【03】カラーメモリー『Re・MAKECOLAR』(たぬきち) 読みながら感想


【03】カラーメモリー『Re・MAKECOLAR』(たぬきち)

https://kakuyomu.jp/works/16818023214210006556



こんにちは、梶野です。

だんだん感想マラソンの感覚を取り戻してきました。


三人目の参加者はたぬきちさん。

作品はカラーメモリー『Re・MAKECOLAR』です。

ジャンルはマジカルファンタジーとか、そんな感じ。いわゆるライトファンタジーではなく、児童向けに寄った作風ですね。


たぬきちさんの参加時コメントを見てみましょう。



────────────────


はじめまして、たぬきちと申します。 自主企画参加させて頂きました。 

 いきなり結論を出してしまいますが、私の作品は読者様が求めていないジャンルだと言われています。 理由は、児童向けと言われているからです。 私としては児童向けにも書いていて、大人向けにも書いているつもりなのですが、所謂、児童向けとしても大人向けとしても中途半端な文章になってしまってます。 なので、そこのところも踏まえて感想を頂きたいと思い参加させて頂きました。 ボロクソな感想も受ける覚悟でございます。 よろしくお願いします。



・作品名

カラーメモリー『Re・MAKECOLAR』



・特に意見が聞きたい部分。

 序盤の読みにくさを自覚しております。 なので、序盤でどのように引き込めるかのアドバイスを頂けてと思います。 それと、私の文章の癖で会話シーンなども多くなってしまっています。 拘って書いているのは当然なのですが、恐らく、「この会話いらないでしょ」と思われると思うのでそこの部分もアドバイスが欲しいです。 


・「梶野ならこう書く」具体的なアドバイスが欲しいか。

 アドバイス頂きたいです。


・学生(中高生以下)かどうか。オブラート増量します。

 学生ではありません。


 よろしくお願いします。


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ふうむう。私は好きですけどね、児童文学。

子供の頃に読みふけった作品が自分の原点にありますし、たまに図書館で借りたりもします。バイブルの「ドリトル先生」は今読んでも本当に面白くて、何故こんなに刺さるのかと考察したりしてましたし。


カクヨムにおいて読者が少ないという意味ならそうかもですが、カクヨムが世界の全てでなし。ラノベと児童書の中間くらいのレーベルは盛況ですし、悲観も卑下も必要ないと思いますけどね。


とはいえ、私も児童文学の書き手ではなく、本当の意味で子供向け作品を書いたことはありません。あれは本当に難しいジャンルで、「子供騙し」が一切通じない世界なんです。もし下に見てる人がいたら改めて欲しいくらいです。


おっと、感想前にエンジン吹かしすぎましたが、見るべき要素は確認しました。このお話で童心に帰れるか、試してみましょう。

「じっくり感想」、始めます。



⬜️読みながら感想

二読後の感想を、読みながら書きます。



□1色 迷いの森とフシギなタマゴ


>「みんなはナニ色が好き? わたしは赤色が好き! なんでかって? それはわたしと同じ色だからー!」


のっけから、何故「わたしと同じ色」なのかわかりません。

髪の色でしょうか?

隠す必要もなさそうですし、いきなり引っ掛かるので、理由を書くべきです。


>元気な声が周りに響き渡った


一人称で「元気な声」はやや違和感があります。

自分の声を「元気」だと感じる人は少ないはず。病気してたとかなら別ですが。ここは「大きな声」の方が自然です。


>もちろん返事何て

返事「なんて」


>周りを見渡しても、草木が緑に生い茂るだけで、道の舗装なんてされていない。 地面は草がゲンキに立っている。


微妙な文章。

「草木が緑に生い茂る」とは言いません。草木は普通緑なので。


「道の舗装なんてされていない。」の前に、まず道の有無に触れるべきです。未舗装の山道なのか、けもの道なのか、そもそも道なんてないのか。


「草がゲンキに立っている」──まあこの主人公は「アホの子」が個性なのは伝わるので、個性付けの一環として特殊な言い回しは許容したいですが、「草木が生い茂る」と言ってることが同じなので、やはりこの部分は削った方がよいです。


私ならえーと。


[周りを見渡しても草木が生い茂ってるだけで、道なんてどこにもない。地面は草ボーボーだ。]


とかかな。


> わたしは膝と手を地面につき、泣きそうな声で唸る。


お気楽キャラにしては、ここだけやたらガックリしてるのが不思議。


>『わぁーい♪ 学園終わったぁー』


普通は「学校終わった」では?


