第三十五篇 テーマ「リメイク」 ジャンル「サスペンス」

『ミステリー・リメイク』


 私は小説家のアンドリュー。

 最近、私の小説が次々と映画化され、評判も上々だ。

 そのため、私に新たなオファーが舞い込んできた。


 映画スタジオから、あの名作『シャッターアイランド』をリメイクするのだという。

 主演はトム・クルーズだとか。

 当時、私もあの小説は読んだが、人生の転機になったとまでは言えなかった。

 そんなんで、リメイクの依頼に乗る気も起きなかったが、スタッフから「書き直しなんだよ」と言われ、口説き落とされてしまった。


 新しい『シャッターアイランド』のプロットは、作者の娘が失踪し、自身が仮装して島に潜入して真相に迫るストーリー。

 以前の小説を勝手に改変されていたが、私としては、まさかリメイクで復讐を果たせるとも思っていなかった。


 撮影スタジオに着いた日、私はジャーナリストのアリシアと出会った。

 彼女はインタビューに来ていたが、過去のインタビューで書いた「リメイク作品はオリジナル作品より格下だ」という記事が、スタッフにフィードバックされ、アリシアは私を敵視していた。


 しかし、私達は再度出会い、それぞれの本心に気付く。

 私は彼女を助け、二人で調査を始めた。

 しかし、映画のプロデューサーが何者かに殺害され、彼女と私は、元刑事であり監督の“ジョーカー”と一緒に、事件を解決する道を歩んでいくことになった。


 プロットの通り、私は仮装して事件現場に潜入。

 やがて、事件の黒幕が露わになる。

 それは、映画スタジオのCEOだった。

 彼は、私の小説の収益を私一人に渡すことを拒み、私の娘を誘拐していた。

 私は自らの作品を再生し、CEOを倒す勝利を手にした。


 リメイク作品だと揶揄されることもあるが、私達が作り上げた新たなストーリーは、映画ファンに受け入れられ、絶賛された。

 私は、アリシアと共に、自分の最高の作品をまた一つ生み出すことができたのだ。

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