第14話 初めてのボス戦


「――! ボス・スライム!」


 まさかのダンジョンボス登場。

 流石に俺は驚いてしまった。


 確かにここはボスエリアの近くだけど、向こうからエンカウントしてくるなんて。


 流石に、なにからなにまでダンプリと同じってワケじゃないのか。


「ぶるん……ぶるん……」


「きゅ、きゅーん……」


 ボス・スライムの巨体に怯えるスピカ。

 体積だけなら彼女の数倍はあるのだから、怖がるのも無理はない。


 ――しかし、所詮は見掛け倒しだ。


 いくらデカくても、奴はチュートリアルダンジョンのボス。


 スピカのステータスなら負けるはずがない。


「スピカ、落ち着いて。キミなら勝てる」


「きゅーん……?」


「ああ、俺を信じろ」


「…………きゅーん!」


 ……うん、わかった!

 と勇気を出した彼女は、戦う意志を見せてくれる。


 初のボス戦だ。


「ちょ、ちょっと! 大丈夫なの!?」


「スピカなら勝てる。それとも、彼女を信じてあげないのか?」


「そ、そうは言ってないけど……!」


 不安がるロゼ。

 だがそんな心配を余所に、スピカが戦いの火蓋を切った。


「ぐるるる……ぎゅーん!」


 口から〔ファイヤ・ブレス〕を吐き出す。


 ビームはボス・スライムの巨体に直撃して爆発。


 並のスライムならこれで勝負ありだが――


「ぶるん……」


 ボス・スライムはぷるんとした身体を保っている。


 ――奴の先天属性は〔水〕。


 〔炎〕属性の技である〔ファイヤ・ブレス〕では致命的なダメージを与えられないようだ。


「きゅ、きゅーん……!?」


「スピカ、焦っちゃダメだ。まだは残ってるだろう?」


「きゅ……?」


「さっき習得したばかりじゃないか。――〔光〕属性の必殺技を」


「! きゅーん!」


 そうだった!

 ――とスピカは冷静さを取り戻す。


「ぶるん……!」


 今度はボス・スライムが攻撃。

 身体の一部を尖らせて、スピカ目掛け槍のように突き出してくる。


 だがスピカも空中を飛び回って回避。

 そして――


「きゅるる! ぎゅーんッ!」


 全身から眩い白光を放ち、突撃。

 頭からボス・スライムへと突っ込み――巨体に風穴を空けた。


 〔コメット・アタック〕。

 全身を〔光〕属性の魔力で包み、突進を繰り出す技。


 これも初歩的な技の一つだけど……ドラゴンであるスピカが使えば、ボス・スライムへも十分有効な攻撃となる。


「ぶる……ん……」


 致命の一撃を受けたボス・スライムは、そのまま消滅。


 この戦い、スピカの完全勝利だ。


ピコン!



〔〔ボス・スライムを撃破!〕〕


〔〔経験値を取得〕〕


〔〔レベルUP!〕〕


〔〔各ステータスが上昇〕〕


〔〔親密度が10上昇〕〕



 ボス・スライムを倒したことにより、スピカはレベルUP。

 さらに親密度も上昇。


 俺たちの絆が深まったってことだな。

 こんなに嬉しいことはない。


「きゅーん! きゅーん!」


「やったなスピカ! 凄いぞ! やっぱりキミは最高の相棒だ!」


 褒めちぎって撫でまくる俺。


 親バカと言われても気にするもんか。

 頑張った子を褒めてなにが悪いんじゃい!


「本当に凄いわスピカちゃん! ボスを倒しちゃうなんて、感動!」


 俺と一緒にスピカへ抱き着くロゼ。


 気持ちはわかるぞ。

 嬉しいよな。


 ……だけど俺にも身体を押し付けてくるのはやめて。

 モブには刺激が強すぎる。


 

 ――そんなこんなで、俺たちは『スライム洞窟』を攻略。


 無事スピカのダンジョンデビューを終え、三人仲良く帰ったのだった。



==========


名前:スピカ

種族:ホワイト・ドラゴン

性別:めす

年齢:0歳

レベル:5


体力:50

攻撃力:30

防御力:15

素早さ:45

知能:35


属性レベル

〔炎〕Lv:2

〔水〕Lv:0

〔風〕Lv:0

〔土〕Lv:0

〔光〕Lv:2

〔闇〕Lv:0


親密度:20

魅力:35


性格:甘えたがり


==========


新連載です!

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『転生モブ子爵の0歳から始める努力&無双 ~魔術が使えないとバカにされる田舎貴族に転生したけど、赤ちゃんの頃から努力したら王国最強の"呪言使い"になってました~』

https://kakuyomu.jp/works/16817330658674188001

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