第4話 スマホでチャチャと

 朝からワイドショーを観ている。仕事に行く時間!というのがないので、のんびり観ている。参加型というのか、リモコンのdボタンを押して回答するクイズをやり始めた。ポイントを貯めると賞品に応募できる。

『回答はCMの後で』と言う。あぁそうか、みんなスマホでチャチャと調べるのか。


 みんな、と書いたが、私と夫は調べない。乏しい知識をしぼって考える。クイズの前の会話にヒントがあるよ、聞いていよう、なんて楽しんでいる。正解率は7割位。

そんな難しいクイズではない。


 いつでもどこでもみんなスマホでチャチャと調べる。会社員時代、上司から唐突に或る選挙事務所に陣中見舞を届けるように言われた。ぼやっと頭に浮かんだ絵面は、酒樽か、一升瓶2本が器用に紐で結んであって2本を包むように熨斗が巻いてあるやつ。何を贈る?熨斗はなんて書く?会社から政治家への支援って注意することがあるよね? はてなで一杯になった私は長老OLにお伺いをたてようとした。


 すると、隣席の後輩がスマホでチャチャと調べた。熨斗の見本もあるし、ダウンロードすればパソコンで印刷できる。おかげでチャチャと手配はできたが、モヤモヤが残った。やはり長老に聞いたほうが良かったのではないか。地方選挙でもあるし、受け継がれるやり方があったのではないか。そもそもこういう時こそ、お知恵を拝借と長老の顔をたてるべきではないか…。こう思うのは私が齢なのかな。


 スマホでチャチャを不快に思うことがある。雑談中、単なる雑談である、出た話題をその場でチャチャと調べるのが気にかかる。どうして不快に思うのか、本当なのかを確認しているような感じがするから。画像など多くの情報を調べて話を盛り上げようとしているのかも知れないのだが、まずは話を聴こうよ、と思ってしまう。だが、頻繁にみられる光景なので、私以外は不快ではないのだろうな。


 そもそもスマホでチャチャという言い方が、齢なのかな。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る