枯草とダウナー
有害無益7
「ふーん。じゃその
「聞いたことねぇな、そいつ」
「名前違うんじゃない?もともとは」
言いながら
売人はコロコロ名前を変える。案件に応じてだったりうっかり下手を打ったからだったり理由は様々だが、例の男は
「まー、ちっとその線でいくつかルート当たってみマス」
「俺もそこいらの半グレ連中探ってみるで」
ここを処理すれば、【宵城】への
そして実際に向かってはいた。ただその方向性が、予想を裏切る形だったというだけで。
翌日、夜も更けた頃、
「とにかく、絡んでんのは
「
繰り返して呟く彼女に、心当たりがあるのか
───ほんのわずかに生じた違和感。迷ったが、憔悴した様子の彼女を問い詰めるのもどうかと思い、
その正体が明らかになるのは数日後。全てが終息する時だった。
きっかけは
「
ハンズフリーのスピーカーで聞いていた
「
すぐさま携帯を操作して合安楼付近の人間へ詳細を求める
「今
思いがけないチャンス。
「ありがとね。色々協力してもらって」
「お前、今日はもうアガリでいいよ。時給はラストまで出しとくから」
感謝を述べる
合安楼までは裏道を使えばさして時間もかからない。女性を帰し、
「
「どうもしねぇ。
「こっわ」
「
軽口を叩きあいながら目的地へ。ひっそりとした路地の奥、ボロい扉を押して店内に入るとすぐに漂う‘枯れ草’の香り。ダウナー系の音楽に
革張りのソファに座る
「お前が
ニタリと笑う
「テメェのルートからこっちに
その
パンッ。と軽い銃声。同時に
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