最終話 かけらを使ってパワーアップ
アイテムボックスには大量のアイテムが入っていた。
「はぁ……。こんなに一杯あったんだ……。魔晶石に薬草、それによくわからない物まで……」
バゴーザーの能力、アイテムバキュームの効果だろうな。
雑魚モンスターが落とすアイテムを吸収していたんだ。
「
「うん。私も思ってた。魔力のかけら、攻撃のかけら、体力のかけら……」
一杯あるけどなんだろう?
「それは魔力の神ズノーブレイディアスに捧げるアイテムさ」
と、教えてくれたのはアイテム買取りのお兄さん。
なんでも、かけらシリーズは自分のステータスを底上げしてくれるらしい。
「アイテムを持ってね。心臓の前。胸に向かってアイテムを掲げると吸収されてステータスが上昇する」
おお!
んじゃ、ちょっとやってみよっと。
「うわ! 体力のかけらが消えた」
「それでステータスが上がってるはずだよ」
へぇ……。
んじゃ、ちょっと見てみますか。
名前:市御
LV:1
攻撃:2
体力:16 ←注目。
防御:3
速度:10
知力:0
魔力:0
特性:防御タイプ。
スキル:鋼鉄ボディ。
「前回は体力が10だったからね。6も上がってるや」
「あは! これならば
「だね!」
魔力が上がれば魔法が使えるかも。
早速、魔力のかけらを使ってみる。
名前:市御
LV:1
攻撃:2
体力:16
防御:3
速度:10
知力:0
魔力:0 ←注目。
特性:防御タイプ。
スキル:鋼鉄ボディ。
「あれーー? 数値が上がってないけど?」
「おかしいですわね?」
「かけらには得意不得意の属性があるんだよ。かけらを持った時に矢印が出るだろ?」
矢印?
「あ、本当だ。防御のかけらは上に向かって矢印が出てる。魔力のかけらは下に向いてるな」
「
「君たちのタイプに影響があるんだよ」
そうか、私は防御タイプだから防御が上の矢印。
あれ?
「攻撃のかけらは矢印が出ないけど?」
「それはノーマル。得意でも不得意でもない。ステータスの上昇値は普通だね」
「さっき使った魔力のかけら。私は魔力の数値が上がらなかったのですが、あれはどうしてですか?」
「矢印が下だから不得意属性だね。3回、かけらを使えば数値を1だけ上げることができるよ」
「ええええ! 不効率〜〜!」
「ははは。だね。だから普通は得意属性だけに使うんだよ。1度使ったかけらは2度と戻らないからね」
なるほど……。
「んじゃ、魔力のかけらはウロちゃんに使ってもらおっか」
「そんな!
「んーー。不効率は苦手なんだよね。効率良くステータスを上げた方が絶対に得だよ。それに私だけが強くなるよりウロちゃんにも強くなってもらった方が、何かと便利だろうしね」
「流石は
「ははは……。んな大袈裟な」
よし。んじゃ、かけらは残して、アイテムボックスの中身は全部売ろうかな。
「あ、違法アイテムがあるね」
「はい? なんですかそれ?」
「国が指定した人体に影響のあるアイテムだね。この魔ポーションがそうなんだ」
「そ、それって使ったらどうなるんですか?」
「酩酊しちゃうね。頭痛、吐き気に襲われる」
「怖いですね……。それで……。私は知らずにゲットしちゃったんですが、逮捕されちゃうんでしょうか?」
「売買の罰則があるだけだからね。所持、使用は罪に問われないよ」
うう。アイテムバキュームは見境いなしだから、そんな物まで収納してたのか。
「こんなことは日常茶飯事さ。イティハーサでは無料で引き取って焼却処分してるけどどうする?」
「それは助かります。処分をお願いします」
「了解。んじゃあ、それ以外は全部買い取らせてもらうからね。毎度ありーー」
全部で20万円になった。
低級ダンジョンが多かったからな。魔晶石は一杯あったけど雑魚モンスターの魔晶石は安いんだね。
でも、たった1日でこんなに儲けるならありか。これなら生活に困らないだろう。
「はい。んじゃ10万円ね」
「え? わ、
「当然でしょ。ウルチャで貰ったお金も後で半分渡すからね」
「ええええええ!? も、貰いすぎですわ」
「一緒に探索してるんだもん。当然だよ。それに撮影をしてくれてるしね」
「
どこが?
