File15
「何をするんだい? 痛いではないかっ、美魂くんっ!」
「あのう……先生、今、ただし子さんと直接話をするのは危険だと思うです。ともこさんたちも、すごく怯えていたです。ただし子さん、すごく怒ってて怖いって。下手に干渉したら、ただし子さん、悪霊になってしまうです。生きていた時のただし子さんは、明るくて真っ直ぐで世話焼きで、みんなに好かれていたって。でも、その性格が災いして悪い奴らに逆恨みされることも多かったって、ともこさんたち言ってたです。ただし子さんとお話しするなら、もっと、当時のこととか、ただし子さんのことを知った上でお会いするべきだと思うです。二十四年前に何があったのか分からないけれども、私は、ただし子さんに成仏してほしいです」
二家が美魂さんの代わりに言った。
「うむ。二家くんと美魂くんの言う通りであるな。怪異に対する情熱が暴走し、霊に対して礼を欠くところだった。ご指摘いただき感謝する。して、どうだね? ただし子くんのことを知るために、当時のただし子くんのことを良く知る御仁に話を伺うというのは?」
「はい! 俺っちは賛成です!」
「小生も!」
「私も!」
「あたちも!」
「そうか。良かった。皆週末は予定を空けておいてくれないか? オカルト部の顧問として、ただし子くんのことを良く知っているであろう御仁のお宅を訪問できるよう、私が責任をもってアポイントメントをとっておこう!」
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