File39
「ああ、まったく、酷い目に遭った! 今回の件に関わったヤツら全員、私の権力で牢屋にぶちこんでやるっ!」
恐田氏がものすごい剣幕でまくしたてた。
「パパ、僕、本当に怖かったよお。僕、アイツらと同じ空気を吸うのもいやだよ」
恐田 狡毅が言った。
「アイツら、ボコボコにして病院送りにしてやるっす」
と、江口父と息子。
「本当、何だったのよお。私たちの美しさが妬ましかったのかしら」
と、白桃母と娘。
「もう、あの厄介な化け物はいなくなったようだから、心配ない。我々に楯突いたことを死ぬまで後悔させてやろうではないか」
恐田氏が醜い表情で言った。
「あのう……お取込み中申し訳ないのですがね」
恐田氏の背中を誰かがポンポンと叩いた。振り返った恐田氏が、
「ひぃぎゃあ、ぼげぇあ、しゃばしゃば、ひいいいいいいいいい!」
という奇声を上げて、開いた口からぶくぶくと泡を吹いて倒れたのを見た一同が何事か? と振り返ると、其処には百体以上の地縛霊や浮遊霊、妖怪たちが憤怒の形相をして一同を睨めつけていた。
「ちょいと、アンタら、ただし子さんが成仏したからって調子に乗るんじゃないよ! アンタらのことは私たちが、いつどんな時も監視しているからねえ」
そう言って、ともこさんたちは一同を舐めまわしたり宙吊りにしたりして存分に脅した。
「あわわわわわ、ごめんなさい、ごめんなさい、もう悪いことはしませんからお許しを」
そう言って、一同は這う這うの体で逃げ出した。
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