【15】まだ始まらない物語(凍花星) 読みながら感想
【15】まだ始まらない物語(凍花星)
https://kakuyomu.jp/works/16818093077033668653
十五番目の作品です。だいたい半分。やっと半分です。ぜいぜい。
最近は昼休憩とかも感想書くのに使っています。なりふり構っていられない状態です。第一回では一日一感想とか書いてたはずですが、超人かよ一昨年の私。
ともあれ、まだまだ道半ば。気を取り直して進めましょう。
十五番目の参加者は、凍花星さん。
作品は「まだ始まらない物語」です。
以下、参加時のコメントから。
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こんにちは。梶野カメムシ様、凍花星と申します。素敵な自主企画を開催されていらっしゃったので、参加させていただきました。よろしくお願いします。
応募作品
「まだ始まらない物語」
こちらの作品は一応長編ですので、二話ほどご覧いただけたら一万字となると思います。また、タイトル回収は結構終盤の方でする予定でして、今のところございません。これからの進み具合によっては変更する可能性さえもありますので、タイトルはあまり気になさらないでいただけると幸いです。ですが、これからの参考としてタイトルの決め方などのご意見もございましら是非ともお伺いしたいです。
特に意見が聞きたい部分
・キャラクターたちの言葉遣い
読んでいただけたらわかるのですが、主人公は「女」でもなく、「男」でもない中性の子です。現在、作中ではなるべく男性よりの言葉遣いを使ってはいますが、私的にはあまり満足していません。この子の身分的にも性格的にも少し堅苦しいような感じとはなりますが、もう少し中性を表現したく、言葉遣いをもう少し柔らかくしたいと思っている部分があります。また物語が進むにつれ、言葉遣いの統一性を保つのが難しくなるように感じました。もちろん会話は自由ですので、全てを統一したいというのは変な悩みかもしれませんが、キャラクターたちの性格をなるべく言葉遣いで表現したいと思っているので、言葉遣いには個性を滲ませられたらと考えています。二話分読んでいただけるなら、登場する子は少ないですが、それでも各々そこまでで感じた範囲でアドバイスいただけたら幸いです。
・描写が変になっていないか
初見で読んでいて、理解ができないような部分があるかどうかをチェックしていただきたいです。
・心情描写について
主人公の悩みを強調したく、結構な間をかけて心の葛藤を描いてみました。ですが、少しくどいかもしれなかったと後から思いました。読者から見て、どうなのか、ご意見をお願いします。
その他でも気になる点はどうかご指摘願います。
「槇野ならこう書く」具体的なアドバイスがほしいか。
気になる部分がございましたら是非ともお願いします。
学生かどうか。オブラート増量します。
配慮していただかなくて結構です。梶野カメムシ様の本音を聞かせていただけたら幸いです。
以上です。何卒よろしくお願いします。
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ファンタジー作品のようですが、それに相応しい熱量が参加コメントからも感じられますね。こういうこだわりの強さは好みです。まあ暴走しなければの話ですけど。
ファンタジーは思い入れがないと書けないジャンルですが、客観視が効かない分、読者を置いてけぼりにもしやすいんですよね。まさに異世界というか。
チェックは言葉遣い、描写、心理描写。
ほぼほぼキャラ周辺の確認ということですね。了解です。
最近効きの悪いオブラートも不要とのことですし、本音全開でいかせてもらいましょうか。
それでは「じっくり感想」を始めます。
⬜️読みながら感想
二読後の感想を、読みながら書きます。(第2話まで)
>第1話 双子
>「あ、上様! おかえりなさいませ!」
「上様」って呼ばれるキャラ、「暴れん坊将軍」以来ですね。
>「……! そうか、なら上様は『男の子』だな」
自称も「上様」なんです? 作者のミスではなく?
