よくわからないけど生きています。1

狼男

第1話 就職活動だるい

 眠たい。疲れた。外に出たくない。家がある。

そんな戯言を一人つぶやきながら南丘拓郎は布団にくるまっている。

 彼は現在、就職活動中の三年生だ。しかし、やりたいこともない。面接対策、ES添削はやる気がしない。NNTである。24卒だが、いつまでに就活を終えたいと言うのもない。

 まともに準備していない。ガクチカはアルバイトがあるが、弱い気がする。

 就活の嫌なところはスーツを着ないと行けないところだ。ネクタイがうまく結べない。革靴は歩きにくい。

 将来の夢ややりたいこともない。強いて言うならダラダラしたいだけだ。基礎学力もないので、筆記テストもくぐり抜ける自信がない。

 自己分析、業界研究はした気になっている。自分史を作ってみた。中学の頃は、高校の頃は、とかまとめてみた。Twitterでアドバイスを伺ったことがあった。

 自己分析の結果、わかったのは自分はコミュ障だということだ。人とうまく関係が気づけない。

しかし、社会に出ていくとなれば、人と関わらないと行けない。一人で黙々とできる作業のほうが自分には向いていると思う。例えば、品出しの仕事がその例である。

 いっちょ小説家を目指したいとも思う。しかし、ライバル作家とどう差別化するのか。この界隈のことも何も知らない。自分に文才があるかどうかもわからない。自分が文章を書くのは好きだ。しかし、苦手なことがある。それは推敲することだ。文章を書き上げたら満足してしまう。これが自分の悪いところだ。

 小説の書き方も知らない。文章を書く仕事についてみたいと思うのだ。パソコンに文字を入力しているのが楽しい。「書くと話す」アウトプットはこのどちらかに集約されると思う。どちらかの能力は向上させたいと我ながら思う。それを面接で表現できればよいのではないかとも思うようになった。

 小説といっても種類はたくさんある。ファンタジー、恋愛、推理者等。

 どれにでもチャレンジしてみるつもりだ。ちなみに「note」に200記事以上投稿した過去もある。

しかし、フォロワーは100人程度しか集まらなかった。いいねもそんなに集まらなかった。しかし、インスタやTwitterのフォロワー数よりも多い。仕事の依頼も来るようになったら良いなあ。

「大学生小説家」。そんな肩書も悪くない。

これは就職活動からの逃げなのか。それすらもわからない。創造的な活動がしたい。就職活動を避けたい気持ちがある。ただ、小説家になるための一歩は作品を投稿することだ。そこで読者からフィードバックをもらう。これを繰り返して行く。

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