【episode.3】運動会〜正樹の活躍〜
今日は3度目の小学校の運動会だ。
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運動会には、親が出場する障害物競走の種目がある。
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正樹は、学生時代も文化系の部活にしか入っておらず、スポーツはできない。
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私はずっとスポーツ系の部活に入っていて、運動神経も良い方だ。
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私の方が早くゴールできる自信があったが、正樹が俺が出ると言い張るので任せることにした。
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障害物競走の時間になり、正樹が入場してきた。
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大丈夫かな。
こけて骨を折ったりでもされたらちょっとめんどくさい。
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怪我だけはしないでと祈りながら見ていた。
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ついに正樹の出番がきた。
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正樹が走り始めた。
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え、、
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いきなりこけた。
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まだ何も障害物はないはず。
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周囲から笑いが起きる。
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それでも立ち上がって一生懸命ゴールまで走りきった。
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結果はもちろんダントツでビリだった。
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走り終えて私の所に戻ってきた正樹は砂まみれだった。
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服についた砂をはたいてあげる。
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「怪我してない??」
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「なんとか大丈夫。走り始めてすぐ足がもつれちゃったけどな、ははは」
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「私が出てもよかったのに〜」
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「いや、優太にかっこいい所見せたかったんだよ、まあ逆にかっこ悪いところ見せちゃったんだけどな」
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そう言って笑いながら水を飲んでいる。
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水を飲む正樹の姿を見つめる。
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なんだか最近、正樹の顔がますます父親らしくなった気がするな、、
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苦手ながらも優太のために頑張って走ってくれた正樹。
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嬉しかった。
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今日の夕飯は正樹の好きなメニューにするか。
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「正樹ありがとっ!かっこよかったよ!」
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正樹が優太の父親で良かったな。
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そう改めて思った運動会の日であった。
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#正樹も努力家
#息子のために
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