>『トモダチと遊ぶ約束してたから、待ち合わせ場所に行こう!』


>          ↓

>      『まよったー!』 


状況がまったく掴めません。

いや、何故森に来たかわからないのはいいんです。

でも、森に迷い込んだ部分が有り得るレベルなのか、超常的なレベルなのか、この説明からは伝わりません。


例えば、この学園が都会にあるのに、いつの間にか森にいたら超常的ですよね。

でも山の中の学園で、山道を迷って森に来たなら、有り得る範囲での話です。

この時点でこの話がどういうジャンルなのか、現実的かファンタジーかもわからないので、読者の細かな疑問は早めに潰しておく方がベターです。後出しした方が面白くなる要素は別として。


>いや、一番聞きたいのは、わたしだよね? なんで、迷ってるの? それよりもなんで『知らない森』にいるの? 目覚めたら知らない天井だったみたいな感じかな? そして、記憶喪失だったみたいな? ここはどこ? わたしはだれのがれ?


これだけ説明されても、やはりさっぱり伝わりません。

本人がアホの子でわからない可能性もあるので、余計にそう。

この世界がどんな設定なのか知りたい読者としては、手掛かりがなくて困ってしまいます。


> よし、とりあえず落ち着こうかわたし……わたしの名前は色野灯いろのあかり! どこにでもいる女の子!


記憶喪失ネタに絡めるのは、ちょっと作為が出ています。

それよりも最初に出た「わたしの色」に絡めて名前を出した方が自然ではないかと。謎も解決しますし……って、このコの名前、赤と関係ないですね。じゃあどこが私の色なんだ?


あと、後にこのコが魔法学園の生徒だとわかりますが、「どこにでもいる女の子」ではなく、ここでそれを提示した方がいいと思います。読者がジャンルを把握する手掛かりになりますし。


>「……わぁキレイな空だなー」

> 現実逃避をする様に空を眺める。


賢いキャラならともかく、アホなコが「現実逃避」なんて自己認識をするのは変です。一人称なので、徹底的に灯の目線から書いてください。


>すると、空でナニかが光ってすこし離れた森の茂みに落ちて行った。


森とだけ書かれてイメージするのは、空なんて見えない鬱蒼とした森林です。なので、ここで灯に空を見せたいなら、「梢のすきまから見える空の向こうで、何かが光った」とか、状況描写を加えた方が読者のイメージに沿えます。


「森の茂みに落ちていった」も、果たして森の中でそんな視界が開けているものか?と疑問が先に立ちます。

ここら辺を解決するなら、例えば迷っていた灯が崖の上など開けた場所に出た場面を入れ、そこでいんせき?を目撃するなどにすれば、情景が想像しやすく、印象的になります。


>一瞬の出来事に現実逃避をしていたわたしは


同じ言葉を二度三度用いると、文章がダレて読者が飽きます。

この場合は「現実逃避」がそうです。

例えば「ぼんやりしてたわたしは」などに書き換えます。


>目の前に浮いている金色のタマゴが手に取ってもらうのを待っている気がしてすこし迷ったけど、わたしはそのタマゴを手に取った。


ここも「手に取った」が被っています。


[目の前に浮いている金色のタマゴが手に取ってもらうのを待っている気がして、すこし迷ったけど、わたしはそのタマゴに手を伸ばした。]


>(シレンノタマゴヲ……アナタニタクス)


ここは読者には読み取れるけど灯には理解できないくらいに説明を抑えて、後で仲間たちが解読して灯に教える、的な展開の方がらしいかもですね。


>大きさはバスケットボールぐらい? もっと小さいかな? 重さは……うーん? なんて表現すればいいんだろう……カラッポのランドセルくらい? 感触はつるつる、ぴかぴか。色は……


一人称なので要領を得ないのはしょうがないですが、面白く書くなら

[バスケットボールくらい? もっと小さいかな? サッカーボール? バレーボール? あれ、どっちが大きかったっけ?]

