第6話 兄妹が増えます

 無詠唱魔法を取得する前のこと


「あのね。お父さんには伝えたんだけど。ロベル、私、また妊娠したの。」


「え、お母様。本当ですか。」


 あー。やっぱ貴族口調めんどくせぇ。ギルド行きてぇ。ラフな会話したいよ。


「そうよ。今度はどんな子になるかしら、カリアはまだ幼いからわからないけど。ロベルみたいに才能があったり、しっかりした子が弟なら産まれてほしいわね。」


「そうですね。」


 弟なら剣術の才能があって欲しいな。魔法だったらアイデンティティが消えかねない。

 いや、どこぞのピンク髪隠キャ女みたいな思考するな。もう隠キャじゃないんだ。異世界転生すれば脱隠キャできる!

 こんな思考してるから隠キャなんだろうな。人見知り隠キャだったわけではないけど。


「妹。妹ならどんな子がいいかしらね。」


「んー。やっぱ好きな人と結婚して欲しいけど、勉強はしっかりやれる子だといいかな。」


「そうね。」


「あー。ん?兄!兄、遊ぼ!遊ぼ!」


「行ってきなさい。かなりわがままになっちゃったからね。しっかり遊んできなさい。」


「はーい。じゃあ、庭に行こうか。」


「ん!」



〜〜〜〜〜



 結界魔法の汎用性の高さに気づいたり、無詠唱魔法で乱獲をしてキメてたりした数ヶ月後


「お母さんがんばって!」


「カリア、頑張るから、ん。」


「奥様、落ち着いて。深呼吸ですよ。」


「ふー。ふー。」


「カリア、静かにね。」


「うー。応援しないと。」


「分かるよ、その気持ち。だけど集中させてあげないと。」


「はーい。」


 双子ね。前世は一人っ子だったからね。よくわからんのよ。どうしたらいいのか。まあ、弟ができるのは嬉しい。妹が増えるのはどうしたらいいか困るけど。



〜〜〜〜〜



「えーん!」


「みなさん生まれましたよ。かわいい男の子と女の子です。」


「カリア。妹だよ。」


「妹!小さい。」


「そうだね。」



〜〜〜〜〜



 1年半後


「兄さん。魔法教えて。」


「カリア。それは来年から教師に来てもらうんだからいいだろ。」


「驚かせてやりたいのよ。」


「別にそんなことしなくていいと思うけど。」


「兄!姉!おままごと!」


「はいはい。」


 もうやだよ。何年やるんだよ。うう。

 それよりも魔物討伐。増えて切るから魔物が。


「早く早く!」


「兄上、鬼ごっこしましょう!」


「何よ、バルト。私の方が先に誘ったんだから私が先よ。」


「ロマリアはそうやって遊びすぎ。今日くらい僕と遊ぶ」


「ははは。」


「そういえばもうすぐで兄さんの誕生日でしたよね。」


「ああそうだね。6月6日だからちょっと早いかも。」


「何か食べたいものとかありますか?」


「んー。」


 この世界にも誕生日プレゼントの文化はあるけど、歳を引きづらないように消耗品とか料理を揚げる文化がある。


「元気が出るようなものが食べれるといいかな。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る