第71話 関わらんとこ


「ド――ドラゴン……!?」


 我が耳を疑った。


 ドラゴンを取引した?

 あのディルクが?


 嘘でしょ!?

 なんで!?


 あんなに調教師テイマーをコケにしてたのに!?


「ち、ちなみにどんなドラゴンを取り寄せたんだ……?」


「そこまではわからなかったわ。ただ”少し変わったドラゴン”とは聞いたけど……」


 ”少し変わった”――?


 なんだろう、ドラゴンなんて他種モンスターに比べたら大なり小なり変わってるのしかいないけどな……。


 皆個性的で素敵……。

 うへへ……。


 って違う違う!

 ああもう、ドラゴン絡みになるとどうしても思考が逸れる……!


 実際ドラゴンは魅力的だから仕方ないけど……!


「……また"ドラゴンってやっぱり魅力的だよね"とか思ってるでしょ」


「ち、違う! いや違わないけど! でもドラゴンは魅力的だろ!?」


「きゅーん♪」


 わーい、嬉しい♪

 とドラゴンを褒められて嬉しいスピカ。


 うん、かわいい!


「オ、オホン! ところでドラゴンを生きたまま取り寄せたってことは、飼育するつもりってことだよな?」


「まあそうでしょうね……」


「ディルクたちにドラゴン育成なんてできるのか?」


「できるワケないと思うけど。だってフェルスト家の人間と言えば潔癖で、モンスターに触れるのさえ嫌がることで有名なのよ? そのせいで私たちアリッサム家とも仲良くないし」


「……なんか、微妙に嫌な予感がしてきたな」


「関わらないのが吉でしょうねぇ。まあ私たちに直接関係する話じゃないし、放っておきましょ」


 ロゼはそう言うと、クローディアとフレンにも挨拶するために俺から離れていった。


 ……直接関係ない、か。


 そうだといいけど。


「……ま、考えてもしょうがないよな」


 怪しさはあるけど、やっていることはあくまで大貴族と大店おおだなの取引。


 別に犯罪でもなんでもないし、俺たちに関与できることはない。


 ロゼの言う通り、放っておくしかないんだろう。


 それより――今俺がやるべきことは、クローディアたちを次のステップへ進ませることだ。


 俺もクローディアたちの下へ赴き、


「クローディア、ちょっといいかい?」


「? はい、なんですの?」


「フレンはかなりいいところまで育ったと思う。だからそろそろ――”ダンジョンデビュー”といかないか?」



==========


名前:フレン

種族:ワイバーン

性別:おす

年齢:0歳

レベル:5


体力:120

攻撃力:56

防御力:22

素早さ:80

知能:15


属性レベル

〔炎〕Lv:0

〔水〕Lv:0

〔風〕Lv:1

〔土〕Lv:0

〔光〕Lv:0

〔闇〕Lv:0


親密度:20(クローディアとの)

魅力:10


性格:勇敢


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