とか。


カラッポのランドセルは、逆に想像が難しいですね。案外重そうで。

そう言えばここまで灯が何歳くらいなのか説明がありません。

もし小学生なら「今背負ってる」とか、中一なら「去年まで背負ってた」など書くことで、さりげなく年齢を開示できます。


>「……金色の…タマゴ?……キン……キンに……冷えてる?」


これはギャグ? それとも本当に冷えてる?

どっちかわからなかったので。


>その後、しばらく、森の中を歩いていると、突然、周囲が白い霧に包まれた。


ぶっちゃけ、来た時の記憶も「白い霧」にした方が、わかりやすくてよいかと。


>なにが起こったかまったくわからなかったけど、わたしは嬉しくなり抱えているタマゴを落とさないように持ち直して走り出してそのまま無事に森を抜けることができた。


長文かつ冗長。

[なにが起こったかまったくわからなかったけど、わたしは嬉しくなって走り出した。タマゴを落とさないように抱えたまま、無事に森を抜けることができた。]



□2色 マルとシーニ


>「あっ、アカリ~」


あっ、アカリの赤か!

いまやっと理解しました。(遅い)

でもこれ、最初にそう書いた方が絶対わかりやすいです。


>森を無事に抜けたわたしは急いで公園にむかった。 


結局、森が近くにあるのか否か、これだとわかりませんね。


>気づいた二人の女の子が手を振りながら、近づいてきて、わたしも二人の方に小走りで近づいた。


文章が冗長。

[気づいた二人の女の子が手を振りながら、小走りするわたしに近づいてきた。]


>「おくれてごめん!」

> 遅れてきてしまったことを謝った。


台詞でわかることをいちいち書く必要はありません。


>果物のヘアピンを直しながら、わたしが持っているタマゴをじっと見つめた。

> この赤髪で髪を果物のヘアピンで七三に分けているマジメそうなこの子は丸内林檎まるうち りんごこと『マル』。


一行目の文章はまるまるカットしてもいいくらいです。

行動はおよそ台詞でわかりますし、主語が抜けているので二人のどちらかがわかるのが遅く、もたつきます。


果物のヘアピンと書くくらいなら、何の果物か書いた方がイメージしやすいです。「リンゴのヘアピン」とか。


>マジメそうなこの子は丸内林檎まるうち りんごこと『マル』。


マルよりリンゴって呼ばれそうな。

赤髪は林檎由来だとして、アカリの赤と被ってません?

てっきり、キャラごと色別なのかと思いました。

タイトル的にも。


>隣町の魔導学園に通っていて


えっ、そんな話なんですか?

なんか童話的な雰囲気から、いっきにラノベに近づいた感じ。

児童文学に寄せるなら「魔法学校」くらいの方が素朴でいい気がします。


>このすこし長めの髪を後ろで結んでいて、腰に上着を巻いている活発そうな、この子は天海葵あまみ あおいって言って、みんなからは『シーニ』ってニックネームで呼ばれてるんだ。


髪を後ろで結ぶ場合、ポニーテールとおさげではイメージががらっと異なるので、活発そうなら「ポニーテール」と明言すべきです。


あと、この文章も冗長気味。

[ポニーテールで腰に上着を巻いたこの子は天海葵。みんなからは『シーニ』って呼ばれてるんだ。]


……なんでシーニ? どっから出てきたの?


>彼女はわたしの通っている魔導学園の卒業生で、今は魔法を日常生活で役にたてるための道具をつくる仕事をしていて、空いた時間によく遊んでくれる、おねえさんトモダチなんだ。


ふむふむ。魔法が日常的にある世界なんですね。

となると、あの金のたまごみたいなやつも、受け止め方が違って来そうです。


あと、二つ学校が出て来るなら、もう名前を出した方がいいのでは。わかりやすい命名で。


>「いつもの森の道で迷っちゃって」


!!?

