5冊目 『フクロウが来た ぽーのいる暮らし』

『フクロウが来た ぽーのいる暮らし』

苅谷夏子 著 筑摩書房 出版


 今回もフクロウに関するエッセイをご紹介。

 近所にふくろうカフェができたことを知った作者は、その店を訪れて魅せられ、常連となります。店に通っていると、ある日、とあるきっかけでフクロウを飼うことに。フクロウと暮らす日々や、カフェにやってくる人々との日々が書かれたエッセイです。


 前々回紹介した『フクロウのいる部屋』とつい比べてしまうのですが、本作のフクロウや作者はよりアクティブな印象を受けました。家の中で放し飼いにされているのはもちろん、時には腕に繋いで外へ出掛けたり(据え回しというそう)することもあるそうです。街中でフクロウを手にした人が歩いていたら、そりゃ驚きますね。


 また、本作は、ふくろうカフェに訪れる人々にも焦点を当てていて、さまざまな動物好きさんの一面を見ることができます。店主はフクロウだけでなく、鷹とも共に暮らしているので、鷹狩りを見学しに行ったときの様子は、圧巻でしたね。


 本作のフクロウの名前は、「ぽー」。ウラルフクロウとモリフクロウのハーフだそうです。ハーフというのは珍しいそうですが、実際にいるんだとこれまた驚かされました。


 フクロウとの日々は、驚くこともあり、楽しいこともあり、癒やされることもあり。やはり、動物とともに暮らしている人の特権でしょうか。さまざまなことを教わりながら、家族の一員となっていくようです。


 このようなエッセイを読んでいると、やっぱり、ペットが飼いたくなりますね。フクロウは、無理かもしれないけど、小鳥なら……。しかし、我が家の近くにはペットショップがありません。もしも、近所にこんなふくろうカフェがあったなら、私の人生も変わっていたのだろうか……。そんなことを思ってしまいます。


 今回も楽しい読書体験でした。

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