第27話
拠点には、湖から少し離れた所に家が立っている。フジイチが玄関をくぐると、家の裏口と繋がっており、家の中の薪コンロの隣に出た。その裏口から表に出ると、今度は拠点の外に出られる。
(なるほど、ここからでも拠点の魔物を連れ出せるのか)
試しながら何回か出入りを繰り返す。裏口を開けたままにしておくと、家の裏側の風景を映していて、拠点を他人に分からないようになっていた。そして、外の裏口からはそのまま家に入れる事も確認が出来た。
それからフジイチは納屋にあった肥料と畑の土を混ぜ、良質な土にしてから、納屋にあった麻袋に詰めてアイテムボックスにしまった。それを拠点に持ち込みスプークに渡す。
スプークは喜び、麻袋に入った土を持って、地面に潜った。潜った所から湖の近くの土以外の色が黒みがかった茶色に変わっていく。
要求を満たしたことによりダンジョンにクレジモグラが加わった。
次は拠点にクラクラゲとナキカモメ、ホウボトビを出現させた。
クラクラゲはジェリー。ナキカモメはガル。ホウボトビはグラナーと命名する。ジェリーはふわふわと湖の中を優雅に泳ぎ、ガルは空高く飛ぶ。グラナーはピョコンピョコンと水面から顔を出しながら湖を進んでいった。彼らが要求したのはカラフルな石、枝、サングラスだった。
「さ、サングラス!?」
グラナーの予期しないアイテムに声を上げて驚いた。
フジイチは、そのあと、ダンジョンの管理画面を開く。すると、ダンジョンはレベル13になっており、ダンジョンポイント(以降DP)というものが追加されていた。DPを消費する事でいろいろ出来るようだ。
階層は地下2階になっており、1階層はかなり広くなっていた。魔物の数は1種類につき20匹で打ち止めになっている。
ダンジョンにいる魔物のレベルは最高でケルピーの25レべとかなり高くなっていた。
(ポイントはまだ貯めておこうかな)
DPはレベルが1上がるごとに100DP貰え、フジイチが所持しているポイントは1200DPだ。
DPで出来る事は土地を広げたり道を増やしたりするのに100P。階層を増やすのに1000P。宝箱設置は2000P。環境変更は3000P。セーフティの階層で10000Pだ。
まだフジイチはやりたい事が見つからなかったので、今回は見送る。
フジイチが一通り、拠点の中での事を終えると、レイミャーコから連絡が入った。
『順調にレベル上がってる?』
『うん』
『あれから転職した?』
『したよ』
『何に?錬金術師?』
『農家』
『マジで?』
『うん』
『今から会おうよ。何処にいる?』
その質問に『ドラアド』と答えると、『すぐに向かう』と返ってきた。
フジイチも拠点から家に向かい、家の外でレイミャーコを待った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます