第25話

 ポラリスが帰ってくるまで、フジイチは畑の種まきを手伝っていた。


「兄さん!フジイチさん!!」


 アブラットから帰ってきたポラリスがあぜ道から手を振っているのを、二人は気が付き近くに寄っていく。

 ポラリスがフジイチを《鑑定》して、聖職者から農家になっていることを確認した。


「フジイチさん!農家に転職したんですね!おめでとうございます」

「ありがとうございます」

「これ、お祝いにあげますね」


 フジイチがポラリスからもらったアイテムは、麦わら帽子、日焼けしないTシャツ付きサロペット、ドロ避け長靴だ。

 フジイチは早速、着替える。メガネは変えていないので、ポラリスやディッパーよりも田舎臭さがある。


「うん、凄く似合っていますよ!カワイイです!」

「うん、まぁ、いいんじゃないか?」


 ポラリスは手をパチンと手を合わせて褒めるが、ディッパーは苦笑する。ディッパーはそのアイテムが妹のおさがりだというとを知っていたが、口には出さなかった。

 フジイチは洋服にあまり興味がないので、言葉通りに受け止め、「ありがとうございます」と、頭を少し下げた。


「それじゃあ、冒険者カードを貸してもらえますか?」


 ポラリスに冒険者カードを渡した。

 ポラリスは、ポケットに入っている四角い石のような物を取り出した。そこにカードを翳すと、カードは、一瞬だけ虹色に彩られ、また元に戻る。冒険者ランクFと書かれた欄の下に農業ランクFと記入された。


「ランクが上がれば、土地を広げたり、他の地域の土地を購入することも出来ます。ランクの上げ方は、基本的に生産品を納入してもらえば、ゆっくり上がりますから気長にお願いします」

「はい、分かりました」


 返されたカードをフジイチは興味深そうに眺める。


「それで土地の場所ですが、どこか希望はありますか?」

「あー、いいえ、無いです」


 ポラリスに尋ねられ、横に顔を振る。


「そうですか?なら、育てたい植物とかありますか?」

「んー、ジャガイモとか?育ててみたいです」


 ポラリスはコクコクと頷いた。


「なら、このドラアドの村か、アレンドの村が良いかもしれないですね。アレンドはアブラットから結構遠いので、希望すれば、アレンドに私が送って、そこから近くの農業ギルドが支援を受ける事が出来ます。もしこの村なら、私達兄妹がフジイチさんの支援をします」

「この村にします」


 フジイチが即決すると、ポラリスは嬉しそうにニッコリと笑い、ディッパーも口元の上げた。

 フジイチが即決した理由は単純に、他の場所に行くのが億劫だった為だ。


フジイチ

職業 農家(偽装中ダンジョンマスター)

レベル 20

 HP(体力)   242

 MP(魔力)   262

 STR(力) 49

 VIT(生命力) 72

 INT(知力)   53

 DEX(器用さ) 59

 AGI(素早さ) 59

 MND(精神力) 78

 LUK(幸運)   1

 EXP(経験値) 0/300


魔法

 ファイア  レベル10

 ウォーター レベル10

 アイス   レベル10

 ウィング  レベル10

 ダーク   レベル10

 ライト   レベル10

 クリーン  レベル10

 ヒール   レベル10


スキル

 貯蓄(運)  レベル2

 魔法基礎  レベル10

 鑑定    レベル4

 短距離射程 レベル4

 魔法分裂  レベル4 


隠蔽中

 特殊スキル

 拠点作成 レベル2

 魔物育成 レベル1

 ダンジョン作成 レベル2


 アイテム

 初心者の服

 初心者の靴

 初心者の杖

 魔法使いの帽子

 聖者の帽子

 聖なるローブ

 軽快なブーツ

 解体用ナイフ

 ハーブ草×99

 ハーブ草×45

 オレンシ×20

 リンコ×10

 ホウボトビの魚肉

 ナキカモメの鳥肉

 クラクラゲの羽衣×2

 MP回復薬(悪質)×50

 HP回復薬(上質)×10

 MP回復薬(上質)×10


装備中

 右手 曇りなき杖・・・INT+5、DEX+5

 頭  麦わら帽子・・・DEX+5、MND+5

  日差しを避けることのできる帽子 製作者 なし

 顔  瓶底メガネ・・・複数ターゲット捕捉

 体  日焼けしないTシャツ付サロペット・・・VIT+20、MND+20

  絶対日焼けしたくないアナタに 製作者 ケイ

 靴  泥除け長靴・・・AGI+10

  泥が付かなくなる。畑仕事に最適! 製作者 ノンビリー

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