Day 17

9月24日 金曜日


「今の生活圏、狭くなったと思わない?」

カフェを閉店する前に、藝翔が私にそう尋ねた。

特に何も感じていなかった。

というのも、学生時代も社会人になってからも、

私にとって交友の輪は、いつもとても狭かったからだ。

人とすぐに馴染めるような人間ではない。


それでも、私は「確かに狭くなった」と答えてしまった。


藝翔は、ずいぶん長い間好きな人がいないと嘆いた。

私が最後に彼氏ができたのが、高校生のときだった。


標本展に行って以来、

藝翔から二人きりで誘われることはなかった。


どうしてまた藝翔のことを話したのだろう?

私、彼のことが好きなのか?


それとも……

寂しいだけなのだろうか。

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