第37話 新たな仲間


「それと潜入とかに適したスキルを持ってる天使っていない?」


「潜入ですか。いることにいるんですがセラフ様の陣営には知りませんね」


「セラフ様、ルーナはどうでしょうか?まことに不服ですがセラフ様の副官ですし、スキルも潜入に向いてると思います」


「なるほど。エクレーシアもいいと思う?」


「そうですね。ルーナ様というと暗殺を専門にしている方のはずですし潜入もできるはずです。適任だと思いますよ」


「それじゃ呼び出そう。スキル『神の威厳』を発動!」


ファーナーの推薦のルーナっていう天使を呼び出す。自分の陣営にいる天使がわからないと使える手段が少なくて困る。これからは積極的に覚えていこう。


「あれ?ここどこ?」


呼び出されたのは小さい女の子。いきなり呼び出したからだと思うけどきょろきょろしてる。


そんなことよりも本当にこの子で合ってる?見た感じだと10歳もないぐらいの年齢に見えるんだけど。これで暗殺専門なの?それは逆に怖い。


「あっ、セラフ様だ!」


どうやら俺に気づいたみたい。と思ったらいきなり飛び込んできた。幸い小さいから受け止められるから大丈夫だけど心臓に悪い。いきなり飛び込んでこないで!?思わずかわすところだったよ。


「んーー、落ち着く」


なんか頭を俺にこすりつけ始めた。小さい子だから精神年齢とかも比例して幼くなってるのかな?てかそもそも天使って精神的に成長ってするのかな?


「えーーと、君がルーナで合ってる?」


「どうしたの?私はルーナに決まってるじゃん!」


「まぁ、いろいろあって記憶がなくなっちゃったんだよ」


「え?それってホント?」


「うん。そうだよ」


なんか固まった。さっきまで頭を擦り付けてきたり元気に動き回ってたのにどうしたんだろう。確かに記憶がなくなったっていうのは衝撃的だけどそこまでのことかな?


「そっ…それじゃ、私と一緒にやった任務とかも忘れちゃったの?」


なんか泣きそうな目でこっちを見てくる。


…なんかごめん。確かに思い出がなくなっちゃったらショックだよね。ほんとにごめんね?


「うん。前のことは一切記憶からなくなってる」


「うぅ…でっ…でもこれからも任務とか一緒にできるんだよね?」


「それは、もちろんできるよ」


「それなら大丈夫。これから進めていけばいいだけだし」


「ん?そうだね」


進めていけばいいって何のことだろう。もしかして前にやってた任務のこととかかな?一応リーシャ様からもらった記憶にもちょっとはあったけど結構大雑把だったからもしかしたら抜けとかあるかもしれない。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る