>「本当ですか⁉︎ ありがとうございます! カノンは嬉しいです! 『お兄様』!」
ここの「本当ですか」はどういうニュアンスなんですかね。後の話を聞くと選択の余地なさげなんですが。
>「全く……これからが思いやられるぞ。我が『妹君』様」
「妹君」様……ツッコミどころ満載の日本語ですが、これは幼さゆえの不慣れな言葉遣いってことでいいんですかね。まあ二人が何歳か情報ないんですが。
>私とお揃いの銀髪は絹のように細く柔らかい。カノンが髪を伸ばしたいと言ってから私も一緒に伸ばしていた。それだと言うのに私の髪はまだ肩につくほどで、対するカノンはもう腰に届く長さである。私を見上げた金色の湿った瞳は私を早く「お兄様」と呼びたくてしようがないようだった。
描写は丁寧でいいんですが、肝心の年齢がわかる描写が欠けています。今は何よりそれが大事な場面のはず。
>双子の名ばかりな「上様」。
「上様」の定義がこの段階で語られていないので、意味不明に感じます。
>双子の名ばかりな「上様」。母上のお腹から数秒早く出てきた私はカノンの「上様」で、カノンはこの国の「末様」。
これを見ると「長男」「末娘」くらいの意味合いなんでしょうか。それなら生まれ順で決まるので、別に名ばかりでもないのでは? カノンに兄扱いされていないとかならわかりますが、そうでもないですし。
>そして、私たちは明日神に「性別」を乞う。
「性別を乞う」という言い回しは好みです。
明日! 物語のタイミングとしては重要ですね。
多分誕生日とかだと思われますが、幾つになるんですか、この二人は。
>私はついにカノンの「お兄様」になり、カノンはこの国で唯一の「お姫様」となる。
ここの対比は「兄君」「妹君」または「王子様」「お姫様」になるはずですが、あえて食い違わせている意味は何かあるんですか?
姫になると妹として認められないとか。いやさっき「妹君」って言ってましたよね。うーん、わからん。
「お兄様」になることより、王子になることの方が責任重大だと思うんですが、そこはスルーできる性格ということでいいんですかね?
あと「唯一」という部分も意味深です。逆を言えば王子は唯一ではないとも読めます。つまり主人公らには兄がいるということ?
>しかしこれもそれも皆周知の事実。この国の誰もがそう思って今日を、そして明日を迎えるのだ。
ん? 二人で今決めたのではなくて?
この書き方だと「カノンが女(主人公は男)になると決めたこと」だと読めます。
>国を裏切り、皆を窮地にまで追い詰めた悪党は「女」を乞うた双子。
「皆」だと規模がわかりづらい。「窮地」も微妙。「悪党」も小物感があります。
私ならここは、
[国を裏切り、民を
>だからこの国は皆双子が生まれると、それぞれの子を「女」と「男」にするべく、幼い頃から言いつける。
設定はわかりやすくていいですが、この書き方だと幼い頃から性別を想定して育てているようにも受け取れます。まあ双子の同性が禁忌なら、そういう教育があっても何ら不思議ではないですが。
>王族の私達でもそれは変わらず、私達は今日も御伽噺のような歴史たちを聞かされる。
「私達」が被っています。複数を強調する意味がないので、「たち」も不要。
[王族でもそれは変わらず、私達は今日も御伽噺のような歴史を聞かされる。]
>ベットに寝かされ、眠気漂う私と違って、カノンは毎晩飽きもせずに目をキラキラさせている。
「眠気漂う」が、どうにも引っ掛かる感じ。
[同じベットに寝かされても、すぐ目を閉じる私と違って、カノンは毎晩飽きもせずに目をキラキラさせている。]
>特に囚われのお姫様を双子の男の子が助けに行くところなんかは「ねぇ! そこもう一回!」と興奮した様子で読み聞かせの侍女に言う。
これは過去の回想とかではなく?
だとしたら、相当低年齢ですね。
何となく、元服くらいの年齢で性別を乞うのかと思ってましたが。
「特に囚われのお姫様を双子の男の子が助けに行く」は、どういうシチュエーションなんでしょう。お姫様は双子の片割れという設定?
