そして成長した青年は恋をする

植民地の貧しい村で暮らしていた少年マル。
妖怪の声を聞くことのできるマルはそのふしぎな力だけではなく、歌や物語を綴る才能がある少年です。


幼少期に出会った恩師ヒサリによってその才能を開花させていくマルは、寄宿学校を卒業し、都会の大学へと通うことになる……ここからが、今作品の舞台となります。


純真な心はそのままに、けれども少年から青年へと成長したマルにも、やがて恋する女性が現れます。
今作品は、アジェンナ国物語シリーズの第三作目にあたるストーリーであり、ずっとマルという少年を見守ってきた読者は、あぁマルも大人になったんだなぁと感慨深い気持ちになります。


続編ものといっても、各作品はそれぞれのエピソードごとに完結していますので、ここから読み始めても問題ないストーリーとなっておりますので、ご安心を。


大学生となって恋に学業にと忙しいマルですが、学生には金欠がつきもの。
あれこれと金策に打ち込むマルを見ていると、ちょっとハラハラしたりも……。


そして恋するマルには、恋人の他にも心のなかにある女性がいます。
それこそが恩師であるヒサリ先生。ヒサリにもまた試練が訪れ、彼女はとある道を選択するのですが、ずっと彼らを見守ってきた読者は、マルや他の同級生たち、そしてヒサリ先生にもしあわせになってほしいと願うばかりです。

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