シン百人一首殺人事件

1話

「そうだ、京都へ行こう」

 gift本部に着いた途端、紫子は、そう言った。

「京都?」

 憂は猫のブチの相手をしながら聞き返す。

「ええ、京都です。僕好みの不思議な事件が起きまして」

 紫子はgiftのグループラインに「緊急招集! いざ京都へ!」と書き込んだ。

 一分も経たないうちに既読が付き、「紫子ちゃんと京都旅行! 絶対行くわ」と返信が来た。

 和泉だ。紫子発信の時だけ、異様に返信が早い。

 秋人「京都はちょっと……。烏丸さんはどうします?」

 烏丸「ちょっと仕事が立て込んでて、今回はパスします。申し訳ありません」

 秋人「なら僕もパスで」

 宮沢「いつから行くの?」

 紫子「今日です」

 宮沢「あ~、ダメだわ。普通に授業ある。お土産よろしく」

 連太郎「すみません。僕も授業があります」

 川端「俺と潤は暇だから参加で」

 潤「おい、何でお前が僕のスケジュールを把握してるんだ⁉」

 十分後

 潤「おい、川端、黙るな」

 紫子「では参加者は僕、憂さん、和泉さん、川端さん、小鳥遊さんということで」

 潤「おい」


「それでは行きましょうか、憂さん」

「ブチどうしよう?」

「以前行った動物病院がペットホテルもやっているそうですよ」

「じゃあ、そこに預けて来ればいいか」

 憂と紫子は準備をして東京駅へ向かった。


 新幹線の改札口を集合場所とし、二人は待合室で待っていた。

「紫子ちゃん、お待たせ」

「和泉さん」

 それから30分程して川端と潤が現れた。

「遅いわよ。男なんて準備に時間かからないでしょ」

「すまない。潤がごねてて」

「仕方なくだからな、本当に仕方なく、付いて行くんだからな!」

 その割には、しっかりトランクケースを引きずって準備万端だ。川端は大きなリュック一つで来ている。

「揃いましたね。待ち受けているのは事件ですが、早めに解決して観光しましょう」


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