第39話 アイスは食べ過ぎると腹下す
那覇ダンジョン2階層
「ここがダンジョン2階層…1階層とは全く違うんだな…」
ひび割れた大地に、灼熱の空気。1階層の草原や森林が広がる光景とは大きく違っていた。
「なんだか凄く暑いですね。ダンジョン内って階層によってこんなに温度変わるんですね。」
金城さんの言う通り、俺も横にいる金城さんも2階層に入ってまだ10分も経っていないのに汗をかき始めている。
立ってるだけでも体力を持っていかれるな。何か対策はないのか。そう考えていると金城さんが【
「これで少しは涼しくなるといいんですけど…」
「でもこれじゃあ身動きが取れないね。」
確かに涼しくはなった。だが氷の壁に囲われている以上、俺たちは僅かなスペースしかない壁の中を動くことしかできない。
「この【
「いいですね。やってみましょう。」
目の前に立ち塞がる氷壁を刀で砕く。小さな氷のカケラが出来上がった。
「あとはこれを袋に詰めれば——」
氷のカケラを拾っていると既に溶け始めていることに気がつく。二人が集め終えた頃には殆ど水に変わっていた。
「駄目…みたいですね。」
「う〜ん…何か他に方法は……」
体を冷やす方法か。地上ならアイスを食べるとかそういう冷たい物で対応出来るけど、こんな場所で出来るのは服を脱ぐくらいのこのだが…
チラリと横目で見た先には金城さんがいる。
金城さんはまだ18歳。今年19歳になるとはいえ、あんな年下の前で服を脱ぐなんて真似はしたくない。それは金城さんも同じだろう。そもそも俺たちは異性だ。その辺はしっかりしなければ。しかし、服も脱げないとなると冷たい物を探すしかないか…待てよ?
確かアレ持ってきてたよな。
え〜と、アレの名前は確か……
「何を探してるんですか?」
「えっとね。ちょっと待ってよ…確か持ってきてたはず…」
そうだ!思い出した!雪花草だ。
「うわ〜、綺麗ですね〜。雪の結晶みたい。それ、どうするんですか?」
「これ?食べるんだけど。」
草介は一切の躊躇もなく雪花草を口に含んだ。
イケる!相変わらず味はないけど体が冷えていい感じだ。この場所なら食べ続けられそうだな。
むしゃむしゃと食べ続けていると錦城さんがこちらをじっと見ていた。
「金城さんもどうぞ。体冷えていい感じになるよ。」
「…え〜と……本当ですか?…草介さんがいうなら信じますけど……」
雪花草を受け取ると恐る恐る彼女は口にした。
「確かに体は冷えますけど…味…しませんね。」
「まあね。でも味しなくても腹には溜まるし。そうだ、金城さんこれ食べた後スキル出なかった?」
草を食べてスキルが出るのは俺だけなのかどうかを確認したい。もし誰でもスキルがゲット出来るならこの情報を売るだけで結構な額を貰えるからな。
「スキルですか?私は何も…」
金城さんは出なかったか…。摂取量なのか個人差なのか…調べる事はまだまだありそうだな。
「まだまだあるから食べていいよ。」
たくさん食べてくれれば検証が捗る。
「いえ…私はちょっと……また暑くなったら貰いますね。」
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