現在、WBCの影響で野球が盛り上がっていますが、女子の野球について、みなさんどのくらい知っているでしょうか。
実は女子野球にも世界大会があって、日本はなんと6連覇もしている超強豪国。にも関わらず、男子と比べてなんだかマイナーなイメージはありませんか？

そんないまひとつ盛り上がれない女子野球ですが、情熱を燃やす子だってちゃんといるのです。
と言っても、いきなりプレイボールというわけにはいきません。

舞台は、大企業のご令嬢が何人も通う全寮制の女子校、聖ヒルデガルド学園。ここに野球部を作ろうと、一人の女の子が立ち上がりました。
とはいえ簡単なことではありません。女子野球の影が薄いのはこのお嬢様学校でも同じですし、野球をするには1チーム最低でも9人は必要です。〇人いないと部活として認められないなんて設定はよく聞きますが、この人数を揃えるのはかなり厳しいです。

はたして無事野球部はできるのか。気になるところですが、実はこの物語はまだ序章。ここから連作短編として、いくつもの物語が展開されていくのです。

個性豊かなメンバーが、野球を通じてどのように成長していくのか。
野球にかけるお嬢様方の青春を追いかけていきましょう！

聖ヒルデガルド学園は、たくさんのお嬢様が通う全寮制の女子校。
部活動も盛んで、クロケットやチェスを嗜む女の子も多い中、主人公の松蔭寺藍奈のルームメイト、仰木叶愛が女子野球部を作ると言い出した事で、彼女の周りは慌ただしくなっていきます。

女子が野球をやるなんておかしいでしょうか？　いいえ、そんなことはありません。男子が楽しんでやってることを、女子がやってはいけない理由なんてありませんもの。
しかしなかなか理解を得られずに、部員集めは難航。
はたして無事に女子野球部を作ることができるのか。

本作はシリーズものの第一弾になっていて、今回だけで物語は終わらずに二作目三作目と続いていきます。
そしてシリーズを通しての大きな見所は、主人公藍奈の心の変化です。
当初彼女は女子野球部設立に関してはあまりいい顔はしなかったのですが、妹分である叶愛の頑張る姿を見て、力になってあげたい気持ちが芽生えてきて。だけどなかなか行動に移せない藍奈に、やきもきしました。

青春を野球に捧げる、女子によるスポ根もの。
野球が好きな方、女子同士の青春ものが好きな方に、おすすめの作品です。