第50話 整理をして思うところ

 ここまで新作を書いてきましたがやはり、魂の作品とは言えないと感じています。明るく楽しく、スポーツして優勝して終わりです。


 どうでしたか? 面白かったですか?


「まあ面白かった。かな?」


 なにが一番心に残りましたか?


「うーんと。特には?」


 教訓とか、明日を生きるヒントとかありましたか?


「それはなかったね、ぜんぜん」


 これが現状です。脳内読者の感想はそれでした。

 でもいいんです。まだ時間はあります。ここから足したらいいんですよ。むだに足すのは得意じゃないですか。


 主人公のスポーツに対する姿勢。周囲の人との関わりかた。私が読者さんに伝えたいこと。物事の背景。志。天候。景色。匂い。風。

 見えます、向かい風に混じる雨粒をものともせず、先を見据える主人公が。


 


 過去の作品を整理したことでなんだか気が楽になりました。一方で社会との接点が極小になり、寂しい気もしています。まあ、自ら望んでこの状態になったんですし、3年前もまさにこの状態だったんですけども。

 リセットして、もの書きを始めたころに戻ったんですね。心機一転です。


 整理したのは単に散らかっていたからなんですが、片づけたら片づけたでなんだか身辺整理したみたいな空気になっちゃって。

 まだまだ続ける気ですし作品も書いていますからね、去るという選択肢はまだなんですが。でもまあアレですね、未来の出来事を予備体験したのかもしれません。「ああ、こうなるのか」と思っちゃいました。


 プロ選手になれなかった野球少年はいずれ折り合いをつけ、プロ野球選手以外の職を持ちます。スケート選手を志した少女も、いつしかスポーツとは異なる職に。将棋だってそう。Youtuberだってそう。志した全員がなれるわけではありません。

 おれごんは志の低い人間なのでそれを体験することがありませんでしたが、もの書きで同じ思いをすることになりそうです。

 そうでなくともお仕事では挫折続きで、毎年挫折して、毎週の月曜日にも挫折しているんですが。なんなら毎日の帰宅時に挫折しているんですが。


 最後に話を戻しましょう。

 一応は遠い未来の話ですから、今は第4作に邁進しましょうか。

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