第2章 労働契約
第13条 この法律違反の契約
この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による。
【解説】
これは、ある意味で労働基準法の核心とも言える条文だったりします。
法律の仕組みを良く知らないと、ふーんと思うだけかも知らんけど、効果は法律の基礎知識[3]の民法第90条のお話に関係してくるんよ。
民法第90条はこんな条文。
第90条 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。
このときにちょっと説明不足だったけど、公の秩序には法律も含まれているの。
だからこの第13条が仮になかったとしたら、「え? じゃあ、監禁して奴隷みたいに最低賃金ぶっちぎってる契約で働かされてるとか働かせてる場合にはどうなるの?」は、勤務がなかったことになってガチのただ働きになっちゃって、つまり、あくどいことをしたもの勝ちになっちゃう結果になるの。
この第13条があるお陰で、「うちの会社には有給休暇無いから」に対して「法律で決まってるから有給休暇使わせろ」と言えるってわけです。「右も左も分からない奴には最低賃金の半分の給料で十分だ」に対して「最低賃金で払え」と言えるわけです。会社側が法律を守っていなくても、働かせてさえいれば、労働者側に債権が発生しまくっているわけです。
あ、債権・債務の説明もしないとあかん。あとで解説回作る。
会社側としては法律を知らなかったという言い訳が、役所にも労働者にも通用しないことになるのです。そもそも法人の役員には法律の順守義務もあるので、有名どころの法律を知らないというのは会社役員として不適格なんですが。
最後に、法律の基礎知識[8]で挙げた「変な労働契約を修正する法律」は、このことでした、と一応言っておく。
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