第59話 マカオからの貿易船

 永禄五年 十一月 沢森城


 来た! きたきたきたきたきた~! ! 待望の船がきた! ! !


 実はマカオとの定期便に頼んでいた。


 その①フランキ砲


 これはもう絶対。平戸松浦も所有しているため、同数以上もしくは高性能の大砲が必要だったからだ。領内で製造もしているが、試作品三門がやっと完成したところだ。


 面高港からそのまま船に載せて、試射も完了している。


 平戸が所有している数はわからないが、十門を買った。合計十三門だ。鉄砲は月二十丁の生産体制が整っている。数年内には年間二千丁を目指す(堺の年間製造数が千八百丁)。


 神代勝利に与えた百丁を除いても、二百五十丁程ある。


 現状、弾も五千発程度備蓄できているが、硝石はなんとかできた。


 木炭は問題ないとしても、硫黄が足りるだろうか? 現在は購入と、島原の有馬様から輸入しているのでなんとかなっている。


 しかし、今後外交関係が悪化したり、価格が高騰すれば別の方法を探さなければならない。


 その②サトウキビの苗木


 これはまだ、琉球ですら出回っていない。貴重な品だが、作付面積十反で月に千貫程度の儲けになるだろう。道喜が売ればもっと儲かるかもしれない。


 前世では確か、最北で静岡くらいで作ってなかったかな?


 でも沖縄や奄美と違って亜熱帯? ではなく温帯? だから、収穫量に違いが出来てくるかも。


 その③絹


 よく考えたら当時、銀が大量に海外に流出した訳だけど、なんと国内レートと海外レートで五倍程度の開きがあった。日本でポルトガル人から買うよりも、そのまま買った方がいい……。


 これは失敗した。明の海禁政策。日本人が直接買い付けができなかったのだ。


 結論として国産するしかない。江戸時代先取りだが。やるしかないなあ。


 その④商館?


 ぎりぎり密貿易? はしない。情報収集とか、なにかの時すぐ対応出来たほうがいいので。駐在武官? 文官? をマカオに置いた。


 さとうきびと絹、頑張って国産化しよう。ていうか、最近あんまり儲かっている気がしないのは気のせいだろうか?


 麻痺してる? 今のところ、出費がまったくないなら、十一万貫くらいたまっているんだけど。一年半でこれなら、まだまだなんだろうなあ。


 信長、秀吉、家康……諸々の戦国大名の収支を見たいもんだ。

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