アーカーシャチャンネル特別配信企画『埼玉県某所の食玩スーパーに迫る』

７日目

　特別プログラムも７日目。今回でフィナーレとの事だが、どうなる？

　まさか「俺たちの戦いはこれからだ！」エンドになるのか？　もしかすると「続きは劇場版で」みたいな展開になるのか？

　小説サイトで劇場版はあり得るような話とも思えないので、他サイトで……と思ったが、ガイドラインで「続きは他サイトで」のようなものは違反になるケースもある様子。

　果たして、どうなるのか？

『特価品スーパーの話題ですが、今回がラストにしておきます』

『ネタ切れという訳ではなく、情報量的な事情もありますね』

　管理人でも情報量の限界というのはあるようだ。捏造記事をアップして炎上を狙うようなスタイルではないので、自然とそうなるだろう。

　残る話題は、どの辺りなのか？

『まず最初に、例のスマホに映っていたスタンプシートについて説明したいと思います』

『これに関してはスタンプを一定数集めると景品がもらえるというキャンペーンのようですね』

『パンメーカーの春のキャンペーンと言えば、察している人もいると思いますが』

　スタンプシートの正体は、やはりというかキャンペーンのものだった。

　パンメーカーの春に行われるキャンペーンが多いのは知っていたが、ここでも……という形になる。

　さすがに、抽選パターンなのか全員プレゼントというパターンなのかは、ここで言及されなかった。

　直接店舗で確認してほしい、というニュアンスかもしれない。

『コスプレ店員募集の件ですが、これも事実らしいです。ＳＮＳなりすましなどの類ではなく』

『さすがにコスプレイヤーの撮影は店内で出来ませんが……理由はわかりますよね？』

　コスプレ店員募集も事実と発表された。こればかりは誤報や観測ミスを思いたかったが、ある意味でも明言された形である。

『これに関しては、まだ謎はあるんです。何故にコスプレをしているのか？』

『裏方スタッフは普通に制服らしいのですが、目撃証言がない以上は事実とは明言できません』

『別の機会にでも裏が取れれば、その際に改めて枠を立ててお送りする予定です』

　店の外ではコスプレ店員の目撃事例もないので、何がどうなっているのかは……こちらも謎だが。

　一方で、この店舗があるエリアはコスプレイヤーの目撃事例もいくつかあった。

　確か『オケアノス』と呼ばれる大型のアミューズメント施設があるという話で、店の位置もそれに近いのが関係している可能性もゼロではない。

　コスプレ店員の真相も、次回以降に持ち越されるだろう。

『そして、これだけのことをやっているのに利益が出ている食玩特価品スーパーですが、実際に裏があったようです』

『裏と言っても違法な事ではなく、これをご覧ください』

　管理人は冷静に中央の画面で動画を流し始めた。

　これに関しては視聴者が盗撮をした部類ではなく、このスーパーで働くコスプレ店員が撮影した物である。

『食玩を巡って、まさかの店員とお客でバトルをしております。これはＰＶではありません。特撮でもなければ、個人撮影の映画の部類でもないです』

『スーパーとしては公式のアカウントを持っていないので、ＰＶではないのは当たり前ですね』

『これが、このスーパーの正体とも言える存在だったのです』

　その昔、ライトノベルか何かで半額弁当を巡るバトルを題材とした作品があったが、それの食玩バージョンというべきか。

　まさかとは思うが、このバトルがしたいだけの理由でスーパーをオープンしたのだろうか？

　真相は配信内では判明されなかった。下手にやりすぎても該当のスーパーに客が押し寄せては逆効果、と考えているのかもしれない。

　そういったことも踏まえてか、この動画を全て流してお開きという形になったのである。動画の時間は５分ほど。

　動画の内容は食玩１つの為だけに複数の店員とサバイバルゲームを展開し、それを何とかゴール地点まで……というもの。

　ゴールはセルフレジではなく、別の場所だが。レジにしたら、それこそバトルに参加していない客にも迷惑がかかる。

　ある意味でも予想外の物を見せられた、のかもしれない。

『皆さんも、可能であればレッツVTuber、なのですよ』

　いつも通りなテンションと台詞で配信は終わるが、ここは小説サイトなので動画サイトとは……以下略。

　今回の特別配信がきっかけで、アーカーシャチャンネルが話題になる事を信じよう。

　食玩を巡るバトルとか、ある意味でも炎上案件とも言えるかもしれないのに、配信内の反応は逆だったのは驚きだ。

　このスーパーへ実際に足を運ぶかは、別の話となるのだが。