配信準備

昼食を食べ終えた僕は、配信の準備を行う。


カメラの設定を、僕だけモザイクにするように設定した。

最近の高性能のカメラは、本当にすごいと思う。


1人だけをモザイクにするとか、探索者の動きに付いていけるとか、安物と比べて、遥かに性能が変わっているのが分かる。



【白夜】のメンバーは、顔出しは普通にやってるし、問題ないだろう。


「よし、準備できたよ!」


「「「よっしゃ」」」


ナツ、レオナ、ユイがガッツポーズする。


あっ、タケルを忘れてた。



部屋に戻り、タケルを確認する。


「おお、準備出来たんだな」



「うん。もう怒ってないし、それ辞めれば?」



「ダメよシオン甘やかしたら!一生そのままで良いわ」



「あほか!死ぬわ!」


酷い提案をするレオナに、タケルの突っ込みが入る。

レオナ、さっきまでウトウトしてたのに、今はすごい元気になってるんだけど…。




「僕も怒ってないし、起こったことはしょうがないことだし、レオナももう勘弁してあげたら?」


「当事者がそう言うなら…まあ、いいわ。でも、面白いから、タケルはその格好で配信に参加させるわ!」



「いいねそれ」


いつの間にか来ていたナツが同意する。


マジで?



「それ!」


レオナが呪文を唱えたと思ったら、タケルの体がふわっと浮かび上がる。


後々聞くと、人1人を浮かび上がらせる魔法はレオナにしか出来ないらしい。


というのも、自由自在に魔力を扱うことが難しく、物を浮かび上がらせることが出来るのも、世界で数える程しかいない。



浮かび上がらせたとしても、数秒程度で、浮かび上がらせて、なおかつそのまま移動させるなんて、誰にでも出来ない。



「よし、じゃあこのまま配信始めるわよ」


「「「おしっ!」」」


「勘弁してくれよ…」



最強探索者パーティ【白夜】の、初めて全員揃った雑談配信が始まった。




同接者数は既に、10万人を記録している。



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