第49話 新たなる企画

季節は8月下旬。


配信者祭が終わって2ヶ月が過ぎた。


現時点でのブイライブの登録者数


マリア 登録者数 368000 平均同接 6800


ネオ 登録者数 559000 平均同接 9000


オオカミン 登録者数 726000

平均同接 13000


配信者祭でいろんな意味で目立ちまくった

俺は、あれから順調に登録者数を伸ばした。


何より7月から約二ヶ月間夏休み

期間だったのが大きい。

一番勢いがあったこの二ヶ月間に

長時間配信をほぼ毎日した

おかけで、新規のリスナーが定着し、

更にはブイライブの人気拡大にも繋がった。


と言っても、ネオさんやマリアさんの

登録者数も凄まじく伸びたのは、彼女達の

個々の力があったからだろう。


もう、胸を張って俺達は底辺を卒業したと

言ってもいいのではないか。


俺頑張ったし。


巷では今のVtuber界隈であのドリガル、

レインボーに次いで三番目に

人気のVtuberグループとされているらしい。


「ドリガルとレインボーか......」


遠い存在だと思っていたその名前が

近づいている気がする。


けど、まだまだだよな。

ドリガルの顔と言ってもいいあのニノの

登録者数は350万人だし。


レインボーにいる星野さんこと

星宮も最近登録者数が100万人

突破したって言ってた。


てか、100万人記念の逆凸配信で

星野さんに逆凸されたし。


恥ずかしかったなぁ......

夏休みに入ってからあんまり

話せてなかったからめっちゃ

緊張してしまった。

おかけで噛みまくって上手く

話せなかったし。


来週から二学期始まるし、

恥ずかし過ぎて会える自信がない。


そんなことをぼーっと

考えていたときだった。


【オオカミンさん。時間があるときに

お話をしたいのですが、いつ頃に

お話しできますか?】


メッセージを送ってきたのは

マネージャーの畠山さんだった。


それに都合のいい日にちを返す。


翌日、俺はブイライブの本社へと

足を運んだ。


な、なんだ?

配信者祭で好き勝手し過ぎたから、

怒られるのかな......まさか首とか......


いやいや! さすがにめっちゃ

時間経ってるし、そんなことないでしょ。


「あれ? 狼じゃない」


そんなことを心配していた俺は

本社の前でネオさんとばったり

鉢合わせた。


「ネオさん!?

どうしてここに」


「今日、マネージャーに呼び出されたのよ。

まさか、貴方も?」


「ですです」


「ならマリアも呼び出されてるのかしら」


ネオさんの予想通り、控え室に行くと

マリアさんが優雅に紅茶を飲んでいた。


「あ! ネオンちゃん、オー君!

よかったぁ。私だけじゃなかったんだ」


いつも通り優しそうなお姉さんが

そこにはいた。


残念なことに、長いスカートを

履いているけど。

俺への対策か!?


「おお! 皆さん集まりましたか!」


すると、最後に資料を手にした

畠山さんが入ってくる。


「では、皆さんとりあえず

お座りください」


何も知らない俺達は

言われた通りに着席する。


「えーまず皆さん。

ここ最近の皆さんのご活躍、

我々ブイライブの

運営スタッフは非常に嬉しく

思っております。

皆さんのおかけで、ブイライブという

名前も世間に広まり、ここ最近では

グッズの売り上げも順調です。

本当にありがとうございます」


「ど、どうも......」


なんかこうも感謝されると照れるな。


「私自身、ブイライブがここまで

急速に成長するのは予想して

いませんでした。ですが!

まだまだ伸び代はあると思っております!

そこで! 今回! 更なるブイライブの

成長のために! 大きな企画を始動したいと思っています! それは3D配信です!」


「3D配信!?」


畠山さんの提案に最も驚いていたのは

ネオさんだった。


「私達ブイライブとしてデビューして

まだ四ヶ月しか経ってませんよね?

なのに、もう3D配信の準備が

できているんですか?」


「できてます。

と、言いたいところなんですが、

まだ三人分の準備はできていません。

こちらの準備が完了するのは

一ヶ月後ぐらいです」


「......それでも早すぎませんか?」


「実はこの準備は皆さんの2Dの体を

作成したときから始めていたんです。

皆さんの活動が順調に行き、最も注目されているときに3d 配信ができるようにと。

と言っても、私たちブイライブは

まだまだ駆け出しの企業でして、

その3D 配信をする技術、人員、

知識などなどが

足りていませんでした。

しかし、今回はある企業にお願いをして、

協力をして頂けることになり、

この短期間での3D配信に漕ぎ着けたということです。ただし、その相手側から

協力をする代わりにある条件を

提示されまして」


「条件?」


三人全員がそう訊ねた。


「その企業に所属するVtuberも

その3Dライブに出演することです」


「......つまり、私たちと一緒にその

相手側のVtuberも3Dライブをするという

ことですか?」


「ネオさんの言う通りです。

皆さんは三人ですので、

お相手のVtuberも三人出演します。

二人一組でペアになって

1時間の3D 配信をしてもらう形です」


「なるほど」


納得する俺とマリアさんの

隣で、ネオさんは顔色を悪くしていた。


「あの畠山さん......」


ネオさんが恐る恐る訊ねる。


「その相手側の企業はどこなんですか?」


畠山さんはネオさんから

そう訊ねられることが

分かっていたかのように、

申し訳なさそうにこう答えた。


「お相手はシャイニングです」




────────────────────

ここまで読んでくださり、

ありがとうございます!


作者のモチベーションに繋がりますので、

面白いと思ってくれた方は、

是非とも【レビュー】【スター】【いいね】

の方をよろしくお願いします。











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る