もうしそうなら、「双子の兄が」の方が確実に伝わるかと。この一文だけだと、「お姫様を双子の男の子二人が助けにいく」とも読めます。
>「カノンも自分の部屋へ戻りなさい」
>「えー、嫌ですー。カノンは今日上様と一緒に寝たいんです!」
>「昨日も一緒に寝てたではないか」
この会話を見ても、想定できる年齢がまるで定まりません。
子供なら一緒に寝てもいいでしょうし、それが憚られる年齢なのかな?とも。
でも性差はまだないんですよね。同衾を拒む理由もないのでは。
>私は本当にこのままでいいのだろうか。このままカノンの「お兄様」になってしまっても……
ここまで悩む理由は出てきませんでしたが、これから明かされる展開ですかね。
>「あ、ああ、なんでもない。仕方がない。今日で最後だ」
性別のない状態を描きたいなら、こういう描写から見直してみては。
男女が一緒に眠るのが憚られるのは、性があるからですよね。そう考えると、矛盾した反応に思えるので。
>基本的に誰に対しても笑っていた愛嬌のある子だった。
「笑っている」の方が。
>対して私はどちらかというと、他人との関わりを拒んで図書館に篭っていた静かな子だった。
よくわかりませんが、王族の一子なんですよね?
それで許される環境とは考えにくいのですが。
ここまで両親の話が一切出て来ないので、気になり始めました。
>私はカノンの「上様」だ。カノンは皆から「末様」と呼ばれているけれど、私を「上様」と呼んでくれるのはカノンだけだった。
うん? 「上様」の意味がわからなくなってきました。
さっきまでは「自分より上の兄弟=上様」だと認識していたんですが。
この書き方だと尊称だということ? つまり何故か周囲に尊敬されておらず、尊称で呼ばれていないということですか? 仮にも王族相手にそんなことあります?
>私があの輪の中に入っても、皆気を使うだろう。
どうも私の考える王族とのイメージの乖離が激しいです。
単にカノンの方が庶民的な性格というだけに思うのですが。
>気づけば「上様」だった私は密かに城内で「王子様」と呼ばれるようになった。
「上様」と呼ぶのはカノンだけだったのでは?
>だが、神から「性別」を与えられる前に他人の性別に対して言及するのは大変失礼な行為だ。だから本当に密かに、だ。
ここら辺の経緯がさっぱり理解できません。
・何故、主人公は王子様とよばfれるようになったのか。
・大変失礼な行為なら、悪意からそう呼ばれたのか。
・場内で失礼な行為をされる理由は何なのか。
・密かに呼ばれていたのに、何故本人が知っているのか。
早い話、主人公が周囲からどう扱われているのか、まるで見えてきません。
>ではどうして私までが知ってしまったのか。
お、最後のは説明ありますかね。
>こっそりと厨房までつけて行けば、侍女たちが私のことを「王子様」と呼び、カノンのことは「姫様」と呼んでいた。
「密かに」じゃない! 全然、密かにじゃない!
>今までカノンと比べられたくなかった私だったが、その会話には不思議と嫌な気持ちを抱かなかった。
いや、カノンとの比較以前に、性別への言及は大変失礼なんですよね?
王族への不敬罪では? そこら辺はどう思ってるんです?
そもそも、何故主人公を「王子様」と呼び始めたのかも謎です。外見同じなんですよね。活発な方が男性的に見える気もしますが。
>その噂を聞いてなのだろうか。王子様が大好きなカノンは図書館に来る回数が増して、私と話すようになった。
これも意味が分かりません。それまで不仲だったんですか?
王子様が好きもなにも、双子の兄妹なのに?
主人公が王子様然としてきたとかならまだわかりますが、侍女が勝手に呼んでただけですよね?
>侍女達の噂話はもっと広まって、ついには国中が知るようになっていった。
王族舐めてんのか?
