240523-2
【2024年5月23日】
「お困りのようだねぇ〜」
ホテルの部屋に戻ってくるとさいちゃんさんが俺が使っているベットで横になりながらそう告げてきた。
「……不法侵入ですよ」
「えぇ……どうしてそういうこと言うかな〜 お困りだと思ってわざわざ上の階からやって来たって言うのに〜」
「俺は何も困っていないのですが……というか、上の階ってどういう事ですか?」
「実はね〜
「わあ、偶然って凄いですね」
わお、全然信じていない顔。とでも言いたそうな表情をしているさいちゃんさんはようやく立ち上がると俺に近づき……。
「返してもらえます?」
「あはっ、さいちゃんさんってばうっかり間違えちゃったみた〜い。お困りなのはちーちゃんだったか」
俺のスマホを奪い取ったさいちゃんさんはあっさりとパスワードを解除して千花に電話をかけた。
「もっし〜 さいちゃ……愛しのジュンじゅんですけれども〜 あーちゃんが大きなクッションを当ててお困りのようだね。ジュンじゅんの部屋に配送用のダンボール用意してあるから集まれ〜」
「……どうも」
スマホを返却された俺はベッドの横に置かれていたそこそこ大きな箱の存在理由をようやく理解して、俺の(彼女の)悩み事を解決してくれたさいちゃんさんに感謝した。
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