第19話 壱九

ですので、ここは慎重に行動しなければいけませんよね。

というわけで、暫く様子を見ることにしました。

そして、数日間、街の中を歩いているうちに、ある噂を耳にしたのですが、

どうやら、最近、街に魔物が現れるようになったらしく、被害が相次いでいるらしいのです。

それを知った私はアルヴェルスと共に、早速、調査に乗り出しました。

そうすると、目撃情報のあった場所に向かう途中で、偶然にも、ばったり出くわしてしまったのです。

しかも、相手は3人だけでしたので、こちらとしては好都合でしたね。

なにせ、相手の実力も分かりませんから、油断はできないでしょうね、ですが、負ける気はありませんけどね。

ということで、戦闘開始ですよ!

まず最初に攻撃を仕掛けてきたのは、大剣を持った大柄な男性で、その見た目通りパワータイプのようですね。

動きもかなり素早いですし、一撃の重さも相当なものです。

まともに食らったら大ダメージは免れないでしょう。

しかし、動きが単調であるためか、回避するのは容易いことなのですが、反撃しようにも、

中々隙を見せないので、どうしたものかと考えていたところ、もう一人の女性が弓を構えているのが見えたため、

咄嗟に避けると、矢が頬を掠めてしまいました。

幸い傷は浅いですが、血が出てますね、このままでは不利になりかねませんので、一旦距離を取りつつ、作戦を考えなければいけませんね。

さて、どうしましょうか、とりあえず、武器になりそうなものを探すことにしましょう。

そうすると、すぐ近くに落ちていた剣を見つけたので、それを手に取ろうとしたら、横から槍が飛んできました。

危うく当たるところでしたが、ギリギリのところで避けられました。

危なかったですけど、これで形勢逆転といったところでしょうか、先程よりも余裕が出てきた気がしますね。

とはいえ、油断だけはしないように気をつけながら、相手の動きをよく観察することに努めます。

そうすると、何やら魔法を唱えようとしていることに気付いたので、すぐに阻止しようと試みますが、

間に合わずに発動されてしまい、足元を凍らされてしまったせいで動けなくなってしまいました。

しかも、その氷には電流が流れており、徐々に体力を奪われていくのを感じました。

このままではまずいと思った私は、一か八か賭けに出ることにしました。

それは、自分の持つ力を最大限まで引き出して、一気に片をつけるというものでした。

正直言って成功するかどうかは分からないけれど、やってみる価値はあると思い、実行に移すことにしたのです。

その結果、見事に成功して、相手を圧倒することができたのですが、やはり反動が大きいのか、

身体が思うように動かなくなってしまったんですよね、だからなのか、敵を倒すことはできたものの、その場で倒れ込んでしまいました。

それを見たアルヴェルスは駆け寄ってきて、心配してくれています。

「大丈夫か?」

と聞かれたので、大丈夫ですと答えたかったんですが、声が出なかったので、代わりに笑顔を向けておいたら、安心してくれたようでした。

その後、回復魔法をかけられたおかげで、何とか動けるようになりましたが、まだ少しフラフラするので、

彼に支えてもらいながら歩くことになりました。

それでも、無事に目的地に到着したことで、ようやく一息つくことができましたよ。

そうすると、急に眠気に襲われてしまい、思わず欠伸をしてしまいました。

それを見ていた彼は、微笑みながら頭を撫でてくれました。

それが心地良くて、もっとして欲しいと思ってしまったのですが、恥ずかしくて言えませんでした。

だけど、いつか言えるようになりたいですね。

それから数日後のこと、私達の前に現れたのは、オーク達でした。

数はざっと見ただけでも50匹以上はいると思います。

それに対してこちらは二人だけなので、絶望的な状況だと言えるでしょう。

でも、やるしかありませんね、覚悟を決めるとしますか。

そう思い、気合いを入れ直した直後、突然、後ろから抱きつかれてしまいました。

突然のことで驚いていると、そのままキスされちゃいましたよ、それも濃厚なやつをね、これには流石に驚いてしまい、

頭が真っ白になってしまいましたけど、なんとか我に返ることができました。

その直後、今度は首筋を舐められて、ゾクッとした感覚に襲われた後、強く吸われてしまったようで、痕がついてしまいました。

それを見て満足したのか、ニヤリと笑っていましたが、私には何が何だか分からず、呆然としているしかありませんでした。

「アルヴェルス……離れて下さい、そこにオーク達がいるので倒さないと!」

「いや、いい、放っておけ」

と言われてしまいました。

どうしてそんなことをするのか理解できずにいると、再びキスをされて、舌を入れられてしまいました。

それと同時に身体中を撫で回されるような感覚に襲われてしまい、力が抜けてきてしまって立てなくなりました。

その後も何度も繰り返していましたが、遂に限界を迎えてしまって気絶してしまいました。

目が覚めると、目の前にアルヴェルスの顔があったので、驚きましたが、よく見ると下着姿だったので、慌てて目を逸らしました。

そうすると、彼は笑いながらこう言いました。

「可愛い奴だな、英里は、俺の妻なんだから遠慮なんてしなくていいんだぞ」

と言って、またキスをしてきたので、仕方なく受け入れることにしました。

「おはよう、アルヴェルス、今日も素敵だね」

と言うと、嬉しそうにしていましたよ。

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