前のエピソード――街山歩き

　今日仕事に来る道すがら、交差点で信号が点灯しなくなっていました。警察官が何人か出動して、人力で交通整理をされてました。そういえば一か月くらい前にも仕事場を含めた部分停電があって、信号も止まっていたことを思い出します。かなりの町の中心部です。日本は先進国では無かったんでしょうか？

　建築現場では事故が続いています。身近なところでは、地場のゼネコンが受けたマンションの現場で、土留めが崩れて生き埋めになりそのまま還らぬ人が出ました。他にも郊外型店舗の現場では、基礎の下を掘り進めて崩れたコンクリートの下敷きになって犠牲者が出たりと、建築に携わる人間であれば信じられないような事故が起きています。

　超大手ゼネコンの現場ですら鉄骨が落下して、下敷きになった作業員が犠牲になったことは、全国規模でニュースになったのでご存知な方も多いと思います。

　円安の進行と建築物価の高騰、人口減少による労働力不足、技術職離れと個々の力の低下…無策な行政や政治等遠因を数え上げたらきりがありません。

　昨日、やや遠方の陶器市に行くためにとあるバイパス道路を通りました。当初は有料道路にして、工事費が回収できたところで無料化するという、日本ではよく見られる手法で整備されたものです。既に工事費の回収は終わって無料化され、交通量も増えて当初の目的を果たしていますが、今度は複線化するという事でまた工事が始まりました。

　多分工事が終わったらまた有料化されるのでしょう。気軽に使えなくなって交通量は減るでしょうね。そうして大きくなった分維持管理費も嵩みます。

　九州だと高速を使って福岡から宮崎に行くときには、熊本あたりから交通量が減って自分の前後には一台の車も見当たらないなんてことがよくあります。年末年始やお盆の時期ですらそういう事があります。

　いつまでこの土建国家を続けるんでしょうね。異次元の少子化対策はどれぐらいの費用対効果だったのか誰も検証しないんでしょうか？エッセイではこんな事書きたくないですし、創作物で表現と主張をするのがスマートなんでしょうが、今朝信号が消えているのを見て、どうしても書かずにはいられませんでした。