いつもの森の道とは……?

普段、森の道を通って登下校してると?


>森でに迷ってそのタマゴを拾ったってことですか?」

「に」が余計。


>「魔法卵まほうらんってふわふわ浮いてるあれのこと?」


この魔法卵、後からも出てきますが、さっぱり謎です。

せめてここで説明して置いた方がいいかと。

「ふわふわ浮いてるアレ」とか言われても読者にはわかりません。わからないので、たまごと魔法卵が似てるかどうかも、どうでもよくなるのです。わからないもの同士を比べてるんですから。


>「アカリがみたっていう、その金色のタマゴが落ちてきた時の『ひかり』についてなんですが、私は見なかった……いえ……『見えなかった』んです」

>「え!?」

> マルの言葉に目を見開いて驚くけど、隣でシーニも頷く。

>「たしかに、わたしも見えなかったな」


ここら辺、もっと状況を詰めるべき。

空が光ったからといって、二人がそのタイミングで空を見ていたのかわかりません。空が光る現象がどれくらい激しかったかの描写もなかったですし。ここで詰めるべきは、


・同じタイミングで、二人は森の近くの屋外にいた

・光は空いっぱいが明るくなるほど激しかった

・もし空が光ったら、二人とも絶対気付いたはず


ここまで詰めて、やっと成立する話です。


>「その《しれん》というのがなにかはわかりませんが、今はその答えが出るまでタマゴを観察してみましょう」


タマゴに危険がないか、どちらかが怪しむ展開もありですね。

なんせ誰ともしれない相手から「試練」を渡されたんですから。

年配のシーニが適格かな。


>二人は納得して首を上下に振っているけど、わたしはすこしおいてけぼりな感じ……


三人のキャラづけは、素朴でわかりやすくて、いい感じ。


>そういうと、わたしは腕にかかえていたタマゴを慎重にマルの腕に渡そうとし、マルもタマゴを落とさないように慎重に受け取ろうとタマゴに触れた。


ここも冗長。

動きを書く際に、そのままだらだらと描写してしまう癖が目立ちます。きびきび楽しく読める文章を。要練習。


[そういうと、わたしはかかえたタマゴを慎重にマルに渡そうとした。マルが受け取ろうと手を伸ばした。]


「慎重」は児童文学で読める範疇か、ちょっと微妙かな?


>さっきまでつやつやだった金色のタマゴにヒビがはいっていく



ここは「つやつや」ではなく、「傷一つなかった」ですね。

つやは関係ないんで。


>すると、タマゴが手から離れて、目線のすこし上に浮きだし、金色の眩いひかりを放ちながら弾けるように割れた。


「眩い」は「まばゆい」に開くべき。

「目線の少し上」はわかりやすいですが雰囲気がないので、「浮き上がり」でよいかと。

高さについては説明しなくても、およそイメージできます。多少高さの想像に差が出ても問題ある場面ではないですし。



□3色 名前をつけてみない?


>金色のタマゴから現れたのは、まるくて白色で頭の触角のようなものが虹色に輝いているトリ? みたいな生き物が現れた。


描写する際は、情報を並べる順番を工夫しましょう。

あと、「現れた」が二回出てます。


[金色のタマゴから現れたのは、まるくて白色のトリ?みたいな生き物だった。頭の触角のようなものが虹色に輝いている。]


