〈追補コラム①:債権と債務と履行〉

 法律の基礎知識に入れんの忘れてた!

 債権債務って言うと何やら仰々しいんだけどぉ、ざっくり言うと権利と義務のことなんよぉ。

 債権が権利で、債務が義務な。おまけで、履行は義務の実施ね。

 ほんで、仰々しいけど日常生活の中に普通に発生しまくって消滅しまっくとる。


 例えば、某有名ドンブリ料理チェーン店で、食券を買ったとするやん? これが料理を出してケロ! っていう債権で、そんで店員さんに食券を渡すとするやん? そうすると某有名ドンブリ料理チェーン店には、その人に料理を出すんだケロ! っていう債務が発生すんねんな。


 そんで、これは労基法の会社側と労働者の関係でいくと、会社側は労働者にこっちの(適法な)ルールに従って働け債権があって、労働者には働く債務がある。それで会社側には給料の債務があって、労働者には給料の債権がある。ざっくりそんな感じね。


 さらに、会社が気にしていなければいけないこととして、給料の債務について、表面的には履行していても、最低賃金以下だったり、残業代の漏れ、あるいは意図的に払っていないケースなんぞがあったりすると、履行していない給料の債務があるということになる。第13条で契約が強制的に変更されているから。

 さらにさらに、その履行していない給料の債務は、会社側は当然のように無視しているので、経理関係の帳簿に載っていない債務、つまり簿外債務が存在する会社、ということになってしまう。利益や損失が正しく計算されていない会社ってことやね。

 そうなると、どうなるか。

 オーナーさん(株主)達や経営層がもう俺たちじゃ無理ってなって、いざ、会社を売却したいとなったときに露見すれば、正しい価値が分からない会社、係争案件を抱える会社になって価値がだだ下がるし、売却後に露見すれば金返せ! ということにもなるっちゅうことやね。買い手によっては、順法精神の薄い人たち、労働者との契約を守らない会社=こちらとの会社売却契約を守るかどうかも分からん人たち、っていう考え方もされるかも知れん。

 なんやかんやで、会社側は出来る限り、特に給料に気を付けて労基法を守った方がええ、と津多さんは思うのよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る