>カノンと話すようになったと言っても、私は構われる理由もわからずしどろもどろだった。
こっちはまだ理解できますが、
>だが、考えてみれば家族なのだから、このくらいは普通なのだろう。
むしろこうなるまで、カノンにどういう扱いされてたのか気になりますね。
まさか双子の妹と話せないくらいコミュ障だったんです?
さすがにそれはないですよね?
>だんだんとカノンと話すことは今までも当たり前のことだったかのように私の生活に溶け込んでいった。
なんか、それっぽい感じですが……
カノンの性格的に考えても無理があるとしか思えません。
誰にでも笑いかけるカノンが兄だけスルーしてたってことですし。
>話すと言うよりも話しかけられる方が多かった私にとってカノンとの会話は一字一句が試練であった。
これ、何歳の頃の話なんでしょう。
つか、この説明を信じるなら、カノンと主人公は王子様呼びが流行するまで一切会話したことがなかったことになりますが。
双子なのに、そんなことあり得ます?
「生まれてすぐに捨てられて狼に育てられた」とかですか?
>「だ、だって自分の言いたいことをはっきりと言葉にしてしまっては相手も困ってしまうだろ?」
>「どうして?」
本当に「どうして」だよ。
>「どうしてって……。私達は王族で感情を表に出してはいけないんだぞ? それに王族の言葉の重みを私は耐えきれない。一度の失言で一生の笑われ者になってしまう。私は彼らがそうやって私達を今も裏で笑っているのではないかと、恐ろしくてたまらないのだ!」
王族を勘違いしてるのでは、としか。
「感情を表に出さない」と「言いたいことをはっきり言う」は別。王の仕事は決断することです。
「王族の言葉の重み」は、「失言すると笑われるから」じゃありません。誰も笑えないから「重い」んです。「裸の王様」が良い例です。
この子には、帝王学の教育が必要そうですね。
>上様はこれまで私と違って沢山頑張ってこられた。剣だって魔術だって、勉学だって。
初耳。
図書館にこもってばっかりって言ってたし。
>だからみんな許してくれますよ、失言なんて。
だから、それ以前の問題です。
>でもメイドさんや騎士さんから一度もお咎めなんてもらったことございせんよ!
「ございません」ですかね。何故口調が違うのか謎ですが。王族ギャグ?
それはともかく、そりゃ王族を咎める人間は限られるでしょう。普通は。
>確かに王族は大変で、母様も父様も苦労なさってますけど
やっと両親の話が出てきましたが、幼女にこんなこと言われる感じ、王族と言うより家族経営の飲食店みたいです。
>カノンが王族パワーでみんなをアヒルにしてやりますよ!
魔法がある世界でこういうことを言われると、マジなのかギャグなのか判別できません。王族パワーとか、ファンタジーなら普通にありそう。
>カノンは馬鹿だから王族の責任とか、使命とか、正直言ってよくわからないです。
多分、上様の方がよくわかってません。
わりと本質的な部分ではカノンの方が王に近い気質。
>でもカノンはせっかく上様と一緒に生まれてきたのだから、毎日楽しく過ごしていきたいです。
徹底して庶民的という意味では、カノンらしさがよく出ている台詞。
「これでいいのか」という話は置くとして。
>カノンは一度しかカノンになれないし、上様も一度しか上様になれないんですから
意味が分かりません。
「人生は一度きり」みたいなニュアンス?
>周りなんて気にしないで笑っていきましょうよ
父王がこれ聞いたらブチ切れそう。
>「そうだな……」
そうか???
>でも本当にもうどうでもよくなったんだ
それはそれで問題な気がしますが。この国の将来が心配。
>今まで、カノンを知りも知らないで「私とは違う」と言っていた勝手な憶測で固められた防具はもう身につけられなくなった。
超悪文。
ガタガタの比喩をするなら、普通に書いた方がマシです。
[今まで、カノンを知りもせず「私とは違う」と言っていたが、改めて理解した。]
>だから私は本当にどちらでも良かった。そう思っている。カノンが「お兄様」と呼びたいのなら私は「お兄様」でも良かった。「お姉様」でも。
そんな話してないですよね?
