No.2-17:追加罰ゲーム
「ソ・フィ・アさーん?語尾にゃんはどうしたんですかぁ?」
宿に戻ると、激おこ状態のシイラがそこにいた。どうやら俺とグレースが戦っていたのを配信か何かで見られたらしい。
「いやぁ、そのぉ、楽しくなっちゃって。にゃん」
「ふふふ、罰ゲームは罰ゲームですよ?そんなルールを守らなかったあなたに、追加の罰を用意してます。これを飲んでください」
シイラから虹色に輝く謎の液体が入ったコップを渡される。
「こここここれは?」
なんか明らかにヤバイ色してるんだけど??それになんかドロドロしたりサラサラしたりと明らかにおかしい液体なんだけど大丈夫なの??てかもはや液体じゃないだろこれおかしいだろ。
「大丈夫です。それにもし死んでも復活するので安心して飲んでください」
「そうじゃぞ。諦めて飲むのじゃ」
何でグレースもそっち側なんだよ!?えっ、何?首を刎ねたのに怒ってたりするの?あっ、ちょっ、待って。まだ心の準備がっ
——ゴクン
「うげええええええ」
マッズ。えっ、なにこれマッズ。ドロドロしたりサラサラになったりしてて凄い気持ち悪い感触。あっ、やばっ、喉に詰まった。息がっ、でき・・・
——数分後
「みゃっ!!」
「あっ、起きましたね。どうですか身体の調子は?」
「うっ、
ちょっと待って。なんかきもい事になってるんだけど!?言おうとした言葉と違う言葉が出てる。
「ふふふ、新薬の名は『一週間猫語でしゃべール!!』その名の通り、一週間、あなたは猫語が抜けなくなります。何を話そうとしても常に猫語です。あとついでに服も僕が指定したものしか着られないように作ってます。今日の服はこちらです」
そういってシイラは姿見を出した。姿見に映った俺の姿は、クラシカルなメイド服を着せられ、首には可愛らしい鈴のついたチョーカーが付けられた猫耳メイドだった。
とりあえずシイラが言ったことが本当かどうか確認するために、脱ごうとすると突然力が入らなくなり服を脱げない。マジかよ。そんなのありかよ。
「ちなみにそのメイド服には多数の暗器を仕込んでますので、是非そちらも使ってみてください。これは別に強制ではないので自由にしていただいていいですよ?なるべく使ってくれると嬉しいですけどね」
笑顔の圧よ。つまり『危険な敵でない限りは暗器を使え』ってことでしょ?まぁ使えないこともないからいいけどさ。ただ流石にメイド服で暗器を使うのは初めてだよ。
「良く似合ってるぞソフィア。可愛いぞソフィア。最高だソフィア(儂の嫁が可愛すぎる!)」
「にゃ、にゃん?ありがとう、だにゃん??」
「ブッフー!!!」
何急に鼻血出してるんだよ。グレースお前バグってるけど大丈夫か?模擬戦した後からずっとおかしいぞ。
「あら~^」
「そ、そういえばギルドから新しい依頼を受けてきたのにゃ。シイラにも共有するにゃ」
何やらおかしな空気になってきたので、依頼の話で強引に流れを変える。
「なるほど。つまり明日の朝、冒険者ギルドに向かえばいいんですね。で、それまで時間が余ってると。グレースさんグレースさん。ソフィアさんにして欲しいことありますか?今なら罰ゲームということで色々やってもらうことができますよ?」
「なぬぅ!?そ、それをもっと早く言わんかぁー!」
「えっ、あっ、ごめんなさい?」
もう最初から罰ゲームでこういうことしてるんだよって言ってた気が。もしかして罰ゲームが何かわかってなかった?・・・いや、単に意識してなかっただけだな。何かいまのグレースはテンションがおかしいし。
「はっ!そそ、そしたら、その、ひ……」
「ひ?」「みゃ?」
何かを想いついたようだが、急に指をツンツンさせ、顔を真っ赤にして恥ずかしがるグレース。もしかしてエッチなことを考えてるとかじゃないよな?
「膝枕をして欲しいのじゃ!!」
「あら~^(なんてピュアな子!これじゃ欲望駄々洩れの僕が恥ずかしいじゃん!)」
「わ、わかったのにゃ。ここに来るのにゃ」
「やったー!のじゃ!むふふふー!」
膝枕くらいならということで、ベッドに座りグレースの頭を俺の膝に乗せる。なんかマジで小学生って感じじゃん。可愛いかよ。
「ふふっ、とても嬉しそうですね。では僕は外に行ってきますので、お二人はごゆっくりどうぞ」
シイラはそういって部屋を出ていった。
「の、のうソフィア。つ、次はマッサージをしし、してもらえるかの?」
「了解だにゃ。横になるのにゃ」
シイラが出ていった後もグレースの要望は続いた。膝枕、マッサージ以外にも、ご主人様と呼ばされたり、背中を流すよう指示されたり、あーんさせられたりと、色々なことをさせられた。そして夜は添い寝を頼まれた。抱き枕の如くガッシリとホールドされた俺は、身動きが取れないまま長い夜を過ごしていった。
ちなみにシイラから後から聞いた話では、同室にいたシュロウはこの様子をとても冷めた目で、それはもう帰ってきたシイラがビックリするほど冷めた目で眺めていたそうだ。
……すまん、シュロウ。お前の存在忘れてた。
——―あとがき—————
本当は依頼を進めるところも書く予定だったんですが、キリが悪かったので一旦ここで切ります。次から子供を護衛したり育成したりする話を進めていきます。
っていうか存在を忘れられたまま、二人のイチャイチャシーンを昼から夜までずっと見せつけられたシュロウくん可哀想すぎる(´・ω・`)
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