第14話 目標達成

 私たちはB級ダンジョンに挑んだ。

 ボス戦まではバイクモードで突っ切る。

 

ドン!

ガン!

バキン!


 んで、ボスバトルは、


「バゴーザー!  馬神バジンモード!」


 馬顔の人型石像、ゴーレムになって戦う。


「バゴーザー!  鎖拳チェーンフィスト!」


ドバァアアアアアンッ!!


 1発KO。

 

 この調子でA級まで昇級。

 ここからは難易度が跳ね上がる。


【バーサーカーウルフのダンジョン】


A級ダンジョン。平均攻略時間150時間。


 ほぉ。随分と時間がかかるんだな。

 平均だから、他の探索者は1週間くらいはかかってるのか。


 まぁ、でもな……。


「バゴーザー!  馬神バジンカッター!!」



ザクゥウウウウン!!



 はいボス撃破ーー。


『早www』

『相変わらずの無双w』

『ボス戦とはなんぞ?w』

『12分34秒』

『最速の探索者!』

『カッコいい!』

『最高!』


 バゴーザーなら最速クリア余裕だね。


 A級ダンジョンを3回クリアした頃には夕方になっていた。

 バゴーザーのレベルは3つ上がって、13→16。能力はこんな感じ。



○モンスター図鑑 レベル2

モンスターの名前、特性がわかる。



○攻撃特化 レベル2

攻撃力が+20%される。



○防御特化 レベル2

防御力が+20%される。



 〇〇特化はハズレ枠。

 まぁ、地味に強化されてるけどね。

 図鑑が強化されたのは嬉しいな。


ひとえさん。これでS級に昇格できますよ」


 記念すべき申請は生配信でやろう。


「んじゃ、みんな観ててねーー」


 申請。


ピコーーン!


 よし。S級の探索者に承認された。


「おめでとうございます!」


「うん。なんとか1日でなれたね」


 さてコメントは?


『おめでとう!』

『1日でwww』

『何もかもが早い!』

『おめでとうございます!』

『おめーー!』

『早っ!』

『もうS級wwww』

『早すぎワロタ』

『1日かかってねぇーーw』


 ふふふ。沸いてる沸いてる。


チャリーーン!

チャリーーン!

チャリーーン!


 この音は!?


「うわ! ウルチャがたくさん入ってます!」


「あは! みんなあんがとーー!」


「すごいです。全部で5万円以上ですよ!」


 うは。がんばった甲斐があったな。


「もう日が暮れちゃうからさ。ウロちゃんを送っていくついでにダンジョン市役所にアイテムを売りに行こっか」


「あ、ありがとうございます♡」


 街中はバイクで走ると特定されちゃうからな。


「バゴーザー。白馬モード!」


 私たちは白馬に乗って市役所に向かった。



 到着。

 

 ダンジョン市役所イティハーサ。

 神殿みたいな巨大建造物。


 入り口付近でサンドラさんと出会う。

 丁度、書類を運んでいるようだった。

 彼女は私たちを担当してくれる受付嬢さんだね。


「あらひとえさん。ご無事で何よりです。調子はどうですか?」


「うん。絶好調でしたよ」


「それは何よりです。1等級くらいは上がりましたか?」


「うん。S級になれました」


「え?」


「ですからS級に」


「ははは。ご冗談を」


「いえ。そんなジョークはいいません」


「え? あはは……。だって……。午前中に探索者になったばかりじゃありませんか」


「ええ。ですから、E級探索者から条件をクリアしてS級になったんです。便利ですよね、アプリ。現場で昇級できましたからね」


「ええ!? ほ、本当ですか!? え、S級までは4等級も上げる必要があるのですよ? つまり12回以上のダンジョンをクリアする必要があるんです!! 最短でも1ヶ月はかかるんですから! ましてやひとえさんのパーティーは女性2人ではありませんか!」


「ええ……」


 なんか信じて貰えないな。

 とりあえずステータスを見せた方が早いか。


「どぞ」


「ひぃええええええええええええ!? え、S級になってるぅうううううう!!」


「ね。言ったでしょ?」


「信じられない……。12回の攻略をたった半日で……」


 ……途中、タイムアタックをしたから攻略回数はもう少しあるんだけどな。

 これ以上驚かすのは気の毒だ。黙っておこっと。


「す、すごいですよひとえさん!! たった半日でやるなんて! 前代未聞です!!」


「あははーー。そうなんですね」


「あれ? ひとえさんのレベルは1のままですよ!?」


「ああ。可変ゴーレムで攻略したんで、私たちのレベルは上がってなかったんです」


「レ、レ、レベル1でS級探索者になっちゃったんですかぁ?」


「あはは……。みたいですね。ダメだったんですか?」


「……いや、ダメではありませんがこんなことは前代未聞です! 普通、テイムした魔物を使ってもテイマーのレベルは上がりますからね」


「テイムって?」


「魔物を従えるスキルのことですよ。ゴーレムをテイムしたのではないのですか?」


「えーーと。テイムってかウチの子は相棒なんです」


「相棒?」


「あはは。まぁ、仲間というか友達というかペットというか……」


「はぁ……。なんだかよくわかりませんが、流石は一香さんの娘さんですね。レベル1でS級探索者とは、イティハーサの歴史が塗り替えられちゃいましたよ」


 サンドラさんは終始驚いて呆れてた。


 そんなにすごいことだったのか……。

 それにしても、私とウロちゃんのレベルは上がってなかったな。

 次からは私たちもレベルを上げよっかな? そっちのが面白そうだし。


 さて、取得したアイテムを売ろうかな。

 ボス戦で得た魔晶石がたんまりだもんね。

 

 私たちはアイテムショップに行った。


 アイテムボックスを二度見する。


 羅列するアイテムの数々。


「え!?」


 多くない?


 そこには数えきれないほどのアイテムが入っていた。


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