「人と話すのが怖い理由」とかそんな話題で、性別の話とかゼロでしたよね。
なにが「だから」なんでしょう?
>「全くかの方は本当に優秀ですな」
>「これでこの国の未来も安定ですね」
> そう言われるたびに私は未来の王となるための選択を期待されているのだとわかってしまう。
妹以外とろくに話せないコミュ障なのに?
>私が「お兄様」になるのは、カノンが「姫様」になるためであり、国に「王子様」を誕生させるためではないのに。
そもそも王位継承は王子様に限定されているんですか、この国では。
なんか自分で性別決めていいようですが、男子のみ継承とかだったら、自由に選べるなんてあり得ない気がするんですが。一国の王を子供が決めちゃうんですから。
>彼らは口々に言うだろう。「あれを王にしたのは間違いだった」と。
この国の王政はどうなってるんですかね。
国民選挙で王を決めてるんですか? それならこの台詞も納得ですが。
>カノンと話してからも私の考えが変わることはなかった。いや、変える必要がないのだとわかった。カノンはカノンで、私は私だ。私はカノンのようにはなれない。双子でも私達は完全に違うものだった。だから羨ましがることなんてない。カノンがこの物語の主人公だったというだけの話。だから私はカノンの望みを叶えてあげる。カノンが私をこの外の世界に連れ出してくれた恩返しに。
長文なのに、何が言いたいのか全然読み取れません。ポエム?
「この外の世界」って何の話でしょう。
そんな単語、ここまで出てきませんでしたが。
>あの子はどう思うのだろうか……
>それだけが気がかりだった。
三読目くらいまで、この「あの子」はカノンのことだと思っていました。
なんせここまで影も形もないので、話の流れ的に。
私なら[湖で出会ったあの子は、どう思うのだろうか……]とかにします。
もしくは「あの子」と傍点を振るか。
>第2話 あの子
>あの子は私と出会った時から「男の子」で、これまでもこれからもそれは変わらないものであった。
「出会った時から」と書くと「その時点から」に読めて違和感があります。
私なら、
[私と出会ったあの子は「男の子」だった。これまでもこれからもそれは変わらないものであった。]
>この世界で「性別」を神に乞うのは、私達人魚だけだから。
そういう重要な設定は、一話で明かすべきです。
>今更運命に抗おうとも思えないため、嫉妬という感情も芽生えない。
嫉妬も何も、選択肢がある方がない方に嫉妬する理由がありません。
逆ならわかりますが。
>自分の運命に誇りを持つべきだと私も言ってしまった。
かっこいいですが、言葉の意味はよくわかりません。
>そんな彼と出会ったのは全くの偶然だった。誰もいないはずの湖で、彼は声をかけてきた。驚いたのはもちろんのことだが、その日の私は情けないことに涙を流していた。
情報量多いのに、説明すっ飛ばして進んでいくのやめてください。
・何故人魚が湖にいるのか
・何故彼はいたのか
・何故泣いていたのか
・彼は相手が人魚なのに気が付いているのか
・語り手はどういう状況なのか
まあ上三つは後に説明入るならそれで十分ですが、下二つくらいはすぐに欲しいところです。下手すると場面変更とともに語り手も変わったのかと疑われます。
>急いで涙を拭って私はなんでもないように装ったが、どうやら彼は私が泣いていたという事実に気付いているようだった。
いや、涙より人魚だと気付いてるかどうかを教えてください。
>沈黙が続いたが、彼がここを離れる気配はない。
彼から声をかけてきたんですよね。
まずそこから描写すべきでは。
>だが、他人との沈黙はさすがの私も苦手のようだった。
何故、他人事のように?
