第28話 ワープ成功!
オレたちは半日ほど歩いて西の塔の入口へ着いた。かなりの高さだ。
忍者のオレがジャンプしても、塔の半分くらいの高さまでしか届かないだろう。
塔の周囲には誰もいない。おそらくライバルたちは皆、塔の中に入っているのだろう。
オレはまず、リュックから輪っかにしているロープを出して自分の肩にかけた。そしてリュックをユリカに預ける。
「何をするつもりなの~?」
ユリカはポカンと口を開けている。コイツには少しくらい頭を使ってほしいと思う。
オレは塔の上を見上げた。幸い、塔のあちこちに窓がついていた。
その中の、塔の半分くらいの高さの窓を目がけて、思いっきりジャンプした。自分でも驚くくらいの跳躍力だ!
そして、オレは窓の縁の部分へ無事に着地。窓ガラスなどは無く、そのまま中に入り込んだ。塔の内部を見渡してみる。
近くには誰もいないようだ……気配も感じない……よし。
オレは窓の下へ向かって、ロープの一端を落とす。もちろん、もう一端はオレの手元だ。ロープはズルズルと下へ落ちていって、ユリカの手前の地面まで届いた。
「よし、ユリカ! リュックを背負ってロープにしっかりとつかまれ!」
ユリカは言われた通りにロープへしがみつく。オレは慎重にロープを握り、上へ上へと手繰り寄せていく。
もし手を滑らせたら、ユリカが落ちて大変な事になる。
ここだけは、しっかりマジメにやらないと!
少し時間はかかったが、無事にユリカを上まで引き上げる事ができた。
「よし、ここから先は塔の中を進もう。もしかしたら、途中の階に秘密兵器があるかも知れないし。ユリカ、お前は書く物を持っていたよな? マッピングを頼む」
「わかったよ~。地図を書くんだね~?」
オレはユリカを連れて慎重に塔の内部を進む。幸い、あちこちの窓から外の明かりが差し込んでくるので暗くはない。
しばらく進むと、上へ昇る階段があった。
オレたちは、ここも慎重に上へと進んでいく。そして、階段を上がりきったところで、前方に全身を鎧で装備した騎士の姿が目に入った。コイツはひょっとすると……。
「おい、あんた! ひょっとして、ゴーディスか?」
オレは、鎧の騎士に向かって問いかけた。
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