「触覚」というと虫っぽいですが、様々な形があるのでイメージが分かれます。確実に伝えたいならどんな形か説明を加えてもいいかも。


>小さなハネをパタパタさせながらゆっくりと落ちてくるトリを


タマゴから生まれるならヒヨコかなと思わなくもないですが、まあ魔法のある世界だし、何が生まれてもアリですね。


>手に落りてきた


これは「降りて」か「下りて」でしょう。


>わたしの掌を


児童向けなら「てのひら」に開くべき。


>あれを視てください


ここも、特に意味合いがないのなら「見て」でしょう。


>わたしとシーニは反射的にマルの指さした方をみると


反射が求められる場面ではないので「マルの指さした方をみると」で十分。


>そこには、さっき弾けたタマゴのカケラがすこしずつキラキラと輝きながら消えていった。


文章の繋がりが変なので、「そこには」は私なら省きます。


>「不思議なことがトントン拍子に起こりすぎて混乱しています」


「とんとん拍子」は上手くいく際の表現です。

この場合は「次々と」。

あるいは灯にそう言わせて、マルに訂正させるとか。


>「名前をつけてみない?」

>「名前ですか?」

>「うん!」


こういうところはおバカっ子な動きで、好印象。

理屈抜きにキャラが行動するのは見ていて楽しいですね。


>自信満々にとっておきの名前をいう。


ここは一瞬誰が言ったのかわからない(わかった方がよい)場面なので、「わたしは」と主語を入れるべき。


>「アカリ、とりあえず他の名前を考えようか」


ここは流れ的には「じゃあ次の人!」となりそうな。


>マシュマロみたいだからシュシュ・マロタロウというのはどうでしょうか?


マシュ・マロタロウではなくて?


>「私は、やはりマロタロニクス・シュナイダ―がいいと思われます」

>「なんか変わってない?」


このコの命名センス好きw

なんか変わってない?もいいツッコミ。


> そこには、白と水色のパーカーを着たタレ眼で髪も水色で透き通るような空色の目をしている少年が立っていた。


描写の順番~!

あと、一行に全部収めるのやめましょう。


[ そこには、白と水色のパーカーを着た少年が立っていた。タレ眼で髪も水色で透き通るような空色の目をしている。]


>わたしはトモダチを『色』に関係あるニックネームで呼んでいるんだ。


それならマルも色で呼べばいいのに。

シーニも色じゃないですし。

一応調べたら、エストニア語でキノコという意味らしいですが。

関係ない……ですよね?w


>「あっ、そっかアカリはおなじ学校だから知ってるけどマルは知らないんだったね」


この台詞はアカリが言った方がいい気がします。

内容はいじらないとですが。

あと、マルとシアンは初対面かどうかも知りたいです。


>「アカリ、それではわからないと思われます」

>「その前に説明になってないね」

>「そうか」

>「分かるんかい!」


ここは単なる説明不足なのか、本当に「カクカクシカジカ」と言っちゃうと言うギャグなんですかね?


後者だとちと伝わりづらいので、私ならシアンの台詞を

「カクカクジカジカ……そうか」

にします。


>「クー」

>「ピュッ!?」

>「え?」


主語がないので、「クー」が誰の、何を意味する発言なのかちょっと戸惑います。

引っ掛からないよう「……クー」とすれば、この前の「…………」の続きだと読めるはず。


マルのまじめツッコミにシーニがツッコム。

私的にはですが、「ツッコム」は「ツッコむ」の方がいいですかねえ。「ツッコミ」はわかるんですが。


>「この小さな体のどこに入っていったのでしょうか?」


とくにサイズの説明はなかったですよね。

バスケットボール(より小さい)タマゴから生まれたので、何となくネコくらいの大きさかと思ってましたが、それだとリンゴを食べて「体のどこに」までは思わないので、もっと小さいのかな? そうなると、サイズ説明が欲しくなりますね。


