4月28日 茄子と豚肉の梅ポン煮
髪のハネがいよいよものすごいことになってきた。
前回美容院へ行ったとき、「春だし軽めが良いし」と、外ハネしやすいシルエットにしてもらったのは確かなのだが、そこから伸びてきてこんなに大変なことになるとは思わなかった。毛先がぐるんぐるんしている。それはもう90年代アニメ美少女並に。
ヘアアイロンの類は、我が家には無い。あっても使いこなせる気がしないからである。私は手先が絶望的に不器用なのだ。自分でも悲しくなるくらいである。折り紙は角を合わせたはずなのに最終的に合わなくなっているし、ハサミやカッターで紙を切れば定規を使っても斜めになる。そんな私がヘアアイロンなどを使えば、いっそう見苦しくなるか、焦げるか、とにかく碌なことにならないだろう。
ある程度ドライヤーでどうにかして後ろで結ってしまえば誤魔化せるとはいえ、限界もある。今日、鏡で自分の髪を見ながら「そろそろ、切るか」と思ったものの。
いやしかし、前回美容院に行ったのは先月半ばじゃないか。早過ぎる。
そう気づいてしまったのである。
実のところ、山陰でまだ行きつけの美容院というのが見つかっていない。いわゆる初回限定クーポンを使えるのはありがたいとはいえ、美容院を探すところから始めるのは本当に面倒である。
髪型に特別こだわりがあるわけではない。ないのだが、どうも色々としっくり来ないのだった。ある美容院ではなんだか話が合わず、ある美容院ではやたら縮毛矯正をすすめられ……仕上がりも、可もなく不可もなく、といったところ。「こんなもんだっけ?」みたいな感想が続いている。
東京では、信頼できる美容師にお願いしていた。パーソナルカラーも骨格も顔型も診断してくれて、私に一番似合うようにカットしてくれる、全てお任せできてしまう美容師だった。早くあの人に整えてもらいたい。
ひとまずはまた、新しい美容院を探してみよう。甚だ億劫ではあるが。
今夜は再び、梅干しのターン。
昨日一切食べなかった分、たっぷりと使うことにする。致し方ない。
主菜は「茄子と豚肉の梅ポン煮」。炒めた豚バラと茄子に、ポン酢・はちみつ・叩いた梅干し・生姜を合わせてコトコトと煮る。仕上げに刻んだ大葉を少々。
これはかなり良かった。炒めてから煮た豚バラは脂が落ちてさっぱりとして、その脂を吸った茄子は煮汁を含んでとろりと溶ける。適度に酸味の飛んだポン酢のしっかりとした味わいの中に、梅干しが文字通りに良い塩梅。少し加えたはちみつが、梅の甘さも引き出している。大葉はたっぷり乗せるのが良い。その香りが濃厚な風味を爽やかにまとめてくれる。
副菜にも切り干し大根の梅煮を添えた。普段どおりの切り干し大根の煮物に潰した梅干しを加えるだけなのだが、さっぱりとした味わいで、暖かい時期にはとてもちょうど良い。
梅干し休めには、ピーマンと舞茸の塩昆布バター炒めを。これもなかなか良かった。最初に軽く焼き付けた舞茸がふっくらとジューシーで、塩昆布バター醤油の味がよく合う。ピーマンの苦味と黒胡椒で全体が引き締まる。
なんとか、梅干しの先も見えてきた。
きっと良い梅干しには違いない。しかし梅が好きだと話したこともない相手に、1キロもの量を贈るのは思いとどまってほしかった。そしてせめて、夏が良かった。
そう、夫婦でしみじみと語り合ってしまう夜だった。
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