10月8日 チーズフォカッチャ、二日目のフィナンシェ
今日も今日とて曇天である。
寝覚めもあまりよろしくない。繰り返し見る夢をまた見ていた。
私は何故か高校三年生で、卒業を間近に控えている。それまでに提出する課題はだいたい終わっているのだが、体育だけが気がかりだった。夢の中の私は、体育の授業に全く出ていないのである。一年間、一度も。にも関わらず、一学期、二学期とも呼び出されることもなく、単位はもらっていた。だから三学期も大丈夫だろうと踏みつつも、流石に少し心配になっていたのだ。果たして私は体育を避けたまま卒業できるのか───
という、謎の夢である。
勿論、実際にはちゃんと体育の授業を受けて卒業した。すこぶる嫌だったけれども。避けられるものなら避けたかったけれども。私は運動が嫌いである。小学生くらいまでは野生児だった気がするのに、気づけばすっかりインドアな運動音痴である。年齢を重ねるほどに運動が必要なこともわかっているのだが、それでもやっぱり嫌なんである。そんな思いが、このおかしな夢を見せているのかもしれない。何にせよ、単位に追われる切迫感はもう二度と味わいたくない。
ぼんやりとした頭で、ブランチの用意をする。
昨日、出雲で買ったパンである。リベイクしたクロワッサンはかなり好みで、外はパリパリ、中はふんわりとした食感。大山バターがリッチに香る。スタンダードな丸パンも美味しかった。こちらも大山のミルクやバターを使い、小麦の風味が際立つ。ふかふかと軽いのがまた良い。
最も気に入ったのはチーズフォカッチャである。こちらはフォカッチャらしいもっちりとした食感をしつつ、表面に散らしたチーズがこんがりとして美味しい。生地の中にも塩気の効いたチーズが混ぜこまれており、リベイクするとこれがとろりと溶けだしてくる。
と、総合的には美味しかったのだが、甘めの菓子パンはそこまで良いとは思えず、スタンダードなパンに強い店のように思った。
午後には夫がゲームをするのを眺めながら、おやつに昨日焼いたフィナンシェを食べた。
ガラスドームの中に一晩おいたフィナンシェはしっとりとして、味が落ち着いている。焼きたての華やかさはないが、じんわりと甘さやコクが引き立ち、香ばしさはほんのりと感じる程度。これはこれで良いものである。
一つはトースターで少しリベイクした。焼き立てには敵わないが、非常に近い。表面のカリッと感が蘇り、中はふっくらと温かい。バターやナッツの風味を存分に味わうなら、やはり温かい方が良い。
嗚呼、もう食べきってしまう。
お菓子に限らないが、手間をかけても食べるのは一瞬である。だからこそ、一口をしっかりと味わわなければならないと、改めて思う。
夕飯は残っていた「すた丼のタレ」でまた、すた丼もどきを作った。前回(https://kakuyomu.jp/works/16817330654745085719/episodes/16817330659222653251)は薄切りの豚バラを使ったが、今回はしゃぶしゃぶ用の豚バラにすることで、本物に近づいた、らしい。もはや本物の記憶が無いので夫の判定しかないわけだが。相変わらずジャンクな味である。たまに食べたくなる、という気持ちはわからないではない。
久しぶりに味噌汁も作った。汁物が欲しくなる季節なのだなぁと、しみじみ思う。
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