>「あ、あの濡れてしまいますよ?」
> そう言って彼は自ら着ていたジャケットを頭の上に翳してきた。私は人魚で常に濡れているというのに、その瞳にはどこまでも純粋に私への心配を映していた。
状況説明が一切入らないので勝手な想像ですが。
私はこの状況を、湖で人魚でかつ彼の方がそのことに一切気付いていない様子から、語り手は湖岸に座ってるか何かで、足(尻尾)の部分だけ水中に隠した状態なのかな? と想定していました。なので「濡れてしまう」と言われて、大混乱。
この現状、どう解釈すればいいんでしょうかね。状況説明が不足しすぎです。
>「さっ、さっき、か傘とってこようとしたんだけど、あ、雨大きくなっちゃったので……」
普通、雨が大きくなったら傘が必要になりそうなものですが、傘のある場所が遠方とかの理由ですかね。それならまあ。
>おずおずしながらも出会ったばかりの私を気遣うの必死さが可笑しかった。
「気遣う必死さが」
>真っ赤だなと口を滑らせれば、彼は焦った表情をしたが、結局は一緒になって笑っていた。
なんで真っ赤になるんですかね。
語り手が女性(の人魚)ならわかるんですが。
やはり、前話から語り手が違ってるんです? 口調もなんとなく女性的に感じるし。
そもそも話しベタな主人公が「真っ赤だな」とか言いそうにないし。
>それから私たちはいろんなことを話した。
雨の中で?
>本でしか知識を得られなかった私はこの世界の広さに驚いた。
人の話で知るのは、本の知識と大差ないのでは。
自分の目で見て「この世界の広さに驚いた」ならわかりますが。
>地上で暮らす者もいない訳ではなかったが、ほとんどの人魚は海中でその一生を終える。海という限られた環境でも誰もそれに不満を感じることはなかったからだ。勿論私も例外ではなく、陸には興味があっても、その未知な世界に足を踏み入れようとまでは思っていなかった。
その前に、人魚という種族の説明をしてください。
一般的には下半身が魚のイメージですが、自由に足に変えたりできるんですか?
でないと「足を踏み入れる」なんて表現は出てきそうにないんですが。
ていうか、何故彼は人魚と話しながらそのことに気が付かないですかね。
やはり尻尾を足に変えれるわけですか? 一切説明ないですが。
>ドラゴンの巣窟で一晩寝過ごした方が
「ドラゴンの巣窟で一晩過ごした方が」の方が適切。
>「そう! だけどドラゴンってのはもっとタチが悪い……あいつらはフルーツしか食べないくせに人を襲うんだ! 伝説によると誰かを探してるって言うんだけど、間違って探してるそいつごと食べてしまうかもしれないのによく言うよ!」
ファンタジー世界なので、この話がホラなのか真面目な話なのか皆目わかりません。フルーツしか食べないのに人を襲う意味とは。「誰かを探してる」って、ドラゴンはこの世に一体の固有名詞ってことです?
>大きく身振りをつけながら生き生きと話す彼の話に私は引き込まれていた。海に留まっているだけでは知り得なかったこの世界に私は感心するばかりであった。
思いっきり騙されてそう。
>空が真っ赤に染まるようになっても
[空が真っ赤に染まっても]
>森の外から声が聞こえて来る。侍女の声に彼は「戻らなきゃ」と慌てたように言った。
この侍女は彼の家の者ですか? それとも語り手の方?
「森の外から」なので、彼の方かな。
>翌日、その翌々日もまた私はその湖へ通い続けた。
海から?
川を遡ってくるんですかね。
>「濡れたら風邪引くんだよ?」と真剣な顔つきで説明されたが、ならば私は何回風邪を引いているんだろうなと返してやった。
ここもよくわかりません。何回も雨に打たれたという話はないですし。
人魚だから平気という話ならわかりますが、彼が人魚だと知った様子はありませんし。驚いたり言及したりもしませんしね。
>はっと驚いたように目を丸くしていたが、彼はそれからも「傘」を持ってきていた。
ここも理解不能ですが、先の伏線か何か?
