93日目 雪合戦



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 ぺぺがいる神社にも今年初めての初雪が降った。


 神社は山の上にあったので結構積もり、あたり一面銀世界だ。


「わー。雪だー!」


 ぺぺ達妖精は、大喜びで飛び回っている。

 するといつの間にか雪合戦が始まった。


「こら! 妖精達! あまりはしゃぐんじゃないぞ!」


 小さな神様がぺぺ達に注意をすると、1個の雪団子が小さな神様へと飛んできた。


 それをひゅっと避ける。


「ふん。簡単には当たらんぞ」


 自慢げに顎をくっとあげて胸を張る小さな神様に、今度は何発の雪団子が飛んできた。


「なっ! わー!」


 見事にすべての雪団子が小さな神様にヒットした。妖精達が一斉に投げたのだ。


「ギャハハ!」


 ぺぺ達がゲラゲラ笑っていると、雪に埋もれていた小さな神様がムクッと起き上がった。


 見ると、目が怒っている。


「お前らー!」


 そう言って小さな神様は雪団子をすごい早さで作ると、ぺぺ達妖精に向けて投げながら追いかけるのだった。


「待てい!」


 それを見ていたコマさん達は、


「楽しそうだな」


 と微笑むのだった。



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