7、服を脱いだ先の光景は……?
「ゆ、優香……?」
「総一君……。総一君、総一君、総一君……」
──ぎゅぅぅぅぅぅぅぅ!
優香のハグは俺の名前を呼びながら力を緩めない。
力強く抱かれる度に彼女の匂いの虜になっていくように、満足度が上がっていくことを自覚してしまう。
「ブレザー、Yシャツ、ブラ。胸までに3層あるのに総一君の顔の温度が上がっているのが伝わってくるよ……」
「っっっ……!?」
「あんっ!あんっ!総一君の息を吐き出したところがすーっとする……」
清楚で大和撫子なクラスメートがトロトロした鈴を転がすような母性すらある声にかぁぁぁと顔の体温がリアルタイムで上がっていく。
彼女からも伝わってしまっていることに変な興奮すら覚えてしまう。
俺のすぐ近くにこんな子が居たなんて!と、鈍感な自分を殴りたくなる。
「ね、ねぇ総一君」
「ん……?」
「しよっか……。ね?」
耳元から掠れた声で囁かれる。
こんなの断れるわけないじゃないか……。
ついさっきまで好きでもなんでもない桐原さんだった優香から、誘われただけでその気になってしまう自分は流されてしまう。
「今すぐわたしを好きになってなんて傲慢で都合の良いことは言わないよ……。でも、好きになるきっかけとしてセッ……をしよう?」
「う、うん……」
好きになるきっかけでセッ……をするか……。
本末転倒な気もするが、優香本人がそう言って誘ってくれているのだし乗っかってみよう。
優香のハグから解放されて、顔を上げる。
彼女のフェロモンたっぷりの甘い匂いから酸素を取り入れると、これからヤルという自覚が沸いてくる。
「はじめて、だよね?」
「う、うん……。恥ずかしいけどはじめて……」
「恥ずかしくないよ……。だってわたしもはじめてなんだから。はじめてとはじめてだよ」
「そ、そうだよね!」
お互いはじめてだったら上手いも下手もわからない。
本当にヤってしまって良いのかの葛藤をしていると優香から手を引かれる。
「あっちがシャワーかな?」
「…………ん」
頷くとそのまま場所を把握したのか、自分のアパートの部屋をはじめて部屋に上がった優香に案内されるという奇妙な展開が起こる。
洗面所兼脱衣所になっている部屋に着くと、お互い無言になりぬぎぬぎと服を脱いでいく。
ブレザー、Yシャツ、アンダーシャツと脱いでいき上半身裸になる。
ふっと優香へ目を向けると、めちゃくちゃ俺へ視線を向けていた……。
「あ……。ごめん……。総一君が気になり過ぎてまだ全然脱げてなかったね……!」
「ゆ、ゆっくりでいいよ!ゆっくりでね!」
「ぅぅ……。ゆっくり優香でごめんなさい……」
「ゆっくりに名前を付けると途端にゆっくり魔●沙だね」
「え?」
「な、なんでもない……」
緊張のあまり変なくだらないことを口にしていた。
完全に滑ったギャグだが、優香が聞いてなかったのが幸いである。
「ん?なにを言ったの?」
「なんでもないって!」
「気になるんだけどぉ!ゆっくりがどうこう言ってたじゃん」
「ゆっくり脱がれると緊張するって……」
「ちょ!?そ、それは恥ずかしいよ!」
か、可愛い……!
ゆっくり着替えというチラリズムもされて、感情の高鳴りが止みそうにない。
「(この総一君の上半身裸を1人で独占しているというシチュエーションが最高。ふふふ、総一君をわたしだけに依存させたい……。ま、まだ早いわよね。こういうのもゆっくりが大事だから)」
「じ、じろじろ見られまくってズボン脱げないんだけど……」
「ご、ご、ごめんなさい総一君!」
ベルトをずっとチャラチャラ鳴らすだけで取り外せなかった。
ベルトの金具部分が動く度に優香も反応するものだから中々踏み出す勇気が出せなかった……。
「じゃ、じゃあわたしも脱ぐからね」
「う、うん」
「んしょんしょ(『ゆっくり脱がれると緊張する』って言ってたから焦らされるのが好きなのかな?総一君の視線をわたしだけのものなんて……。ふふふふふふ)」
優香のYシャツのボタンが1つ1つゆっくり脱がされていく。
脱ぐ度に桃色のブラがチラッと目に入ってくる。
うっ……!
やべぇ、息子が息子が……!
この愚息がっ!
下半身のアレがパンツをパッツンパッツンにさせる。
こ、こんなんでズボンもパンツも脱げるか!
ブラだけで何反応してんだ俺っ!?
「んしょんしょ」
「っっっっっ!?」
「んしょんしょ(めっちゃ立ってるなぁ……。わたしだけに興奮してくれてる!もっと見て、もっと見て。総一君のためにまだ誰にも見せたことない裸なの!)」
ブラのホックを外す仕草だけで、童貞の刺激はあまりにも強い。
女の子のブレザーの中身ってこうなってんだ……。
見てはいけない秘密の場所に連れて行かれた気分になる。
こ、これが男子嫌いで有名な桐原優香の裸体なのか……!
これが見たいだけに何人の男子が撃沈したのか……。
その光景を俺のアパートの部屋で繰り広げられている。
「取れた……」
「あっ!?」
「ど、どうかな総一君?総一君好みかな……?」
大きいバスケットボールみたいな2つの膨らんだ胸がついに露出される。
2人揃って上半身裸になりながら、お互いの頬はリンゴのように真っ赤になっていた……。
つ、次は下半身なのか……。
第2ラウンドまで用意されている展開に、心が追い付かない……。
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