>彼との会話は驚くほど弾んでいた。
[弾んだ。]
>カノンと一年も図書館で話していたおかげなのか
あれ、主人公、前話と同じですか。
キャラが違ってて確信が持てませんでした。
>質問だらけの相槌
相槌の意味は、
「人の話を聞きながら、同意・同感のしるしにうなずく。人の話に調子を合わせる。」です。
なので、質問を返したらそれは相槌ではありません。
>「海ってどんなところ?」
うん?
彼に自分が人魚であると話した後みたいな台詞ですが、いつそんな展開に?
>「そうだな……今までの私なら『素晴らしいところだ』と断言していたかもしれないが、君の話を聞いて気が変わった。本当はなにもないところだったのかもしれない」
ウソでしょ!?
>「陸にはいないのか?」
>「いない。『魚』は海にしかいないんだ。陸には川とか湖があるけど、『魚』はどこにもいない。僕だって本でしか見たことがないんだ」
何度も湖に来てたら、自分の目で見ていそうなもんですが。
> 衝撃的な事実に湖の中で気分良く円を描いていた尾はバシャっと水を跳ねた。
ここにきてようやく初人魚描写。
>「それを僕たちにはできないんだ。しかも呼吸できないだけじゃない。 海には陸の誰も近づけられない呪いがかかっているんだ。だから僕たちが近づけば……」
>「呪い殺されて、死んでしまうのか!?」
こんな重要な情報を、人魚の王族で勉強熱心な主人公がまるで知らないのが不思議です。国を治めるには基本の知識では?
>海のこと。海のことならばなんでも知っていると思っていたが、実際そうでもなかった。
「むしろ何を知っていたんだ」という印象です。
>「……海はとても暗いところなんだ」
>「『太陽』もなくて『月』もなくて……」
それ、海底の話ですよね。
それともこの世界の海は別なんですか?
>ないものばかり数えても仕方がない。私はいつもの日常を思い返した。私の側にあったもの。私が見てきたもの。私の心を揺るがしたもの。そう考えて真っ先に思い浮かんだのは、幼い頃からあった暖かい光だった。
カノンのことかと思いましたが、全然違った。
>「……だから私たちは時々光を集めに陸に来るんだ」
>「そうなのか!? どうやって集めるんだ?」
>「白真珠は光を浴びると輝きが増すのは知っているか? それに光を溜め込んで灯りとして使うんだ」
陸まで行かなくても、海面に出て集めればいいんでは……
>それは私たち人魚の古から伝わる万の魔女の言い伝えだ。
「これは」
「万の魔女」って何ですかね。固有名詞?
>黒真珠には血を捧げれば、呪われ、不幸に苛まれるため、今では禁忌とされ、王族が一括して王庫に管理することになっている。
黒真珠「に」
なんでここの説明だけふわふわしてるんですかね。
>水がある所にならば、蒼真珠を使って転移することができるのだ。
なるほど。毎日湖の疑問はこれで解決。
便利でいいですね、青真珠。
>時々『ミロ』という商団がどこからか商品を出すらしいんだけど、
この文の「どこからか」は何を指しているんでしょう。
商品の出所? 『ミロ』の所在地?
わかりづらいので、私ならこうします。
[時々『ミロ』という商団が、海産物を競りに出すんだけど、]
「らしい」も不必要なので省きました。
>結局その日も私は教えるというより、やはり彼に教えてもらったことの方が多かった。そう気づいたのは、またしても空が真っ赤に染まった時のことであり、私は申し訳なさと後悔を抱えた。
最初から不思議でしたが、この主人公、何しに湖に来てるんですかね?
