確信したように、「君なら大丈夫、だって彼女から大親友だって言ってくれたし。今後まだ困らせたら、もう二度と彼女の前に現れないで」と言った。


俺の心の中で、薛勇シュエツヨシ温涼ウェンスズミがボクシングジムでのやり取りを思い出して、少し呆然とした。


「土曜日のボクシングジムの日」


「うん」


俺は、口をすぼめて「男女の純粋な友情を信じているの?」と尋ねた。


俺がこんなにズバリ聞くなんで、薛勇シュエツヨシでさえ想像もしなかった。すると、彼は横になり芝生に倒れ、どうしようもなく言い始めた。


「最初は信じられなかった、けと、今落ち着いて俺を慰めるし、張之凡チョウシノブのことも全く気にしていないし、もう信じがたくでも信じるしかない…あ、もしかして君はあれ!?…」


「違う……」

「よ、よかった……」


最初の質問が俺の身に返ってきました。


俺は薛勇シュエツヨシほど洒落な性格ではない、異性友達もいなかったので、俺は答えがありません。


しばらくして、俺はゆっくりと頷いた。


「手伝うよ」


「本当?!」薛勇シュエツヨシは芝生から身を起こし再び確認した。


「本当だけど、ただ、結果がどうであれ俺を責めないで」と俺はしょうがなく微笑んだ。


すると、突然手のひらが目の前に現れ、薛勇シュエツヨシが完全に復活したように、俺と同盟を結ぶために握手しようとしている。


このクラスのいじめっ子に、こんな中二病の一面があるとは思わなかった…


まぁいいか、それも悪くありません。


二人の手が空中で2回しっかりと握り、薛勇シュエツヨシはニヤリと笑った。


「君って意外と良いやつだな、友達ができる!いや、既に師匠の君弟子だから、もう俺の弟分だ!今後学校で目障りなやつがいったら……」


薛勇シュエツヨシは胸を「トントントン」と誇らしげに「一言で言えば、俺が絶対にやつけるからさ!」


それを聞くと、俺の口が耳から耳までニヤニヤと笑った。

こいつ、中二病だけでもなく、かなりの極道ように見えた。


二人は約束後、連絡先も交換した。


すると、薛勇シュエツヨシから、「行こう、食堂には行かずに向こうの喫茶店に行こう。うまい飯を頼んでさ、そうだ、この時間帯ならパイナップル入りパンがちょうど焼き上がったはずだよ」


友達になればご馳走をもらえるし、いいね!


とその時に俺の携帯が鳴って、取り出して見ると、「昔の同級生」という名前が表示された。


「誰?」

温涼ウェンスズミだよ」


薛勇シュエツヨシは彼に早く電話を出るように催促した。


「昔の同級生?だから凉ちゃんが彼は最もの親友だって、昔から知り合ったね、前に彼を誤解してしまったな。後でちゃんと謝らないと」


一方、俺は電話マークをクリックし耳に当たって、


「もしもし?」


「今どこにいるの?教室にいないよ。」


「グラウンドだよ」


「ご飯?」


「まだだよ」


「私も食べてない、一緒に食堂行こうか?」彼女の声が電話から漏れていった。


すると、隣でずっと聞いていった薛勇シュエツヨシが合図を押し、俺が恥ずかしそうに、頭を掻きながら聞いた。


「あの〜……学校の向かい側にある喫茶店で、この時間ならパイナップル入りパンがちょうど焼き上がったから、一緒に行かない?」


「それ大好きって何で知っているの?じゃあ、校門で待ち合わせしようよ!」


電話越しに温涼ウェンスズミの喜びの声が聞こえ、次にはブツブツとノイズが聞こえた。


「まあ、これは偶然だな……」

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