>「じゃあ、近くのスーパーで果物でも買いに行こうか」


森があったりスーパーがあったり、いまいちこの付近の地理が理解できません。いやまあ、ファンタジーだし細かい話ではあるんですが。


>「そっかザンネンじゃあまた今度いっしょに遊ぼうね!」


「ザンネン。」か「ザンネン、」ですかね。


>腰にかけていた杖を


「かけていた」でも間違いではないんですが、わかりやすいのは「さ(提)げていた」、かなあ。


>「隣町まで少し距離があるからこれで飛んで行こうか」


隣町という単語がいきなり出てきます。

マルは農園が隣町だとは一言も言ってません。


>「おっ、これは乗りやすそうなホウキですね」

>「普通のホウキだとお尻が痛くなるから少し乗りやすく手を加えたんだ」


ホウキは尻を痛めやすいですからねw


>「ホウキの乗り方は分かる?」

>「うん、大丈夫!」と返事を返しながら、クーを頭に乗せる。

>「授業で習ったので、予習はばっちりです」


お、魔法学校ものぽくなってきた。

これはこれで楽しそう。


>「また」

無口キャラのシアンもいいですね。



□4色 甘い匂いに誘われて


>隣町のセーラン

農園があるなら「隣村」でもいいかも。


>声のした場所をみると、そこには、クーが木に実っている果物を取ろうとぴょんぴょんと跳ねていた。


あれ? クーは飛べないのか。

言われてみれば確かに、羽はちっさい描写ありましたね。

浮いてたのはタマゴだし、よく考えたら飛べない方が自然かも。


>助走をつけて飛んだことによりさっきより高く飛んだクーは


[助走をつけたことによりさっきより高く飛んだクーは]


>クーの周りに檻のようなものが出現し、クーはその檻の中に捕らえられてしまった。


おお、魔法っぽい。

「檻」は開くか、ルビを振るべき。


> わたしたちの背後から冷たい視線と声がした。


なかなかいい登場ぶり。



□5色 魅惑の果実と恋の暴走列車


>その女の子は腰まである青紫色の髪をリボンで結んでいて、黒色の長そでのワンピース姿をして、瞳とおなじ色の丸い形をした太くて長い鍵を後ろ腰にかけて、背中にカゴを背負っていた。


悪い癖出てます。

[黒色の長そでのワンピースを着て、腰まである青紫色の髪をリボンで結んでいる。瞳とおなじ色の丸い形をした太くて長い鍵を後ろ腰にさげ、背中にカゴを背負っていた。]


ここは前文で「女の子が」とあるので、主語を省いて問題ありません。女の子の描写だとわかります。


>スミレは鋭い眼をむけながらいう。 その眼は背筋が凍ってしまう程で、まるで、籠の中の鳥の気分だ……いや、クーは籠の中の鳥だね。


「眼」を二回使うのは、ややくどく感じられます。

「籠の中の鳥」はいい表現なので、スミレを猫になぞらえるとかどうでしょう。

籠は「かご」と開くべきです。

「。」の後はマス開ける必要はありません。


[スミレは鋭い声でいう。その眼は猫のように冷酷れいこくで、まるで、カゴの中の鳥の気分だ……あ、クーはカゴの中の鳥だった。]


>彼女は声を低くして喋っていたけど


「喋る」も開くべき。

対象年齢を意識すること。


>「えーと……先程も云ったように私たちは新鮮で採れたての果物を頂きたいだけで……」


マルがここで口ごもるのは謎です。

ここまではっきり物を言ってたのに。


>「センパイは……アタシが……護る」

センパイが好きで、近づく女はとにかく排除する的なキャラなのは伝わりますが、ちょっと展開が強引ですね。


その方向なら「果物を口実に何度も先輩に会いに来る」と誤解する方が伝わりやすいかなと思います。


>右手で掴む。

「つかむ」。


>「よしっ。」といい。

「よしっ」といい。


>回れ右をした。

ここら辺のリズム感は嫌いじゃないです。


>スミレは後ろ腰にかけている鍵を引き抜き、


ここもくどいです。

[スミレは腰から鍵を抜き]で十分。


>まっ黒な棒状のものが十数本ほどスミレの回りに現れる。


これはこれでいいんですが、クーを捕まえた時はいきなり檻が出現しましたよね。なぜそうしないのか、疑問に思いますね。


>わたしは横に飛退き

「飛びのき」


わたしとシーニは猛ダッシュで走り前を走っていたマルに追いついた。


>[わたしとシーニは猛ダッシュで走り、マルに追いついた。]