王子じきじきに。
>理由もわからなかったが、心のどこかで今日の自身のあの会話たちは見苦しいものだったと主張している。
絵にかいたような悪文。
[理由はわからないが、今日の会話は見苦しかった気がしてならない。]
……本当に理由がわからないので、せめて納得できる理由が欲しいところ。
>天啓の如く舞い降りた考えに、私はそれしかないと、飛び起きた。
大げさすぎる。
>私は何か間違えを犯したのだろうか。
「間違い」
>やっぱり怒らせてしまったのかもしれない。
彼が来なくなったヒントくらいあれば興味深く読めるのですが、皆無なのでまるで興味がわきません。主人公はひたすらネガティブなだけで頭使わないし。
>見慣れない種族に興味を持ったから近付いただけだ。
人魚を見て驚いた素振り一つなかったですがね。
>きっと今頃あの双子の姉妹のように誰かに私のことを話して私を捕まえようと企んでいるんに違いない。
なんか設定があるのかもですが、何も語られていないので唐突なだけです。
>ふと、「私」はそんなことまで言い出したのだ。だから私は「私」に初めて否定を下した。
ここも最初の文章が変です。私が書くなら、
[そんなことまで言い出した「私」に腹が立った。だから私は「私」を初めて否定した。]
>誰にもわからないはずの秘密の会話だ。
これは「私」との会話という意味ですよね?
脳内会話を「秘密の会話」と書くと誤読を生みそうです。
私なら「自問自答」とかにします。
>湖底からこっそりと時が過ぎ去っていくのを待つことしかできなくなったのだ。
ほんと、何しに来てるんですかね、この人。
>だが、そんな日常も改めなければならなくなるだろう。私が「男」を選ぶにしても「女」を選ぶにしても、もう今まで通りの私で彼に接することができない、気がする。
え? まだ選んでなかったんです?
前回の話では「明日選ぶ」って書いてありましたが、時間的にはこっちが前日譚と言うことですか?
こっちの話だと年齢は結構上(高校生くらい)で、前の話では小学生くらいに思っていましたが、これは一体……?
>私が「男」を選ぶにしても「女」を選ぶにしても、もう今まで通りの私で彼に接することができない、気がする。
気のせいでは?
そもそも彼が主人公をどう見ていたかの説明がないので、対応が変化するかもわかりません。問題は主人公の気持ちより、彼の気持ちだと思いますが。
というか、性選択の話はここまで一切出てこなかったので、唐突すぎる印象があります。作者の都合で取って付けたとしか思えません。
>「男」としての私は王だ。「女」の私なら罪人かもしれない。
王位継承は男子のみってことですかね。ここまでまるでスルーされてましたが。
それはいいとして、女なら罪人というのは、双子が両方とも女性を選んだ場合ということ? 前話では「幼い頃から言いつける」としかありませんが、犯罪扱いなんです? なら最初からそう書くべきでは?
>どちらにしろ、もう責任も義務もないただの私ではなくなるのだ。
前の話で「王族の言葉の重みを耐えきれない」とか言ってましたが。
>もう彼には会えないかもしれない。でもいつか訪れるかもしれないその日のことを考えると体が硬直しそうだった。
ここも意味がわかりません。何故硬直。
親近感がリセットされたんですか?
>白真珠のペンダントは置いてきた。見つけてくれたらそれを身につけて、私を置いてどこか行ってしまったことを後悔して欲しい。見つけなくてもそれでいい。苔に絡まれても、他の誰かが見つけて売り飛ばしてたって、それでもいい。私は明日から変わるのだから、これを機に彼とはいい決別をするべきだ。
思考が支離滅裂な感じが、いかにも女性的です。
意図してそう書いてるのでなければ大ポカかも。
>「男」という決断が正しいのだと、誰かに認めて欲しかった。
侍女とか国民が「王子様」と呼んでるのは認めたことにならないんですかね。
>皆がカノンに与える答えのように、私にも誰か確かな答えをくれないだろうか。そう少し思うだけだ。
カノンに与える答えって、「姫君」扱いのことですかね。
それなら「王子様」扱いされてるので主人公も同じでは?
というか、私の見立てでは国王に向いているのは明らかにカノンの方ですが。
なんで「姫君」がベストと言われているのか、理解不能です。
主人公はそれを支える片腕なり大臣の方が適材適所でしょう。
対人スキルはないけど他は有能らしいですし。
父である国王はどう考えているのか知りたいところです。影薄すぎる。
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