8月19日 夏休み、隣の席の女の子の友達とプールに忍び込みました。

「今日はプールに行くぞ~!」


俺が起きるとすでに和奏も栞も起きていて、そんなことをいきなり言ってきた。


「プール?この時期は人が多いから、和奏がいると難しくないか?」


俺は栞にそう尋ねると、彼女はチッチッチと人差し指を立てて否定してくる。


「大地はまだまだですね。この時期に全く使われないプールが一つあるのですよ。今日も貸し切りです!」

「そんなプール本当にあるのか?和奏知ってるか?」

「私も知らないけど、栞ちゃんがプール行くって言うから楽しみ!」

「ほら、早く準備して出発するよ。」


そうして俺たちは栞に連れられて貸し切りと言われるプールに向かって出発したのだ。


見慣れた道を歩いていると、栞が「ここだ~!」と指を指した。


「は?ここ、学校だぞ?」

「はい!この時期使われないプールってここしかないでしょ。」

「それはそうかもだけど……。許可とか取ってるのか?」

「…取ってないけど、大丈夫でしょ。ね、和奏ちゃん。」

「そうだね、私は見えないし大丈夫だと思うよ。」

「それは和奏だけだろ。」

「それじゃあ、行くぞ~!」


栞と和奏は俺の言葉を無視して、プールの場所まで向かって行った。

俺も渋々ながらも、来てしまったために引けずに水着に着替える。


「なんだよ~、大地も乗り気じゃん!」

「うるさいよ。」


更衣室を出ると、早速栞が話しかけてくる。

その恰好は白のビキニとプールでは当たり前だが、俺には少し目のやり場に困りるものだった。


「あ~、今見たでしょ。和奏ちゃん、大地がいかがわしい目で見てくる~。」

「見てないって。」


栞の後ろにいた和奏の格好はいつもと変わらず、制服だった。

その手にはビーチボールが握られていた。


「これやろうよ!」


そうして、俺たちは忍び込んで、競争をしたり、ビーチボールを使って遊んだり、鬼ごっこをしたりと遊んでいるということを忘れて日が暮れるまで思いっきり遊んだ。


最後までバレることなく遊びつくして、俺たちは帰路に就いた。


「栞は泊まるの、今日までなんだよな?」

「うん、さすがに明日学校だから帰るよ。」


その言葉に和奏は少し寂しそうな顔をした。


「また、いつでも泊りに来てもいいからな。」

「ホント!?ありがと。」

「それに、和奏が泊まりに行くって手もなくはないからな。」

「いいの!?」

「そんなの、俺に止める権利はないし、栞なら安心できる。」

「それじゃあ、今度家に泊まりにおいでよ!」


その言葉に和奏は大きく笑顔で頷いた。


そうして、お泊り会は終わりを告げたのだった。


――――――――――――



残り12日。

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