>「いや~やっぱりこうなっちゃいましたね~」

>「マル! なにあれ!?」

>「なんか怖いし、なぜか攻撃されたけど!?」

>「彼女は、ちょっと訳ありで少し面倒なんです」

>「少し以上に面倒そうなんだけど!?」


こういうやりとりは上手くて、楽しいですね。


>「あれは周囲の魔法卵の魔力を素に鉄パイプのようなものを造りだして、そのまま飛ばしてくるスミレが得意とする技のひとつです」


まず、周囲に魔法卵があるということが初耳です。

どこにもそんな説明はありませんでしたが、どこにでも浮いてる設定なんでしょうか。

それなら「魔法泡」とかの方が、それらしく受け止められるかと。


>「ちなみにあれの堅さは鉄パイプと同じぐらいの堅さなので、当たったら、多分、骨が逝きます」


「堅い」ではなく「硬い」が適切。児童向けなら開いても。

「骨が逝く」も言葉遊びよりネットスラングに近いので、普通に「骨が折れます」に近い方がいいかと。


>「ホンキで殺りにきてるよね!?」

>「ハハハハハ(棒)」

>「目が全然笑ってないよ!」


微妙なラインですが、ここまで来ると児童向けより漫画寄りの表現のような。


>スミレの攻撃を三人並んで走りながらも右、左、ジャンプ、しゃがんだりしながらわたしたちはかわしていく。


「三人並んで」で主体はわかるので、「わたしたち」は省けます。


[三人並んで走りながら、スミレの攻撃を右、左、ジャンプ、しゃがんだりしながらかわしていく。]


>わたしが必死に叫ぶとマルはかかとで急ブレーキをかけて


さりげなくコミカルな表現を混せるセンスは高評価。



>前に突き出していた右手を自分の方に下から回転させて、そのまま左手で掴み少し膝を曲げる。 


ここは「右手」でなく「棒」にした方がイメージしやすい。


>「バッチコーイ!」


台詞はすごくいいんですが、この掛け声は野手がバッターに言うものなので、バッターになってるマルが言うのは変ではあります。


掛け声に合わせるならグローブを作るべき。

バットに合せるならバッターの掛け声なんですが、これが案外ないんですよね……ううむ。「いっちょこーい!」とか?


>果物の木の陰からいっぱいに果物のはいったカゴを掛けて、緑色の農園着の穏やかそうなおにいさんがぷかぷかと宙に浮くホウキに立って乗りながら現れた。


[果物の木の陰から、緑色の農園着の穏やかそうなおにいさんがぷかぷかと宙に浮くホウキに立って乗りながら現れた。いっぱいに果物のはいったカゴを掛けている。]


>スミレは慌てて彼のもとに駆け寄り状況を説明しようとしたが、彼は優しくスミレに笑いかけ、こっちをみて続ける。


台詞から読み取れる内容は、地の文に書かなくてよいです。


>「さっきのってキミがやったの? もし、そうならなかなかの腕だね」


この台詞を年上のシーノが言うのは妥当ではあるんですが、スミレの攻撃から逃げてただけなのであんま恰好はつきませんね。

打ち返す役をシーノに回した方が、この台詞に説得力が出たかもしれません。


>「わたしの推測だけど、マルとスミレのマジック棒の魔力がぶつかり合う寸前に魔力をぶつけて相殺させたんだとおもう」


相殺とか魔力調整とか、私はバトル漫画好きなのでこの手の解説は大好きなのですが、作品のジャンル的にちょっと逸脱かなあ、という気はします。


あと、リュイの飛ばした魔力がまったく見えなかったという点も解せません。見る限り魔力を形にして使用するのがこの世界のスタイルのようなので。見えざる魔法が使えるなら、誰でもそっちを使うようになるはずなので、その特殊性などについて、むしろ触れておく必要があります。(逸脱)


>「魔導師にはいくつかのランクがありまして、順に《星》《冥星(冥王星)》《月》《水星》《火星》《金星》《地星(地球)》《海星(海王星)》《天星(天王星)》《土星》《木星》《太陽》の魔導師があります」


ランキングを星のサイズにするのは、逆にわかりづらいです。

より太陽に近い方が強い、水金地火木……の順でいいんじゃないでしょうか。(冥王星って外れてましたっけ)

月は含まない方が面倒がない気がします。


>おにいさんにむける眼とは全く違う冷たくて鋭い眼


眼と目は使い方が微妙に違います。

眼は主に科学的な用語で、生物描写などに用いられます。

スミレの場合、人間離れした眼差しとして「眼」を使ってるのかと思いましたが、リュイにも眼を使ってるので、単に間違っているのだと思われます。


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