アイドルデスゲーム中国予選【天空風船押し相撲】①
鳥取砂丘。
鳥取県鳥取市の日本海海岸に広がる広大な砂礫地であったが
先の大戦では激戦地となり、 多くの兵器残骸が並ぶ土地でもある。
化学兵器や細菌兵器、 生物兵器も使用されており
現在は近寄る事が危険な地帯としても有名だ。
『アイドルデスゲーム中国予選~~~~~~~~~~~!!!』
パフパフパフと安っぽい効果音が響く。
『司会を務めますのはヴァーチャルアイドル田中です!!』
ヴァーチャルアイドル田中。
見た目は平凡なおじさんだが、 仕事の愚痴を親身になって聞いてくれるという
コンセプトのアイドルである。
アイドル?と首をかしげたくなるコンセプトだが
現状アイドルは多岐にわたっており、 様々なアイドルが居る。
中にはマリアナ海溝水中刑務所から配信を行っている
囚人ヴァーチャルアイドルも存在するのだ。
『さて今回アイドルデスゲーム中国予選に参加するのは
エレクトリックアースのINAZUMA!!
山陰ミュージックのMessiah!!
バーニンヤン・レコーズの地獄崎 帳!!
YANYANのツッケンボーン!!
九重重工業のカートゥーン!!
以上5名です!!』
電飾を大量に巻いたアイドル衣装のINAZUMA。
金色のゆったりとした衣装を身に纏ったMessiah。
自身の髪色に合わせた着物の地獄崎。
解けたペイントを局部に塗ったツッケンボーン。
特攻服のカートゥーン。
それぞれ武装しており準備は万端である。
『今回、 皆さんに鳥取砂丘に来て貰いましたが
今回の戦う舞台はここでは有りません!!』
「!?」
地獄崎は眼を見開く。
「どういう事だ!?」
『えぇ、 実は今回、 態と設営の情報を流させて貰いました』
「即ち情報に踊らされた雑魚を釣る為の餌、 と言う訳ですわね?」
INAZUMAが優雅に問う。
『そうなりますね、 今回戦う舞台はあそこです!!』
空高く指差す田中。
空中には風船が大量に浮かんでいた。
『あれはいわば気球の様に一定箇所で止まる改造をしてある風船です!!
あの風船の上で戦って貰います!!』
「ちょっと待てよ、 如何やってあの風船の上まで登るんだ?」
当然の疑問を口にする地獄崎。
『ヘリコプターを用意しますのでそちらに』
「必要無いわ」
ばち、 と電力を走らせるINAZUMA。
そしてふわっ、 と浮かび上がり風船の元に向かう。
『あ!! すみませんルールとしては全員が風船に乗ってからスタートです!!
風船に乗る前に撃墜するのは反則失格になります!!
最後まで生き残っていた1人が勝者です!!
風船から落ちた場合は失格になります!!』
「分かりましたわー」
INAZUMAが了承した。
「電力を磁力に変換して飛んで行ったか・・・流石はINAZUMA」
「私も自力で行ける」
ツッケンボーンも二本の棒を振り回し、 ヘリコプターの様に飛んで行った。
「ならアタシも要らねぇ!!」
そう言ってバイクを吹かすカートゥーン。
「うるさ・・・」
「『爆裂豪列天下無双国士無双天上天下唯我独尊万夫不当王道楽土天上天下
アルティメットバーストフェイタルキラーブラストグランドハイパー
ロジスティックロマンティックドメスティックドラマチックドラスティック
アーコロジスト12号-2型カスタム改』ならば!!
あの程度の高さなどぉ!!」
読者諸賢が知っているカートゥーンが本戦で使った
【爆裂豪列天下無双国士無双天上天下唯我独尊万夫不当王道楽土天上天下
アルティメットバーストフェイタルキラーブラストグランドハイパー
ロジスティックロマンティックドメスティックドラマチックドラスティック
アーコロジスト12号-2型カスタム改マークⅡ】に比べると馬力は落ちる。
しかしながらその速度は凄まじい。
カートゥーンは良い感じに斜めになっている鉄骨に爆走すると勢い良く
加速し風船に向かって爆走したのだった。
「・・・・・一つ質問が有ります」
Messiahが挙手する。
『はい、 何でしょう』
「予選では1人以外は全員死亡と言うのがルールですが
あの風船から落ちて生きていた場合はどうなるのですか?
生きていて風船に戻れば復帰?」
『あの高さから落ちて生きていられる者なんて居ないでしょう
万が一落ちていて生きていても復帰はあり得ません』
「空を飛べる物も居ますよ? その場合は?」
『・・・・・大会運営によると地面に落下しなければ復帰は過です』
「・・・・・分かりました、 では行きましょう」
Messiahと地獄崎はヘリコプターに向かって風船に向かった。
バトルフィールドになる風船は数十mサイズの大きな風船が10個
そして大量の1~2mサイズの小さな風船が1000個単位で配置されていたのだった。
『それではアイドルデスゲーム中部予選【天空風船押し相撲】スタートです!!』
「「「「「ネーミングセンスだせぇ!!!!!」」」」」
アイドル達は殺し合うのに心通じたのだった。
『しょ、 勝者!! カートゥーン!!』
風船の上で勝利の雄叫びを上げるカートゥーンだった。
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