あ!
「もう7時になっちゃったね。ウロちゃんの親御さんが心配してるんじゃない?」
「大丈夫です。さっき連絡して遅くなることは了承してもらいましたから」
「すぐ送るからね」
「はいありがとうございます♡ あの……。せ、せっかく、収入を得たのですから……。ゆ、ゆ、夕食をご一緒に食べませんか?」
「ああいいね。探索者になって初めてのダンジョン探索だもんね。最高のスタートを切ったお祝いだ」
「お、お祝い……。ふ、二人きりで……」
なんかウロちゃんの顔が真っ赤だけどなんで?
「何、食べたい?」
「な、なんでも構いませんわ」
「せっかくのお祝いだもんね。豪華に行きたいよね。ニヘヘ」
買取りのお兄さんはカウンターから身を乗り出した。
「だったらイティハーサの食堂エリアに行ってみるといいよ」
へぇ。
食堂もやってるのか。
「なんなら僕も一緒にどう?」
「あ、それは遠慮します」
「そう……ガックシ」
と、いうことで私たちは食堂エリアにやってきた。
「うはーー。広い!」
「数えきれないくらいに店がありますね。あは! スイーツのお店までありますよ!」
ショッピングセンターみたいだな。
「よし。んじゃあ、ここを歩いて適当なお店を選ぼう!」
「はい♡」
私たちは焼肉屋に入った。
「いやぁ、外食なんて1人じゃできないからさ。ウロちゃんがいて良かったよ」
「
「あはは。2人って最高だよね」
「はい」
ふふふ。ウロちゃんを探索者に誘って良かったな。
「メニューはタブレットから注文するみたいだね。まずはドリンクで乾杯だね。私はコーラかな」
「では、
キンキンに冷えたコーラがジョッキに入って運ばれる。
「んじゃ! ウロちゃん、お疲れ様でした!」
「
「探索者になって初めての探索は大成功! これからの私たちに!」
「はい♪ これからの
「「 乾杯! 」」
カチン!
「プハーー! コーラ、うめぇええ!!」
「ウフフ。本当ですわ」
まずはタンからだよねぇ。
「え? 焼肉って自分で焼くのですか?」
お嬢様ぁ〜〜。
「ふふふ。ウロタカくん。焼肉は奥が深い。自分で肉を育てる楽しみがあるのだよ」
「そ、育てるのですか……。べ、勉強になります」
まぁ、セルフで焼くだけだけどねぇ。
タン塩うまぁあ!
レモン汁であっさり最高ぉ!
次はロース、カルビ、ハラミといきましょう!
「ほら、もう焼けてるよ!」
「は、はい!」
「あ、気をつけて。裏返すのは1回だけだよ。2回以上裏返すと肉汁が抜けちゃうからね」
「べ、勉強になります」
「良い頃合いになった焼肉をタレの皿に投入! たっぷりとタレを付けて、それを白ごはんの上に乗せながら食う!」
「は、はい! 美味しいです!」
私たちは焼肉を堪能した。
「
「それは永遠の課題だね。ハムハム」
2人の探索はまだまだ続きますが、それはまたの機会になりそうです。
────
ご愛読ありがとうございました。
今作は趣味を詰め込みすぎたかもしれませんw
深く反省しております。
面白かった方は↓の星評価を入れていただけると嬉しいです。
また、次回作でお会いしましょう。
最速の探索者、配信でバズる〜J K2人でダンジョン探索! 「再生数すごっ! 馬の顔がついたバイクでダンジョンを駆け抜けただけなんだけど?」〜 神伊 咲児 @hukudahappy
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます