第23話
十分ほどで魔の森に到着した。
今日は魔の森の奥深くまで行けるだろうか。
できればそろそろ魔の森の攻略を終わらせてしまいたいのだけれど、なかなか攻略途中で夜になってしまうために、なかなか魔の森の攻略が終らない。
まあこれは魔の森の攻略が目的ではなく、デイリークエストの攻略をするために魔の森に毎日きているだけだから、無理をしてまで攻略を急ぐ必要もないのだけれど。
というわけで、気合をいれて、森の中を走る。
走っている途中に、ゴブリンLV7を見かけた。
ゴブリンLV7はオレのことに気が付いて、
「!」
こんな顔をして、こっちのことを見ている。
よし。
今までは何も考えずに敵を倒していたけれど、今日は少し敵を倒すスピードを上げることを考えて、敵と戦おう。
あんまりのんびりと敵と戦っていると、魔の森の攻略が最後まで進まず、途中で夜になっていることを思い出す。
ダンジョン途中でセーブとかできればいいんだけどな。
そんなことを考えながら、いつもならスキルまぶしい光を使ってから攻撃をしていたのだが、それを使わずに敵へと攻撃をする。
レベルを上げたんだから、何も恐れることはない。
攻撃のスピードはこちらのほうが上。
なら何も恐れずに、敵の攻撃がこっちに当たることを気にすることなく、右のストレートをただゴブリンLV7に向かってふりぬくだけだ。
どん!
という攻撃がゴブリンLV7に直撃した。
どうやらゴブリンLV7を倒したようだ。
よし。
何も毎回毎回まぶしい光を使っていたのが余計だったのかもしれない。
無駄に戦闘に時間がかかっていたのは、できるだけ安全に敵と戦おうと、そんなことを考えていたせいだろう。
少しはレベルが上がったのだから、もう少し敵の攻撃を食らっても大丈夫なのだと思いなおし、森の中を進むことにした。
倒したゴブリンはアイテムボックスの中に無造作に突っ込む。
モンスターを倒し終わっても、オレはのんびりと森の中を進むのではなく、今日はできるだけ森の奥に行くために、急いで森の奥を進むことにした。
いつもはまるで森の中の散策を楽しむように、森の中にいるモンスターの討伐を楽しむようにダンジョン攻略をしていたのだが、今日こそはできるだけダンジョン攻略をすすめようとそう考えたのだ。
モンスターも別にすべて倒す必要はない。
森の奥にさえすすめればいい。
だから邪魔になるモンスターだけを倒すことだけ考えよう。
オレの周りを囲むように、ゴブリン六体が出現する。
前方の敵だけを倒し、側面から襲い掛かってくるモンスターはあまり気にしないで、戦闘をしてみよう。
よし。
ならまずは前方の敵に向かっていくだけだ。
後方からも敵はくるようだが、ゴブリンレベル5くらいのゴブリンが相手なら、身体強化をすればモンスターの攻撃は防ぐことができるだろう。
ゴブリンLV7
ゴブリンLV7
焦るな。
敵はそんなに動きは早くない。
一体ずつ確実に倒していけばいいだけだ。
まずは攻撃が早いオレがゴブリンLVに向かって攻撃をする。
オレのこぶしがゴブリンLV7の顔面を捕らえた。
確かな感触がオレの手に伝わっていた。
よし。
モンスターの一体を倒した。
残りもう一体を倒せば、森の中を進むことができる。
もう一体のゴブリンLV7がオレに向かって攻撃を仕掛けてくる。
棍棒を振り下ろしてくるゴブリンLV7。
オレは守りの態勢をとって、身体強化を使った。
もともと筋肉がムキムキになってきたこのオレの身体が、身体強化を使うと、さらにムキムキの身体へと変貌する。
「いたくねえ」
オレはゴブリンLV7の攻撃を完璧にふさぐと、そう言った。
そして反撃。
オレのパンチがゴブリンLV7の顔面を捕らえる。
後ろ、側面からゴブリンが近づいてくるので、オレは倒したゴブリンを慌ててアイテムボックスの中にしまうと、前方へと走り抜ける。
そしてオレは追ってくるゴブリンたちを振り切り、そして後ろを見ながら、言った。
「ふふ、遅いのだよ、ゴブリン君」
といいながら、オレはどんどん後ろに遠ざかっているゴブリンたちを見て、そんなことを言った。
さて、ダンジョン攻略をして、数時間が立った。
ダンジョンの中で飯を食うというのはなんだか危険な気もしたが、辺りを見回して、周りにモンスターの気配がないことを確認して、オレはこの場で飯を食うことにした。
ダンジョンの途中で飯を食べられるように、ユイカにお弁当を作ってもらっていたのだ。
お弁当はおにぎりが三つだった。
どうせならお弁当に蜂蜜酒もつけておいてほしかったが、お弁当にはおにぎりしか入っていない。
ダンジョン攻略中に蜂蜜酒なんて飲んじゃダメです!
というユイカの顔を想像し、なんとなく苦笑いしてしまう。
「おっと……いけね。のんびりと休憩している時間なんてなかったんだ。今日はお弁当をできるだけ早く食って、ダンジョン攻略をするかね」
オレはそう言うと、三つあるおにぎりの中の一つを食べた。
そしておにぎりの味があまりにもおいしくて、こう言った。
「うめえ。さすがユイカだな。本当にユイカの作る飯は、うまいな……」
むしゃむしゃとユイカが作ってくれた握り飯を食べると、オレは昼飯を食べ終えて数十分ほどが経過してからよいしょっと立ち上がると、ダンジョン探索を続けるべく、その場から立ち上がった。
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