第6話「エア」と「グラン」と「キイ」です
おはようございます。昨日は本当にぐっすり寝たんですねぇ。現在メインタブレットはAM09:15 と表示されています。
しかも、うっかり服着たまま寝てしまったんですね。クロークの中に室内着がありましたから、今日はちゃんと着替えて寝る様にしましょう。
さて起きたら確認したい事があったんです。
「ステータスオープン」
トシヤ (19) 男
HP 150
MP 49800
スキル 生活魔法
ギフト 亜空間ホテル
称号 異世界からの来訪者
そう、MPは寝ると回復するのか?と、亜空間グランデホテルで就寝した場合起きるとMP数はどうなっているのか?という事です。
どうやらMPは回復した上で、【空調設備】と【カプセル内防音、消臭】のMP200が引かれているみたいですね。僕一人ですから【カプセル内防音、消臭】要らないでしょうかねぇ。まぁ、いざ必要な時忘れそうですし、そのままにしておきましょう。
「エア、おはようございます」
「オーナー、おはようございます。グランデ喫茶店AIより朝食の注文のお伺いが届いておりますが、いかがなさいますか?」
「そうですね、BLTサンドとコーヒー頼んでくれますか?」
「畏まりました。グランデ喫茶店に入りましたらお手数ですが、昨日の手順で準備をお願い致します」
「大皿とコーヒーカップ用意してタップですね。わかりました。まずは顔を洗ってきますね」
「畏まりました」
クロークから備えつけのフェイスタオルを持って、トイレへ向かいます。小さな洗面台がトイレの中にあったんです。
ああ、「エア」は「メインタブレットAI」の呼び名です。僕と常に行動しますから、昨日名前つけたんですよ。そうしたら、流暢な男性の声に変わりまして驚きました。なんとなく執事みたいな立場に変化したみたいですね。
この際だからフロントAIや喫茶店AIにも名前つけようか考え中です。え?勝手につければ良いじゃんって?いやいや、僕のネーミングセンスは悪い意味で定評があるんですよ。自覚ありますからねぇ。「エア」だって「エーアイ」だから「エア」に縮めただけですし。
顔を拭きながらそんな事を考えつつ、「エア」を持ってオーナールームを後にします。フロントAIと挨拶を交わして喫茶店に入ると、喫茶店AIとも挨拶を交わします。
うん、やっぱり挨拶する時名前で呼びたいですし、考えておきましょう。ツッコミは無しでお願いしますね。
脳内でそんな事を思いながらカウンター内に入ります。壁棚から選んだお皿とコーヒーカップをセットして、点滅箇所をタップします。すると、昨日と同じ様に出来立てBLTサンドとコーヒーが現れます。
二度目ですが不思議な光景ですねぇ。
カウンター席に移動して座り、ゆったり朝食を頂きます。ん?ブランチですかね。お昼いらないからかえって散策に丁度良いでしょう。
そして食事中は「エア」と今日の行動の打ち合わせをします。
「エア、今日は散策と商業ギルド登録しようと思うのですが、商業ギルドには何を持ち込んだら良いでしょうねぇ」
「【取り扱い備品】より[タオルセット]をお勧め致します。また、[Yシャツ]も予備として宜しいかと存じあげます」
「そうですね。じゃあ、その二つ購入して《トランクルーム》に入れておいてくれますか」
「畏まりました。では[ワイシャツ(M・L・LLサイズ×各10枚) ]MP600、[タオルセット(バスタオル、フェイスタオル×各10枚) ] MP200を消費させて頂きまして、《トランクルーム》へご用意しておきます。そうしますとオーナーのMP残量は、喫茶店代も含めましてもMP47990となっております」
エア様々ですねぇ。凄く管理が楽です。でも有能なエアもこの辺の地理はわからないみたいなんですよ。どうやら僕がエア持って歩いたところじゃ無いと地図の作成が出来ないそうなんです。
という事で、現地の人とコンタクト取りながら歩きまわってみたいと思います。初異世界人とのコンタクトはワクワクしますね。
そうしてゆったりブランチも終わり、食器の片付けと出発準備をしてフロントAIの元へ向かいます。
「グラン、正面玄関の外の様子ってわかりますか?」
あ、グランはフロントAIの呼び名ですよ。グランデホテルだからグラン。因みに喫茶店AIはキイです。あ、なんですか?安直ですって?ネーミングは僕ですからねぇ。仕方ありません。
「グラン」は名前をつけた途端流暢な男性の声に変わり、フロント責任者に変化したそうです。「キイ」は声が色っぽい女性の声で喫茶店責任者へと変化。より会話しやすくなりました。
おっと、「グラン」が返答してますね。
「はい、オーナー。現在の様子はウィンドゥで確認も可能です。ご覧の様に現在正面入り口辺りには熱反応もございません。今がお出かけに最適かと」
「そうですか。ではこの後入り口はいったん収納しますから、グランも少し休んでいて下さい」
「過分のお気遣いありがとうございます。ではオーナーがいつお戻りになっても良い様に待機しております。お気をつけて行ってらっしゃいませ」
「うん、行ってきますね」
僕は「エア」を手に持ち、リュックを肩にかけて正面入り口から外へ出ます。すぐに「ゲートクローズ」で扉を収納しましょう。
「エア。これより先の会話は、念のため文字で表示して下さいね」
「畏まりました。文字表示に切り替え致します」
ふふっ、昨日とは気持ちが違うのはエア達がいるからでしょうね。不安だらけだったのが今日はワクワクしています。
では、出発しますか!
この世界の街並みはどんな感じでしょうねぇ。
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