8/15(火)「ペアグラス」
復縁した彼からの『良いワインが入った。前に贈ったグラスで乾杯しよう』とのメールに頭を抱える。
「やっべ質屋に売り払ったわ…」
悩んだが、ここは素直に俺はこんな人間ですと謝ろう。
当日、眼前にはあのペアグラス。
「訳あって私もグラスも手放したことは知っている。私に君を支えさせてくれ」
【あとがき】
これめっっちゃ捕捉必要というか、140字で収まるはずないぜ!って話を無理やり納めちゃったので、ここから捕捉です!
復縁した、とは一度この二人は別れているのですが、彼氏のほうがハイスペ高給取りで、主人公は割りと苦学生のちの安月給。
親の借金を主人公に背負わせてきて、困ったけれどどうにもできなくて、このままでは彼のほうにも迷惑が掛かってしまうと別れを告げました。なけなしの貯金を崩し、家材なども売ったけれど、どうしても足りず、超高級ペアグラスを泣く泣く、泣く泣く調べて良心的な質屋に入れました。
ギリギリまで買い戻そうと頑張って働きましたが、質の期日までには買い戻せず、手放すことになりました。その時に、質屋の店主に厚かましいお願いですが、このペアグラスはできればバラバラではなく、ペアのまま次の方に売って欲しいと懇願します。
自分たちは別れてしまったが、せめてこのペアグラスだけは……との思いで。
質屋の店主も彼がとてもペアグラスを大切にしていたことをしっていたので、それを快諾します。
さて、いきなり別れを切り出された彼氏は何があったかと動向を探るうちに、思い出のペアグラスが売られた事にショックを受けます。
けれど、質屋の店主に手離した彼の事を聞き、何か事情があったのではと思い直し、彼が苦しんでいたことを知ります。質屋の店主に、送り主は自分で、いつか彼に必ず渡すと約束してペアグラスを買い取ります。そして陰ながら彼の手助けをしたり、悪徳業者の介入は法的処理ではねのけたりなんとか完済。
彼の心残りがなくなったところで、何年かぶりの再会を形作り、復縁を願います。
なので、「俺はこんな人間です」と正直に言った彼の迷惑をかけたくないとの優しさもわかっていて、これからは大変な事も一緒に背負わせて欲しいと願い出るわけですね。
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