第2話:ルカ 第5章
「えっ、レフ!?」
すっかり冷えてしまった夕食を、祖母の魔法で温め直してから、改めて美味しくいただいた後。自室に戻ったルカは、慌ててベッドに駆け寄った。
拾い上げて
――しかし、なぜ落下などしていたのだろう。昼過ぎに出掛けた時は、いつも通りサイドボードに座らせていたはずなのに。もしかしたら、
「…………」
つぶらな瞳をじっと見詰めてから、ルカは思わず、鼻の先をレフのおでこにちょこんとくっつけた。可愛さのあまりの行動だったが、テンションが上がっていたというのも否めない。祖母に
ベリンダは、ルカを斥候隊に正式に加入させるにあたって、1つ条件を出してきた。
『闘う力のないあなたを守ってくれる人を、私以外にあと3人連れて来ること』
それならば、充分に当てはある。ベリンダはきっと、既にルカの成長を認めてくれており、この
「――よし!」
己を鼓舞するように声に出して、ルカはレフをサイドボードの定位置に戻した。乱れてしまった
――明日から、早速スカウトだ!
希望とやる気にメラメラと心をたぎらせながら、ルカはひとまず入浴を済ませるべく、部屋を後にする。
その様子を、レフのスチロール製の無機質な瞳が、じっと見詰めていた――。
第2話 END
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